子持ちのおっさんでも地方議会議員はできるのか。その10「南箕輪村議会の議員定数について考えてみる。」

ジョブ

そろそろ議員になって1年が経ちますので、今日は議員定数について考えていきたいと思います。

南箕輪村議会の現在の議員定数は10人です。

2004年までは16人の議員がおりましたが、合併しない道を選んだことを契機に、16人から10人に議員定数を大幅に削減し、さらには会議等出席時に計上していた費用弁償(交通費)なども、合わせてバッサリ無くす改革が行われました。

本日は、もう1改革を望む立場から、今回の議論を進めていきます。

8人が理想?議会運営の立場から議員定数を考えてみる。

結論から述べると、議員の立場で議会という組織を運営するという切り口で考えた場合、少し乱暴ではありますが、議員定数は8人が理想ではないかと考えています。

コンセプトはコンパクトな議会

南箕輪村は、人口も15,500人程度で、村として人口が多い方ですが、市町村全体で見ると、人口は少ない方です。ただ、地理的にはコンパクトにまとまった自治体であると言えます。

議会もコンパクトにまとまっていればいいのですが、10人はいささかその枠からはみ出ていると感じています。

理由は、組織の運営という視点で考えてみると、普通の会社であれば、例え何千人と社員がいても、社長や会長、局長、部長、課長など、しっかりとしたヒエラルキーで、組織が運営がされています。

ベンチャー企業などでも、社長がリーダーとなり引っ張っていくなど、ある意味、上下関係は明確で、決定フローも単純です。

議員はここが違います。議員は全員が対等です。

一応、議長、副議長という役職がありますが、便宜上のものとなっており、繰り返しますが、議員はあくまでも全員が対等です。(しかも、様々な主張や意見をもつカテゴリーの代表者の集まりですので、はっきり言ってバラバラの存在なんです。)

そんな議員の集まりで議会を運営していかなくてならないため、10人の意見を持って物事を進めると、はっきり言ってカタツムリのようなスピードでしか話が進まず、困れば貝になってしまいます。(私は議員発議をしていくことで、なるべくスピード感が上がるよう意図しています)

まぁ仕組みとして崩壊しているんです。議会運営という意味合いでは、全ての地方議会が同じですが、大きな自治体では、会派というものがあり、会派の人数が多い集団が、重ーい議会を動かしている感があります。

8人になるメリット

さて、なぜ8人としたのか。8人にした場合のメリットから考えていきます。

常任委員会を全員が担う楽さ

南箕輪村議会には、法律上設置しなければならない委員会が3種類あります。

  • 議会運営委員会
  • 総務経済常任委員会
  • 福祉教育常任委員会

現在は、それぞれの委員会の定数は5人程度となっており、例えば議会運営委員会で決定したことを、改めて周知する機会をつくる必要があったり、意見を全議員から改めて募ったりしなくてはならないことが多いのが現状です。そうなると前後に委員会を再設定しなければならないなど、はっきり言って、決定機関として委員会を動かすことが超大変な状況です。

8人全員が、上記3つの委員会のメンバーとなれば、会議日程も少なくすることができますし、共有漏れもありません。

あー楽そう・・・と思いませんか。

実は、これはコンパクトな村であるからできることなんです!

人口が多かったりやエリアが広かったりする自治体には出来ないことなんです。

南箕輪村がもつこのポテンシャルを活かさない手はないと考えています。

人口が増えている南箕輪村があえて議員の人数を減らして、議会を活発化させようという試みは他には真似できません。

公費負担の削減につながる

議員の数が減りますので、当然のことながら負担する税金が少なくなるというメリットがあります。

村議会の定数について討論|ニュース|伊那谷ねっと
伊那谷から長野県南部からニュースや地域情報をお届け!伊那谷発信地域ポータルサイトです。

上記ニュースにもあるとおり、村民の理解も得られやすいでしょう。

議員発議が行いやすくなる

これが一番のメリットである考えています。

議員は条例を発案する権利がありますが、実際のところ、そう言った議員発議は非常に少ないのが現実となっています。

理由は明確で、行政から条例を発案するときは、議会の過半数の同意を得られればOKですが、議員から発案するときは、議会の過半数の同意を得ることと、事前に行政側にも了解をとっておかなければなりません。

行政から発案するより、2倍大変なんですね。

行政に了解を取る必要はないのでは?と思うやもしれませんが、例え条例が可決されたとしても行政が公布しなければ、その条例は死んだも当然の状況になりますので、了解を取らない選択肢はありません。

まぁ、正直なところ、全く同じ条例であっても、行政から提案されたものは可決されて、議員が発案したものは否決される感触を得ていますので、大変さは2倍どころではないやもしれません。

議員の人数が少ないことで、過半数を取るための労力が削れるのは大きなメリットです。

8人になるデメリット

議員の人数を少なくするテーマをあげると、専門で研究している教授の方々からは、地方自治を分かっていない・・・と言った声をそれは本当に、もうたくさん聞くことが出来ます。

研修で講師の教授に、この話を伺っているときも、他市町村の議員に「お前そんなこと聞くなんて本当に馬鹿で何にも分かってないなぁ」と外野から野次られる始末です。

まぁ、学者の立場からすると、それはそのとおりなのですが、先を見通して変えていくのが議員(政治家)の仕事ですので、私は半信半疑に聞いたり、感じたりしています。

さて、議員を減らすと一番に言われるので「住民の声が届かなくなる」ということです。

これも議員になると耳にタコができるくらい聞くことが出来ます。

ただ、10人だろうが、16人だろうが、多様化していくこれからの社会では、全ての住民の声を議員が代表することはより無理になる時代となると考えていますので、代表するより、住民の声を直接村に届けることをコーディネイトする、これがこれからの議員の役割であると改めていくべきと考えています。

そうすることで、議員の数を減らす根拠をつくることができるのではないか、と考えています。

まとめ

低下する投票率が示すとおり、これから時が進むにつれ、地方議員の必要性については、よりネガティブな方向に進むことは明白です。

改革のアクションを、人口増を続ける南箕輪村からあえて起こしていきたいものです。(ハード)

2020年3月17日 文責 藤城

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