南箕輪村の人口増についての考察1「人口増の要因と人口の推移と推計」

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南箕輪村の人口増の理由について、それぞれテーマを設けて、長期間にわたって考察していきたいと思います。

最初のテーマは「人口増の要因と人口の推移と推計」です。

人口増の要因

2021年1月現在、私が考える南箕輪村の人口増の要因は下記のとおりです。

近年の南箕輪村の人口増の理由は、過去から不変的に続いている大きな土台となる事象に、2つの大きな波が重なったことによる。

大きな土台となる事象とは、「村民の所得は高いが土地の評価額が低い(考察9)」ということである。

1つ目の大きな波は、2005年から唐木村長が先進的に進めてきた子育て支援による波(考察3,5,15)である。

2つ目の大きな波は、昭和40年代ごろから始まった人口増の影響による波(考察19,24)である。

2つ目の大きな波は、1つ目の大きな波より先に小さくなることが予想されるため、今度も人口増を続けていくためには、唐木村長がつくった子育て支援の波に加えて、さらに一つ大きな波を起こしていく必要がある。

ただ、土台となる事象は大きく変化する可能性は低いと思われるので、新しい波をつくることができれば、南箕輪村は推測に反して、2030年以降も人口増を続けるポテンシャルが十分にあると強く感じている。

新しい大きな波になり得るものとして、個人的に思考している政策は2点ある。

1つ目は上伊那地域からの移住が多いという事実をポジティブに捉えて、あえてそこに資源を投下する政策である。南箕輪村は移住者の割合が73.3%と極めて多く(考察6)、移住者が暮らしやすい環境であることが、数字でも示されていることから、移住に失敗した方や暮らしやすさを求める方の選択肢に南箕輪村が挙がれば、上伊那全体としてもポジティブな動きとなる。

例えば「都会のように希薄でない。だからいって田舎のように閉鎖的でない。移住者が多いから、ちょうどいいつながりがある。」や「想い描いた移住ができる村」といったようなアプローチを進めてみてはどうだろうか。

そのためには、新しいコミュニティの在り方について、対話を重ねていく必要がある。

2つ目は概念に止まっているので、固まり次第また追記していきたいが、子育て支援にも関わる内容である。

  1. 人口増の要因と人口の推移と推計
  2. 信州大学農学部
  3. 保育料の引き下げ
  4. 大芝高原
  5. 子どもの病院代
  6. 移住者が多い村 その割合なんと7割!
  7. コンパクトシティ
  8. 産業構造
  9. 税金が安い!?土地が安い。が所得は高い!
  10. ベッドタウン?
  11. 人口の推移と推計(南原地区、大泉地区)
  12. 運動あそび
  13. 中央自動車道伊那インターチェンジ
  14. 雪が少ない
  15. ママの就業・お仕事相談
  16. 1点集中できる規模
  17. 無駄が少ない=スリムな行政
  18. 山麓の村人〜恵まれた日照と夜の涼しさ
  19. 人口増の素地とV字回復
  20. 鳥獣被害が少ない
  21. 人口の推移と推計(北殿地区、南殿地区)
  22. 社会増減と自然増減そして人口増減
  23. 水が無くて開発が遅れた&不毛の大地を切り開いた先人たち
  24. ずば抜けて高い新築戸建て率


人口の推移

さて、考察を進めるにあたり、まずは現在までの人口の推移を確認していきます。


1875年 2,333人明治8年に南箕輪村誕生
1975年 7,664人昭和50年に村制100周年
1985年10,000人昭和60年12月23日に10,000人
1995年12,000人平成7年2月1日に12,000人
2004年14,037人平成16年の平成大合併では「自立」を選択
2013年15,000人平成25年9月30日に15,000人
2018年15,500人平成30年11月21日に15,500人
2022年16,000人令和4年10月1日に16,029人

1875年に村が誕生してから、人口は減ることがなくコンスタントに増えていますが、特徴として「昭和40年頃から県内TOPレベルの高い人口増加率を長年保ってきた」ということが挙げられます。

現在は、日本全体でみると人口減少時代に突入していますが、南箕輪村だけでなく、全国や長野県内において、他にも人口が増えている自治体はいくつもあります。

例えば2019年の長野県はデータによると、全自治体77自治体のうち、川上村、軽井沢町、御代田町、原村、南箕輪村、白馬村、小布施町、野沢温泉村の8自治体が該当しています。

自然増を県内で唯一達成

さて、それらの自治体に共通して言えることは、どの自治体も人口が増えている原因が社会増であるということです。

人口増減は、社会増減と自然増減の足し算によって決定されます。

人口が増えた8自治体のうち7自治体は、社会増の増加数が自然減の減少数より上回っているので、トータルでは人口が増えていると結果となっています。

南箕輪村は唯一自然増を達成しており、社会増減もプラスなので、人口増減もプラス=人口が増えているという結果となっています。

それにしても自然増を達成しているのが、1自治体しかないことに、人口減少の大きな波を感じますね。

低い高齢化率

南箕輪村の人口ピラミッドを見てみると30代から40代の層が一番多く、高齢化率は23.5%(令和4年10月)となっています。

これは長野県内で最も低い数字で、全国平均の28.1%(平成30年)よりも低い数字です。

県内1高い合計特殊出生率

南箕輪村の合計特殊出生率は1.76と、飯田市に並んで県内1高い数字となっています。

私も4人の子どもがいますが、小学校や保育園の同級生には、姉や兄、妹や弟がいる子が多いと感じます。

ただ、合計特殊出生率については、日本全体でみれば有効なデータでありますが、個別データとなると、例えば独身の女性が村外へ移住した場合も、出生率は上昇してしまうので、単純に高ければいいというものではありません。

例:村の人口が10人でその内、15歳から49歳の女性が2人であったとする。1人の女性は子どもが4人、もう1人の女性が子どもが0人であった場合、村の合計特殊出生率は2となる。子どもが0人の女性が村外に移住してしまった場合、合計特殊出生率は4に上昇するが、村として望ましいことではない。

事例:保育園児数が40%も増えた!

