南箕輪村の人口増についての考察6「移住者が多い村 その割合なんと7割!」

移住者 人口増の村

南箕輪村の人口増の理由について、考察しています。

第6回のテーマは「移住者が多い村 その割合なんと7割!」です。

南箕輪村は、移住者が多い村で、これは全国的にもとっーても珍しい特徴であります。

具体的には、南箕輪村に生まれ居住している住民が3割程度、反対に南箕輪村に移住してきた住民が7割程度となっています。

都会は移住者が多いのは当たり前ですが、日本のどこの地方の村を探しても、移住者の割合が7割なんて聞いたことがありません。

みなさんが描く、普通の村のイメージは、99%が地元の方、1%が移住してきた方、ではないでしょうか?

移住者
村を愛する3人も東京で生まれたので移住者にカウント

移住してきた住民が7割の根拠

移住してきた住民が7割って本当ですか?よく聞かれる質問ですので、その根拠をいくつか示してまいります。

その1 アンケート結果

1つ目の根拠は、第2次南箕輪村地域福祉計画において実施したアンケート調査です。

令和3年度に、無作為抽出で満20歳以上の2,500名を対象に実施し、1,265名から回答を受けたものです。

その中で移住者の割合という項目があり、1,251名から回答がありました。

【移住者の割合】

居住経験にて「生まれてから南箕輪村にずっと住んでいる」「南箕輪生まれだが、村外での居住経験がある」「村外から転入してきた」のうち、「村外から転入してきた」と回答した者の割合

その結果、73.3%の方が「村外から転入してきた」という結果でありました。

久保中込塩ノ井北殿南殿田畑神子柴沢尻南原大芝大泉北原
79.8%77.4%47.1%74.1%66.0%75.4%72.1%83.6%81.1%61.9%62.8%58.8%

その2 研究者

2つ目の根拠は、「平成の大合併と地域社会のくらし 関係性の民俗学 小島孝夫/編著」にその旨の記載があることです。

その3 引き続く人口増加

3つ目の根拠は、考察19で示している、昭和40年から県内TOPの高い人口増加率を保ってきたことが挙げられます。

村を愛している人が多い

「どこに住もうか」

色々調べて、南箕輪村を選んで、そして住むことを決めた、村への愛着が高い人たちが、若い世代に特に多いと感じています。

その結果、少し前ですが2004年の住民投票では6割以上の村民が合併に反対しています。概して、年齢が高い層は合併に賛成し、年齢が低い層が合併に反対しました。

また、村の商工会が実施したアンケート調査では、全世代が町になることに反対しています。

私も村だから、南箕輪村に移住を決めた1人です。

村民には、村人であるというアイデンティティが確立されています。

同い年の子どもが近所にたくさん

移住者は子育て世代が多いことが特徴のため、自分の子どもと同い年の子どもが、近所にたくさんいることもメリットの一つです。

また、新しい人が村に来ることが、すでにこの村では珍しいことではないため、地元コミュニティへ加入するにも、ハードルがとっても低いと感じています。

「長年の経験で移住者を受け入れる環境が整っている。」

これは移住者にとって非常に大きなメリットではないでしょうか。

自信を持って言えることは「閉鎖的な感じは南箕輪村は全くないですよ。」ということです。

中学生が村を愛するきっかけ

中学生に対して、自分が南箕輪村の村人であるアイデンティティーを形成する助けとなる事業を、村では60年以上前から実施しており、村を愛するきっかけの一つになっていると思います。

強歩大会

大芝高原からスタートして、村の飛び地にある経ヶ岳を中間地点として、標高差が1キロ以上ある距離を全校生徒が走り切ります。

最近は強歩大会の週末に経ヶ岳バーティカルリミットが開催されており、コース整備などが協業して行われる仕組みが出来上がりつつあります。

枝打ち

大芝高原に豊富に生える赤松は、明治時代に南箕輪尋常小学校が植樹したことが起源となっています。

今も中学生が赤松の枝打ちをして育林を助けています。

落穂拾い

稲刈りが終わった後に中学生が落穂拾いをして、得た収益を寄付をする文化が出来上がっています。

大人になった時

「強歩大会まじ辛かったよね」「田舎でしかあんなのないよね」

っていうことを、共通の話題として話せることにも繋がりますし、子どもからも

「お父さんも走ったの?」「走った走った、あの時は・・・・」

なーんて光景も微笑ましいですよね。

最近はキャリア教育にも力が入ってきており、中学生が地元の経営者さんなどと対話する機会が設けられています。

地元民が増えてきている?

南箕輪村の合計特殊出生率は1.76で、長野県内で一番高い数字になっています。

生まれる子どもが多ければ、移住者の割合は下がってくることになります。

我が家でも4人目は南箕輪村で生まれていますので、4人目は地元民1〜3人目と私たち夫婦は移住者になるのかな。

2018年10月29日 文責 藤城

2021年1月11日 文責 藤城

2022年3月24日 追記 藤城

人口増の考察一覧
  1. 人口増の要因と人口の推移と推計
  2. 信州大学農学部
  3. 保育料の引き下げ
  4. 大芝高原
  5. 子どもの病院代
  6. 移住者が多い村 その割合なんと7割!
  7. コンパクトシティ
  8. 産業構造
  9. 税金が安い!?土地が安い。が所得は高い!
  10. ベッドタウン?
  11. 人口の推移と推計(南原地区、大泉地区)
  12. 運動あそび
  13. 中央自動車道伊那インターチェンジ
  14. 雪が少ない
  15. ママの就業・お仕事相談
  16. 1点集中できる規模
  17. 無駄が少ない=スリムな行政
  18. 山麓の村人〜恵まれた日照と夜の涼しさ
  19. 人口増の素地とV字回復
  20. 鳥獣被害が少ない
  21. 人口の推移と推計(北殿地区、南殿地区)
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  23. 水が無くて開発が遅れた&不毛の大地を切り開いた先人たち
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