南箕輪村の人口増の理由について、考察しています。
第14回のテーマは「雪が少ない」です。
今回の雪が少ないというテーマは、基本的には南箕輪村がある上伊那地域全体のメリットですが、その中でも南箕輪村独自の内容も紹介していきたいと思います。
長野県に対する雪のイメージ
長野県に対する雪のイメージは、超絶雪が積もっている!!というのものではないでしょうか。
そんなイメージがあったので、移住してきてそそくさと高額出費してスタッドレスタイヤを買ったのですが、その年に雪が降って積もったのはたったの2回・・・と、完全に肩透かしを食らいました。
ただ、寒いことは寒いので、道路の凍結は凄い!のでスタッドレスでないと走行はできませんので、無駄にはなりませんでした。
南箕輪村に移住して、運がいいのか、積雪に悩まされたことは現在までありません。
そこで、まずは長野県の地域ごとの積雪量は一体どうなっているのか?そんなことを早速調べて見ましたよ。
長野県の地域ごとの積雪量(第七次長野県総合雪対策計画から)
豪雪地帯対策特別措置法に基づき、長野県では地域によって
・Aランク:豪雪地帯(積雪の深さを一冬合計した値の平均5,000㎝以上)
・Sランク:特別豪雪地帯(上記値の平均15,000㎝以上)
が指定されています。(ランク表示は個人的解釈です)
オレンジがSランクの特別豪雪地帯に、黄色がAランクの豪雪地帯に指定されています。
意外なことに長野県では指定されている地域より、指定されていない地域の方が広いことが分かります。
南箕輪村は、真ん中くらいにありますが、もちろん指定区域外(ランク外)となっています。
垂直積雪量から予測する
それでは、豪雪地帯に指定されていない地域は、地域によって積雪量がどの程度あるのかをさらに調べて見ました。
残念ながら気象庁で積雪量のデータが見つからなかったため、代わりに市町村ごとの垂直積雪量を調べてみました。
垂直積雪量とは
建築基準法に則り、特定行政庁の定める各地の積雪の深さで、構造計算などの際に用いられます。
そのまま積雪量と言うわけではありませんが大いに参考になるのかなと思います。
市町村ごとの垂直積雪量
垂直積雪量を、長野県WEBサイト「垂直積雪量算出シート(市役所または町村役場のデータ)」より引用し、少ない順に上から並べてみると下記のとおりとなります。
市町村名 | 垂直積雪量(㎝) |
坂城町 | 36 |
箕輪町(上伊那) | 47 |
南箕輪村(上伊那) | 47 |
安曇野市 | 47 |
立科町 | 48 |
中川村 | 48 |
千曲市 | 48 |
佐久市 | 49 |
長和町 | 49 |
伊那市(上伊那) | 50 |
東御市 | 51 |
駒ケ根市(上伊那) | 53 |
飯島町(上伊那) | 53 |
喬木村 | 53 |
飯田市 | 54 |
松川町 | 55 |
高森町 | 55 |
豊丘村 | 55 |
木曽町 | 56 |
下條村 | 58 |
天龍村 | 58 |
青木村 | 59 |
辰野町(上伊那) | 59 |
阿智村 | 59 |
泰阜村 | 59 |
佐久穂町 | 60 |
宮田村(上伊那) | 60 |
阿南町 | 60 |
根羽村 | 60 |
売木村 | 61 |
大鹿村 | 62 |
小諸市 | 63 |
生坂村 | 63 |
川上村 | 65 |
上松町 | 65 |
筑北村 | 65 |
平谷村 | 67 |
小海町 | 68 |
南牧村 | 69 |
麻績村 | 69 |
南木曽町 | 70 |
南相木村 | 71 |
北相木村 | 71 |
軽井沢町 | 73 |
諏訪市 | 73 |
下諏訪町 | 73 |
原村 | 73 |
塩尻市 | 73 |
岡谷市 | 74 |
御代田町 | 75 |
山形村 | 75 |
朝日村 | 75 |
池田町 | 75 |
茅野市 | 76 |
富士見町 | 76 |
大桑村 | 76 |
松川村 | 76 |
須坂市 | 78 |
小川村 | 82 |
小布施町 | 85 |
木祖村 | 89 |
高山村 | 89 |
王滝村 | 91 |
大町市 | 110 |
中野市 | 123 |
飯綱町 | 158 |
山ノ内町 | 195 |
木島平村 | 204 |
白馬村 | 292 |
小谷村 | 293 |
飯山市 | 293 |
野沢温泉村 | 305 |
信濃町 | 312 |
栄村 | 332 |
上田市 | データなし |
松本市 | データなし |
長野市 | データなし |
結果、南箕輪村は2位タイの47㎝という結果でした。
なお、東京の中心部の垂直積雪量は30㎝、八王子などは40㎝となっていますので、八王子と南箕輪は7㎝、東京の中心部と比較しても17cmしか変わりません。
これは正直自分でもびっくりしました。
ところがどっこい標高の高い山では雪はたくさん降っている
なぜこんなに垂直降雪量が少ないのでしょうか。
実際、家から見渡すと蒼い山に雪は大量に降っており、スキー場も近くにあります。
少ない理由は、垂直積雪量のデータは市役所または町村役場を基準としたものだからなんです。
高い山に挟まれているため、雪の多くが山に降ることも、雪が少ない理由でしょうか。
なので、南箕輪村の飛び地にある経ヶ岳はもちろん凄い雪が積もっていますし、権兵衛トンネルを超えた木曽地域はさらに雪が凄い降ります。
生活圏でない山には雪がしっかり降りますのでウィンタースポーツはもちろん楽しみやすい!です。
南箕輪村の除雪体制
南箕輪村はコンパクトシティのため、他地域と比較して、除雪に関わるコストは低く抑えることができます。
それでも、家周辺や通学路の一部等は住民自らが除雪しなくてはいけませんし、都市部よりは共助の概念を持っておく必要があります。
まっくん除雪隊
南箕輪村にはまっくん除雪隊という面白い取組みがあります。
区(町会)が主体となって組織される除雪作業のボランティアで、平成28年にはその数120人を数えました。
重機が必要となるため、それを活用いただけるボランティアの皆様には感謝の念しかありません。
まとめ
南箕輪村は雪も少ないし、雪が降っても除雪体制が整っているので東京のような混乱もないし、標高が高い所に行けばウィンタースポーツも楽しめるし、いい所だらけ。
・・・でも雪がないと逆に寒いんです。そこだけは避けて通れません。
2018年11月13日 文責 藤城
2020年11月16日 追記 藤城
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