南箕輪村の人口増の理由について、考察しています。
第10回のテーマは「ベッドタウン?」です。
南箕輪村から近隣の伊那市、箕輪町、駒ヶ根市など、アクセスがいい市街地へ通勤している方が多いということは、日々のコミュニケーションの中で感じます。
もしかしたら南箕輪村はベッドタウンであるのやもしれないと考え調べてみました。
ベッドタウン (bed town) とは都心へ通勤する人の住宅地を中心に発達した、大都市周辺の郊外化した衛星都市を指す言葉。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%83%E3%83%89%E3%82%BF%E3%82%A6%E3%83%B3
通勤者の分布
本当にベッドタウンであるのか、政府統計で実際の通勤者の分布について、データで確認してみます。
地域 | 自市町村で従業している 就業者数【人】 | 他市町村への 通勤者数【人】 | 他市町村からの 通勤者数【人】 | 差 【人】 |
伊那市 | 24,369 | 9,904 | 9,690 | 214 |
駒ヶ根市 | 12,003 | 4,997 | 6,235 | -1238 |
辰野町 | 5,006 | 4,552 | 3,846 | 706 |
箕輪町 | 6,935 | 5,795 | 5,718 | 77 |
飯島町 | 2,777 | 2,441 | 1,997 | 444 |
南箕輪村 | 2,868 | 4,608 | 3,655 | 953 |
中川村 | 1,363 | 1,449 | 673 | 776 |
宮田村 | 1,946 | 2,538 | 2,515 | 23 |
上伊那では駒ヶ根市を除く自治体は、他市町村へ通勤している人の数の方が多く、その中でも南箕輪村は差が953人となっており、最も多い数字となっています。
南箕輪村人口ビジョンで、就業者の主な流出先・流入先のデータをみてみると、通勤先は伊那市、箕輪町、駒ヶ根市の順で多くなっています。
これらの数字は、ベッドタウン的な位置づけである、一つの根拠であると言えます。
ただ、6,000人以上は村内で就業している人がいることから、働く場所は少なくないとも言えます。
伊那市や箕輪町が大都市であるとも言えないことから、完全なベッドタウンと言えるかは懐疑的な状況ではありますが、上伊那の中でみると南箕輪村が最もベットダウンの色が濃いことは明らかです。
なお、権兵衛トンネルが開通した2006年以降は、木曽地域へのアクセスが容易になり、林業などでそちらに働きにいく方、こちらで働く方も増えてきました。
商店街がない
南箕輪村には商店街がないことも一つの特徴となっています。
商店街がないことをデメリットに感じる方も多くいらっしゃると思います。
ただ、国道やインターチェンジ付近、広域農道沿いなど、大通り沿いにはそれなりに店舗があります。また、コンビニエンスストアやラーメン屋も結構あります。
商店街がないメリットとしては、外からあまり人が流入せず、知らない人があまり村に入って来ず、必然と顔見知りが多くなるので、安心・安全に繋がることが挙げられます。
交番がない
南箕輪村には「交番」がありません。
交番はありませんが、代わりに駐在所があります。
駐在所の役割は交番と変わりませんが、交番が交代制であるのに対して、駐在所は駐在する警察官の家族が暮らす官舎を兼ねていることが特徴です。
治安の悪い地域は交番を設置しなくてはならないルールがありますので、南箕輪村は治安の良い地域であると言えます。
繁華街や病院は近い
南箕輪村は、伊那市の中心市街地に近く、また伊那市の伊那中央病院にも近いといった、立地上の特徴もあります。
伊那市の面積は667㎢と村の16倍以上もあることから、伊那市よりも南箕輪村に住んだほうが、伊那市の繁華街や伊那中央病院に近くなるケースも多々あります。
自治公民館が立派
また、地方都市の特徴として、町会(村では区や組)で所有している自治公民館が立派であることが挙げられます。
区民祭や納涼祭、収穫祭やスポーツイベントの打ち上げなど、意外と夜の時間も明かりがついていることが多いです。
私が所属していた会もそうですが、結構頻繁に持ち寄りで飲み会が行われています。
遅くまでやっている飲食店が村内には非常に少ないので「村の公民館でまったりみんなで飲む」みたいな文化が、都会とは違ってあるんだなぁと思っています。
ただ、自治公民館は区(区民)の所有物なので、建て替え時などは多額の費用負担が発生します。
自治公民館の在り方を都会と同義にしていると、この辺りで気持ち悪い思いをすることがあるやもしれません。
通勤退勤時間帯の移動は工夫が必要
朝の通勤時間帯、夕方の退勤時間帯は本当にピンポイントの時間のみになりますが、道路が混みます。
なお、基本的に混んでいる道路は、自治体を跨がる移動となる南北に走る道路です。
東西へ移動する道路はそれほど混まないため、南北に移動する経路を工夫すると、道路の混雑に巻き込まれるケースが低くなります。
2018年11月5日 文責 藤城
2021年1月20日 追記 藤城
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