南箕輪村の人口増の理由について、考察しています。
第20回のテーマは「鳥獣被害が少ない」です。
人口増の考察もいよいよ第20回となり、節目のテーマは何にしようかなぁ・・・とちょっとだけ迷いましたが、
まだまだ序盤の20回目なので普段通りのテンションで、今回は鳥獣被害を取り上げてみたいと思います。
考察7の「コンパクトシティ」でも一行だけ触れましたが、南箕輪村は山に接していないので鳥獣被害がとっても少ない村となっています。
被害の現状(平成28年度)
南箕輪村鳥獣被害防止計画によると、被害総額は約112万円(平成28年度)となっています。
これは多いのでしょうか、少ないのでしょうか?
他自治体との比較
他自治体と比較してみましょう。
調査年が平成23年から29年と多少隔たりがありますが、計画を公表している
- ・上伊那の5市町村
- ・耕地面積が大体同じくらいの池田町と高森町
- ・一番耕地面積が広い長野市
を例にとって調べてみました。
耕地面積(ha) | 被害面積(ha) | 被害金額(万円) | 被害金額/耕地面積 | |
南箕輪村 | 865 | 31 | 112 | 0.13 |
池田町 | 863 | 5 | 150 | 0.17 |
中川村 | 756 | 78 | 358 | 0.47 |
駒ヶ根市 | 1860 | 15 | 917 | 0.49 |
宮田村 | 492 | 20 | 244 | 0.50 |
長野市 | 8160 | 613 | 4604 | 0.56 |
伊那市 | 5170 | 36 | 3097 | 0.60 |
高森町 | 936 | 42 | 1700 | 1.82 |
- ・池田町は耕地面積が同程度であるが、被害額は1.3倍以上
- ・中川村は耕地面積は同程度であるが、被害額は3倍以上
- ・駒ヶ根市は耕地面積は2倍程度であるが、被害額は8倍以上
- ・宮田村は耕地面積が1/2程度であるが、被害額は2倍以上
- ・長野市は耕地面積は10倍程度であるが、被害額は40倍以上
- ・伊那市は耕地面積は6倍程度であるが、被害額は27倍以上
- ・高森町は耕地面積は同程度であるが、被害額は15倍以上
他自治体と比較すると明確に鳥獣被害が少ないことがわかります。
なお、長野市には「いのしか対策課」が専門部署であります。
どんな鳥獣から被害を受けているの?
鳥獣被害が少ないことが分かった南箕輪村ですが、それでも被害額は100万を超えています。
どんなアニマルから被害を受けているのでしょうか。
第1位:カラス 71万円
南箕輪村で最も被害をもたらしていたのは、都会顔負けのカラスでした。
全被害額の60%以上は此奴らによるものでした。
村内全域で飼料作物やリンゴ、野菜が4月から11月に被害を受けています。
なお、被害額は拡大傾向となっているので今後が心配されます。
なお、村のゴミ集積所は都会ほど数が多くなく、管理がしっかりとしているので、今までカラスがゴミ袋を突いてゴミが散乱するようなケースはまだ見たことがありません。
第2位:ニホンジカ 20万円
南原地区や飛地のヒノキの木が通年ニホンジカの被害にあっています。
ヒノキは剥皮被害です。
山の近くを夜中ドライブしていると、鹿に会うことが結構あります。
第3位:イノシシ 8.3万円
今年の干支であるイノシシが3位にランクイン
主な被害は飼料作物となっています。
被害時期は4月から11月で、主に南原地区で野菜の食害や農地の掘り起こし被害も出ています。
私はまだイノシシには遭遇していません。
第4位:ツキノワグマ 7.1万円
昨年は大芝高原に迷い込んで、セラピーロードなどに入場規制がかかりました。
南原地区や大芝地区で野菜や果樹の食害が出ています。
その他
ニホンザルが南原地区の住宅街に出没したり、ドバトが田畑や神子柴地区で豆類の食害をもたらしたり、ハクビシンによる住居侵入や糞被害が出ています。
南箕輪村鳥獣被害対策実施隊
鳥獣対策は様々な機関や団体、組織が連携して実施していますが、鳥獣被害対策実施隊という組織もあります。
隊長は、南箕輪村猟友会長が担当しており、銃器による駆除、わなの設置など捕獲等専門的な対策を実施してくれたり、出没情報や捕獲情報の提供もしてくれています。
隊員の高齢化等による従事者の減少および新規隊員の確保が課題になっているとのことです。
村役場の産業課が窓口となっています。
2019年1月15日 文責 藤城
2021年1月20日 追記 藤城
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