上伊那地方の高校改革に対する議論が活発化しています。
特に、上伊那の学力ではTOP1、2の伊那北高校と伊那弥生ケ丘高校の合併が公になってから、より議論が活発化している感じます。
シンプルな疑問
昔ほどではないにしろ、やはり学力が高い高校に入ることは、子どもの一つの目標となります。
今回、上位1、2の伊那北高校と伊那弥生ケ丘高校を合併することになったことに、シンプルに
「どうして?」「嘘だろ?」
と疑問に思った方は多いのではないでしょうか。
出身者の方に合併の事を説明したら、最初は信用してもらえない程でした。
シンプルな疑問2
これから人口減少時代を迎えます。これは、上伊那地方も例外ではありません。
人口減少を日本国は初めて経験することになりますが、そうなると都市計画に基づいて、行政が整備していくエリア、人が暮らしていくエリアを人口減少に比例して、狭めていかねばなりません。(=エリアを狭めるだけで、公共投資を減らすべきという訳ではありません。)
そうなると、電車で通える位置にあり、人が多く住む中心エリアにあるこれらの高校は、貴重な存在と考えることができます。
なぜこのようになったのか
さて、合併にネガティブな意見を先に述べましたが、長野県教育委員会も悪意があって改革を進めている訳ではないので、納得できる理由がそこにあるのだと思います。
調べてみると資料が出てきましたので、下記にリンクを貼っておきます。
正直、量が多すぎて、議員のように、これを生業としない限り、全て把握するのは困難です。
生業と言いましたが、県議会議員が本職となります。
村議会議員は、直球では何の権限もなく手が出せませんが、それでは悔しいし、無責任だし、無能ですので、何を出来るかを考えてみている訳です。
なお、子どもの数の減少は下記のとおりですので、何らかの改革が必要であると私は考えます。
なお、上伊那地区がある8区における2030年度における減少率は82%で、最も子どもの数が減らない地区であると言えます。
この数字を維持、向上させることは、別の観点から村議会議員の仕事の一つであります。
説明会が機能していない
長野県教育委員会は、高校改革を進めるにあたり、住民の説明会を開催していますが、まずこの説明会が機能していないと感じます。
偏った考えを持った方、中立な考えを持った方など、参加された方にそれぞれ意見を伺っていますが、その多くは、説明会に参加したことで、不満が逆に高まっています。
議論が噛み合っていないんですよね。
これは当然の結果で、理由は下記のとおりです。
しかしながら、多様化した社会の中で、これまでのように対象を分けずに説明会を開催すると、どんなに丁寧に説明しても、論点が異なった議論が繰り返されることになってしまい、現在の説明会の構造が、教育委員会および住民両者にとって、望ましい形になっているとは言えない。
私が12月議会で発議しようと考えている意見書(案)より引用
これから高校に入学する、関わる方と、すでに高校に入学、卒業、関わった方、地域の方を混在させた中で説明会を行っていけないんですよね。
OB、OGに「合併校はこんなに素晴らしい高校にしていく予定です!」と訴えても、琴線に触れないのはたやすく想像できます。
彼ら、彼女らには「高校を残すために、教育委員会が積み重ねてきた努力とその軌跡、現在の結論に至った経過」を丁寧に説明し、対話を重ねることが大切なんです。
また、中学までは義務教育なので、高校から自分で学ぶ高校を選択した人が大部分であると思います。
自分が初めて選んだ学校が無くなる、母校が無くなる、これを悲しいと思う感情が生まれることに、共感できる人は多いと思います。
感性で皆がそう感じるから再考して欲しいなど、様々な運動なども起きるんですよね。
村議会議員として何が出来るか
私の個人的な考えは、上伊那には受験で入る中学校がないので、伊那北高校を伊那北中等学校(中学受験、中高一貫教育)にして、伊那弥生ヶ丘高校をTOP1の高校にすることで、それぞれのブランドを守るというものですが、まぁこんなアイディアは長野県教育委員会で十分検討されていると思います。
検討されているとは思いますが、なぜ難しかったのか、そういったことへの説明が一つひとつ欲しいんですよね。
県議会議員に訴えアクションを期待する。
一つはこれです。
ただ、これは間接的な動きになるので、私的には村議会議員が何が出来るかという観点からは、腑に落ちない点も多いです。
意見書を長野県教育委員会に提出する。
村議会議員として、まず出来るのはこれかなぁと思います。
議員自身が議員発議して、議会で賛成多数をとれれば、提出することができます。
ただ、提出と言っても文章で送付するだけでは、読んだかどうかもわからないので、長野県教育委員会に持参する必要があります。
そうなると、南箕輪村だけでは弱いです。上伊那の他の議会でも同様の意見書を採択して、合同で長野県教育委員会に持参するぐらいして、初めて議員として何が出来るかの「できた」につながる活動であると考えます。
考えている意見書
12月議会で議員発議を予定している意見は下記のとおりです。
これから、県議会議員や上伊那の地方議員と情報交換の機会もあるので、変わってくるやもしれませんが、議員としては、適切な説明会の開催、住民と行政の対話の機会を創ることがまずは大切であると感じており、その考え方に基づいた内容となります。
高校改革~夢に挑戦する学び~を進めるにあたり工夫された説明会の開催を求める意見書
現在、長野県教育委員会は、社会の大きな変化と急激な少子化に対応するために、高校のあり方について検討を進めており、その中で、すべての生徒が自らの夢を見つけ、夢に挑戦する学びが実現をされるよう高校改革に取り組んでいるが、改革を進めるにあたっては、丁寧な説明を通じて、住民の理解を得ることが何より重要である。
しかしながら、多様化した社会の中で、これまでのように対象を分けずに説明会を開催すると、どんなに丁寧に説明しても、論点が異なった議論が繰り返されることになってしまい、現在の説明会の構造が、教育委員会および住民両者にとって、望ましい形になっているとは言えない。
これから高校に入学する住民には、今後どのような高校にしていくかを中心に説明すべきであるし、すでに高校に在学および卒業した住民には、高校を残すために、教育委員会が積み重ねてきた努力とその軌跡、現在の結論に至った経過を丁寧に説明し、理解を求めるべきである。
以上のことから、下記のとおり工夫された説明会を開催するよう強く要請します。
記
1 高校改革を進めるにあたり、これから高校に入学する、関わる方を対象とした説明会と、すでに高校に入学、卒業、関わった方および地域の方を対象とした説明会に分けて開催するなど、住民の理解が得られやすいよう、工夫された説明会を開催すること。
みなさんのお考えはいかがでしょうか。
2020年11月20日 文責 藤城
コメント