南箕輪村の人口増の理由について、考察しています。
第11回のテーマは「人口の推移と推計(南原地区、大泉地区)」です。
ここまで10回の考察を終えました。
まだまだ多くの人口増の要因がありますが、ここで人口の推移を地区ごとに分類し、更に掘り下げて見ようと思います。
南箕輪村は12地区に分かれている
さて、南箕輪村は12の地区に分かれています。
上図は12地区の区割りを表現しておりますが、各地区の人口は平成17年10月現在の、古いデータとなっております。こちらの数字は参考データとしてご覧ください。
さて、下記表は平成22年、平成30年、令和3年の人口の増減についてを示しており、平成22年から平成30年を比較して、人口増加数の多かった地区から順に並べてあります。
例えば、南原地区は平成22年と比較すると、平成30年は258人、令和3年は393人増えており、8年間で22%、11年間で33%も人口が増加していることが分かります。
地区 | 増減数 【H22→R3】 | 増減比 【H22→R3】 | 増減数 【H22→H30】 | 増減比 【H22→H30】 | R3年 【人】 | H30年 【人】 | H22年 【人】 |
南原 | 393 | 33% | 258 | 22% | 1,583 | 1,448 | 1,190 |
大泉 | 308 | 27% | 185 | 14% | 1,608 | 1,485 | 1,300 |
北殿 | 200 | 6% | 172 | 6% | 3,282 | 3,254 | 3,082 |
南殿 | 102 | 9% | 73 | 6% | 1,230 | 1,201 | 1,128 |
沢尻 | 117 | 9% | 63 | 5% | 1,463 | 1,409 | 1,346 |
北原 | 52 | 22% | 31 | 13% | 291 | 270 | 239 |
田畑 | 43 | 2% | 29 | 1% | 2,228 | 2,214 | 2,185 |
久保 | -28 | -2% | 28 | 2% | 1,292 | 1,348 | 1,320 |
大芝 | -17 | -5% | 2 | 1% | 319 | 338 | 336 |
中込 | -39 | -8% | -16 | -3% | 452 | 473 | 489 |
塩ノ井 | 22 | 6% | -25 | -7% | 369 | 322 | 347 |
神子柴 | -9 | -1% | -25 | -2% | 1,636 | 1,620 | 1,645 |
そこで、人口が増えている地区から順番にいろいろと掘り下げていき、人口増の考察につなげようと思います。
南原区の特徴
人口が最も増えた南原地区の特徴について、まずは公式情報である南箕輪村都市計画マスタープランから引用してみます。
西部は主に酪農地帯となっている。東部は宅地化が進み、団地も造成されている。国道361号権兵衛トンネルが開通したことにより、木曽谷からの玄関口となっている。これに伴い、住民の手により村内初の景観形成住民協定が締結され、地区全域がその対象となった。また、地区内には流通業の事業所も多い。
この地域は戦後の開拓により発展してきた新しい地域です。
そんな中、村内2つ目となる小学校「南部小学校」が平成8年に開校されたこともあり、子育て世代が家を建てて移り住んでくる人気No.1エリアになっています。
伊那ICが近いため、移動が便利な地域ですし、IC付近にはスーパーなど商業施設が集まっています。
さらに、広域農道周辺には新しいお店が立ち並び、最近はそれらの店舗が農道タイムスとしてグループで事業活動を始めるなど、先進的なエリアとなっています。
南部小学校の周辺は今でも宅地化が進んでおり、継続して人気のエリアになっています。
さらに、酪農地帯として紹介されている西部は景観が素晴らしく、都会からの移住者にとっては魅力的なエリアとなっています。
南原地区は、今後も人口が増えていくことが予想されます。
大泉区の特徴
次に人口が増えたのは大泉地区です。
ちなみに「おおいずみ」ではなく、「おいずみ」と読みます。
古くから春日街道沿いの宿場として栄え、大和泉神社、勝光寺などの史跡や鹿祭り、「御嶽山」など伝統文化が多い。地理的に扇状地の中間にあたるため、かつては水の確保が困難で、住民は大泉所山から水を引いたり、横井戸を掘るなので事業を実施した。現在は西天竜用水路を利用した稲作中心の兼業農家が多い。
大泉地区は広大な田園地帯や大泉川の水辺など豊かた自然環境にあふれた地域です。
現在は県道沿いを中心に元々田んぼだったところの宅地化が急速に進んでおり、新しい一軒家が田園地帯に立ち並んでいます。
また、眺望も素晴らしく、村役場や南箕輪小学校や南箕輪中学校にもそれなりに近いことから、こちらも子育て世代に人気の地区になっています。
人口が増え方が大きい南原、大泉の共通の特徴として、小学校に近く、新築の一軒家を建てる土地が豊富であるということが挙げられます。
またどちらも中心地からは幾分離れていることから、土地の評価額が低く、若い世代が購入しやすいといった特徴もあるのかなと思います。
2018年11月5日 文責 藤城
2021年1月20日 追記 藤城
2021年7月5日 追記 藤城
人口増の考察一覧
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