2020年となり、村議会議員として2年目の年を迎えました。
時代とともに地方議員の役割も変化していますが、役割が少なくなっている、という表現の方が正しいと感じています。
そこで、これからの議員の新しい役割とは、をテーマに掲げて考えてみることにしました。
地方議員の役割
1 村政をチェックする。
村政が適切に実施されているかをチェックする。
このことは、今後も必要な議員の役割のひとつです。
ただ、これまで十分にチェックがされてきたのかと言うと、疑問符がつきます。
例えば、現状、村から提出された議案についてほぼ全てが原案可決となっています。
2019年12月の議会で、明らかな数字の間違いがあったため、私は修正動議を提出しましたが、これより前に修正動議が提出されたのは記録を遡ると2007年となっており、本当に議案が十分チェックされてきたのか甚だ疑問です。
解決策としては、議案については、国の制度改正に紐付く条例改正などを除いて、原則委員会に付託することが挙げられます。委員会に付託されれば、委員会は調査権を行使することも出来ます。議案の調査研究も議員がそれぞれ単独で行うより、委員会でやった方が効率的ですし、賛成と反対の議論を重ねて上で、採決まで持っていくことが出来ます。
2 住民の声を届ける。
「議員は住民の代表であるから議員の発言が住民を代表している。」というロジックは、現代の多様性のある社会では、崩壊気味であると感じています。
議員の数を減らすと住民の声が届かなくなる、という趣旨の発言が、議員研修では繰り返されていますが、既に多くの声が届いていないのが現状でしょう。
南箕輪村は15,000人規模の自治体ですが、感覚的に議員が代表して届けることが出来ている声は、議員10人全員で述べ1,500人程度、約1割程度であると考えています。
さらに、課題として考えられるのが、住民の声を届けたとしても、何も変わらないし、意味がない、と若い世代は考えている+感じている(=間違ってはいない)ということです。
「住民の声を代表する」「代表して声を届ける」「届けても意味がない」
救いのないように感じますが、私は、しつこく届けていけば、突破口になると思っています。このことについては、次の「3 政策提言」の中で詳しく述べます。
住民の声を村政に届けるという本来のテーマに戻って、これからの議員の役割を考えた場合、住民の声を代表するだけでなく、議員と異なる考えを持っている人も含めて、住民の声を村政に届けることを助ける、コーディネイトする、機会を創る、そういった役割を担っていくことが必要であると感じています。
議員が全ての住民を代表するのはこれまでも実際は無理でしたし、これからはもっと無理です。
なので、議員の数を増やすことは根本的な解決になりませんし、議員のなり手不足で議員が足りないのであれば、住民の声を直接届ける仕組みを整えることで、定数を減らせばいい話です。
突き詰めれば、ブロックチェーンなどセキュリティが確立されれば、個別事象について、毎回住民が判断出来るようになり、議員は不要になる可能性もあります。
そこまではまだ時間が掛かりますが、とりあえずこれからは、議員と他者が平等の立場で協力して、村政に声を届けていく形をスタンダードとして構築出来ればと考えます。
3 政策提言をする。
これからの地方議員の一番の役割が政策提言をすることである、と思います。
議員には政策提言をする方法が2つあります。
(1)一般質問
一般質問は、年に4回ある定例会で、議員1人につき50分の時間が保証されています。ただ、村側の答弁を含めて50分なので、実際は25分程度となります。
この25分を使って、村側に様々な提案を行うことが出来ます。
根拠を用いて整然と必要性を訴えれば、村側は断ることはしません。そういった意味では現在南箕輪村は正常な状況であると言えます。自治体によっては訳の分からない理由で断ったり、時間切れを狙ったり、アホみたいなところも少なくありません。
さて、この一般質問の中で村側がよく言うのが
「そういった要望は住民から来ていない」
というセリフです。
住民が気軽に村へ声を届ける仕組みが整っているとは言えない中で、要望をあげるのは、よっぽど頭に来たり、我慢するのが限界になった時、いつまでも改善されない時など、かなり限定されています。
普通の人が要望をあげ形(テキスト)に残るは、村民アンケートが行われた時やパブリックコメントが求められた時ぐらいでしょうか。
ですので、前項の住民の声を届けるで話題とした、しつこく声を届けていくことは、一見無駄なようにも思えますが、一番効果的な手段であるやもしれません。
一般質問でも、関連した内容を提案した際には
「そういった要望を複数受けているので対応する」
といった答弁があり、そういった場合は、例えるなら村政を動かす最後のスイッチを押すことが出出来たと言えます。もちろん議員が押さなくても要望が多く上がればスイッチが押されます。
=住民の声を気軽に村政に届ける仕組みをつくることは非常に大切な役割であると思います。
(2)議員発議
議員が条例をつくって、発議することがこれからの議員の役割であると感じています。
ただ、先日、条例案をつくって発議しようとしたところ、他議員全員の反対を受けて、取りやめる(延期する)ことになりました。
理由としては、議会全体の問題、慎重に審議すべき、といったところが多かったと記憶しています。
そうであるならば、それを担う機関を議会の中につくっておかなければなりません。
また、議員から発議して制定した条例が過去とても少ないことも、反対の理由になるのでしょう。
ただ、このままでは永遠に議員から発議することは無くなってしまいます。
議会は議論を行う場ですので、多くの発議が否決されようとも、議員がどんどん発議して、議論を活性化していかなくてはいけません。
議員の世界は、普通の会社と違って、上司など他人の意見に拘束されることがないので、いつの間にか話がうやむやになってしまいます。
ただ、発議をすれば記録にも残るので、全議員が責任を持って考えるスイッチが急に入るのでこれを活用して議会を動かしていく必要があります。
2020年は少なくとも2回以上は議員発議をする予定で頑張ります!
2020年1月20日 文責 藤城
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