わかりやすい事例として、村の保育園児数の増加が挙げられます。

平成19年(497人)と平成30年(696人)の保育園児数を比較すると、10年ちょっとで約200人も増えています。

パーセンテージでいうと、40%にも達します。

南箕輪村に若い世代が集まり、自然増を達成した理由が良く分かる事例となっています。

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人口の推計

次に未来の話をしていきたいと思います。

専門機関の推計人口予測

国立社会保障・人口問題研究所が発表している将来推計人口では、南箕輪村の人口は、2035年(15,666人)をピークに、2040年(15,608人)となるという数字が出ています。

2021年1月現在の人口は15,754人ですから、すでにピークの数字から大きく上振れしていることが分かり、信憑性が怪しい推計になっています。

そうなると、日本創生会議が2040年の南箕輪村の人口は16,140人となる予測を発表しており、こちらのほうが、現状は信頼できそうです。

また、第2期南箕輪村人口ビジョンでは、15,590人と推測されています。

・2040年 15,608人 (国立社会保障・人口問題研究所)

・2040年 16,140人 (日本創生会議)

・2040年 15,590人 (第2期南箕輪村人口ビジョン)

長野県の推計人口

長野県に目を向けてみると、現在県の人口は約2,065,000人ですが、2040年には約500,000人(25%)減少すると予測されており、2035〜2040年頃まで、人口増を記録するという予測があるのは南箕輪村のみとなっています。

見方を変えてみると、2040年には南箕輪村より人口が多い「町」は県内では、隣の箕輪町と軽井沢町だけになるというからちょっと驚きです。

もちろん県内の「村」の中では最も人口が多い村であることに変わりはありません。

危惧されるのは、南箕輪村には大きな変化はありませんが、周辺は人口減が影響して大きな環境の変化が起こることが予想されることです。

2040年の長野県人口ランキング

国立社会保障・人口問題研究所が発表したデータを元に、2040年の長野県人口ランキング(推計)を算出してみましたよ。

順位自治体人口
1長野市301,857
2松本市208,978
3上田市120,927
4佐久市85,781
5飯田市79,860
6安曇野市78,208
7伊那市57,393
8塩尻市55,655
9茅野市46,548
10千曲市44,978
11須坂市38,508
12諏訪市38,349
13岡谷市38,020
14中野市34,787
15小諸市32,220
16駒ヶ根市26,364
17東御市23,888
18箕輪町22,079
19大町市17,355
20軽井沢町16,662
21南箕輪村15,608
22飯山市15,004
23辰野町14,329
24御代田町14,130
25下諏訪町13,485
26富士見町12,237
27高森町12,076
28坂城町10,756
29松川町9,963
30松川村8,146
31宮田村7,870
32山形村7,859
33小布施町7,817
34飯綱町7,700
35山ノ内町7,654
36佐久穂町7,457
37池田町7,361
38白馬村7,226
39木曽町7,085
40原村6,430
41飯島町6,216
42高山村5,869
43信濃町5,296
44喬木村5,127
45豊丘村4,993
46立科町4,889
47阿智村4,789
48川上村4,370
49長和町4,087
50下條村3,855
51中川村3,689
52朝日村3,453
53青木村3,268
54阿南町3,239
55木島平村3,212
56小海町3,009
57南牧村2,922
58上松町2,916
59南木曽町2,756
60筑北村2,707
61大桑村2,498
62野沢温泉村2,129
63木祖村1,979
64麻績村1,777
65小川村1,644
66小谷村1,601
67泰阜村1,215
68栄村1,069
69生坂村1,045
70南相木村695
71天龍村597
72根羽村565
73王滝村530
74大鹿村491
75北相木村452
76平谷村429
77売木村427
南箕輪むら役場
南箕輪村役場はレンガ造りでちょっといい雰囲気

南箕輪村は21位という結果になりました。長野って自治体多いですね。

さて、これから南箕輪村の人口増の考察について進めていきます。

それぞれの考察を下記リンクよりご覧いただければ幸いです。

  1. 人口増の要因と人口の推移と推計
  2. 信州大学農学部
  3. 保育料の引き下げ
  4. 大芝高原
  5. 子どもの病院代
  6. 移住者が多い村 その割合なんと7割!
  7. コンパクトシティ
  8. 産業構造
  9. 税金が安い!?土地が安い。が所得は高い!
  10. ベッドタウン?
  11. 人口の推移と推計(南原地区、大泉地区)
  12. 運動あそび
  13. 中央自動車道伊那インターチェンジ
  14. 雪が少ない
  15. ママの就業・お仕事相談
  16. 1点集中できる規模
  17. 無駄が少ない=スリムな行政
  18. 山麓の村人〜恵まれた日照と夜の涼しさ
  19. 人口増の素地とV字回復
  20. 鳥獣被害が少ない
  21. 人口の推移と推計(北殿地区、南殿地区)
  22. 社会増減と自然増減そして人口増減
  23. 水が無くて開発が遅れた&不毛の大地を切り開いた先人たち
  24. ずば抜けて高い新築戸建て率

2018年10月25日 文責 藤城

2020年1月8日 文責 藤城

コメント

  1. […] 南箕輪村の人口増についての考察1「人口の推移と推計」 […]