今回のテーマは議員の厚生年金加入に反対する議員発議です。
前回のエントリーで、議員発議をどんどんしていくことが、これからの議員の新しい役割ではないかと訴えました。
議員発議の種類(チャンスは基本的に年4回のみ)
さて、議員発議にもいろいろあり、一番メジャーなのは条例案の提出です。
こちらは現在準備中なので少しお時間をいただくとして、先日2019年12月の議会で私が実施した修正動議(1/12以上の議員で出来る)も議員発議にあたります。
さらには意見書の提出なんてのもあり、次の2020年3月の議会では、議員の厚生年金加入に反対する意見書の提出について、議員発議をしていこうという訳です。
意見書の提出ってどこに出すの?意味あるの??
さて、議会で採択されれば、意見書を提出することになりますが、どこに出すのでしょうか。
今回テーマとした議員の厚生年金加入に反対する件については、仮に厚生年金加入となると、それは法律改正が必要な事項となり、提出先は・・・衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、内閣官房長官・・・このあたりになってきます。
そして、これが果たして意味があるのかとなると、日本全国の地方議会から意見書が大量に中央省庁に届けられていることになるので、・・・あまり意味がないという結論となります。
ただ、この議員の厚生年金加入の件については、私が提起する内容とは全く逆の「厚生年金への地方議会議員の加入を求める意見書」が、平成29年12月28日現在、全都道府県、市区町村1,788団体のうち、1,035団体(約60%)の議会において、可決されて提出されており、
「オイオイ。このままじゃ本当に厚生年金加入になりかねない!」
という危険な雰囲気が醸成され、加入反対の私の立場にとっては、かなり危うい事態となっています。
ちなみに、私が議員になる前に、南箕輪村議会でも平成28年度の議会で、加入に賛成8人、退席1人で可決され、意見書が提出されております。(ざんねん。)
議員の厚生年金加入に反対する3つの理由
さて、なぜ議員の厚生年金加入に反対するのかについて、3つの理由を述べます。
1 村議員のモチベーションはやりがい
私が村議会議員をしているモチベーションのナンバーワンはやりがいです。
議員って報酬高いんでしょ?と思われがちですが、実際はこんな感じです。
年収でいうと約350万円ですので、ありがたい金額ではありますが、モチベーションがむちゃくちゃ上がる金額ではありません。(なお、手取りではありませんよ)
やりがいの話に戻りますと、もし、議員が厚生年金に入ることができるようになったら、
「なんで自営業は入れないのに議員は入れるんだ!」議員特権だ!!
→そのとおり。入りたい人が入れるようになって、最後に議員なら100歩譲って分かる。
「拘束されない、雇われていない議員がなぜ入れるんだ!」議員特権だ!!
→そのとおり。パートだと入れないケースも多いのにねぇ。
みたいに感じで世間から評価されて、やりがい・モチベーションをガンガン削ってくると思うんです。
まず、これが一つ目の理由です。
2 無駄な税金がかかり、南箕輪村の財政に負担となる
2つ目の理由はコレです。
厚生年金は、本人と雇用主が保険料を折半するという仕組みになっています。
議員は誰かに雇用されている訳ではありませんが、村を雇用主として、村の税金で半額を負担させるという方針で議論が進んでいます。(強引!)
南箕輪村の財政は、比較的良い方ですが、決して潤沢ではございません。
さらには、過去制度として存在していた議員年金の支払いについて、年100万円近くが正当な権利ではありますが、今でも支出されており、これ以上、無駄な負担を増やす必要はありません。
3 議員のなり手不足解消には絶対にならない
厚生年金に加入できれば、議員のなり手不足の解消になるということが、加入を推進する理由の一つに挙げられています。
「わぁ。議員って社会保険入れるんだぁ。なりたいなぁ!」
・・・こんな普通の会社に入るような理由で、あんな大変な選挙に出て、議員になるような人は、いるのか・・・。いないだろう。と私は思う。強く。
ただ、残念ながら、全国町村議会議長会では、厚生年金加入に向けて全力で動いているようなので、少なくとも全国の議員を代表する議長の方々は、プラスになると考えています。やめてくれ!
さらには、議員のなり手不足の解消に向けて、若い世代の方が議員になることが望まれていると思います。
ただ、若いうちから、議員になるような少しでも世の中を勉強している人であれば、今後の超少子高齢化で、自分たちがもらえる年金より、払う年金の方が多くなることは、絶対知っているでしょう。
先日の老後必要な資産が2000万円であるといった報告書が公に進めているように、今後は海外を中心に分散投資をして、資産を増やしていかなくてはならない時代です。
まとめ
モチベーションとやりがいを削り、村に余計な税金がかかり、若い議員は損する、こんなデメリットばかりの厚生年金の加入には、絶対反対の立場です。
=議員は国民年金でいいよ。国民年金を良くすることを考えようよ。
どんな意見書案を出すの?
実は大阪府議会が、全国に先駆けて厚生年金加入に反対する意見書を提出し、公表しています。
私はそれを参考につくりました。
大阪府議会では断固反対!と断固がつき力強いですが、イチ村人である自分としては、少しトーンを下げて、分量も少なくしました。
大阪府のパクってんじゃん!と言われても仕方ありませんが、イチ村人の限界もありますのでご容赦を。
さて、3月の議会で不採択になっても、多くの議論が交わされれば、とりあえず合格点と考えています。
そうだ!年金より、すっごい減っている出生数をどうにかしよう!村の出生数を年200人にあげることを目指そう!そのためには!
そんな、まともな議論が展開すればいいのですが。どうなるかな。
2020年1月24日 文責 藤城
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