南箕輪村の人口増の理由について、考察しています。
第7回のテーマは「コンパクトシティ」です。
南箕輪村の面積は40.99㎢で、長野県にある77市町村の中では71番目と、かなり小さな自治体となっています。
さらに、その約半分は飛地であり、かつ人は住んでいませんので、人が住んでいるライフエリアだけでみると、長野県で最も小さい小布施町と、ほぼどっこいどっこいの広さとなっています。
この地図でみると飛地の方が小さく表現されていますが、これはデザインの関係で小さくなっており、実際は飛地が21.7㎢、ライフエリアが19.3㎢なので、飛地の方が2.4㎢ほど広いです。
なお、こんなに大きな飛地があることは、全国的にみてとっても珍しい特徴となっており、それで南箕輪村を知っていただく方もかなりいらっしゃいます。
コンパクトシティ
人口減少時代を迎えた日本にとって、コンパクトシティを推奨し、生活エリアを絞っていくことは、地方都市の衰退速度を緩めることにことになり、経済の面からも非常に大切です。
移動も便利、管理も便利
南箕輪村は、人が生活しているライフエリアは縦横が4×5㎞と、非常にコンパクトで、移動するにも便利だし、行政が管理するにも楽な環境です。
例えば、長野県は保健師の活動が、全国一盛んな都道府県ですが、村では移動時間が少なくて済むので、訪問事業等にプラスに働き、保健師の活動がより充実したものにつながっています。
また、とある地主さんからこんな話を聞きました。
「俺は南箕輪村にも他の市にもたくさん土地を持っているけど、雪が降ったあとが全然違う。南箕輪は道路に雪が全くないのに、あっちは積もったままなんだよ。南箕輪は仕事が早い早い」
上伊那は雪があまり降らない地域ですが、それでも除雪が早いという、コンパクトシティのメリットが出た、分かりやすい事例だと思います。
鳥獣被害が少ない
また、人が生活するライフエリアは、山に接していないので、鳥獣被害が少ないといった特徴もあります。
私も移住4年目から、家庭菜園を始めましたが、近隣の農家の方からも、大規模な鳥獣被害の話は聴こえてきません。
買い物弱者対策にも有効
高齢化により、車を持たない熟年者が増えてきており、買い物弱者対策が課題となっています。
買い物弱者対策に取り組むにあたり、一般的な地方都市がまず実施しなくてはならない事業は、小さな拠点づくり=コンパクトシティの推進です。
南箕輪村はすでにその事業は完了していますので、他の自治体と比較して一歩進んだ位置から政策を実施することができます。
経ヶ岳
コンパクトシティの話からは離れますが、飛び地には日本200名山の1つ経ヶ岳があります。
経ヶ岳を登山していると、山にキノコや山菜を取りにいく人々とよくすれ違います。
また、大泉所ダムはカヌーやバーベキューができるエリアになっており、夏はバーベキューの人気スポットにもなっています。
バーティカルリミット
5月にはトレイルランニングの大会「バーティカルリミット」が経ヶ岳&大芝高原を舞台に行われています。(2020年は新型コロナウイルス感染症の影響で中止)
大芝高原をスタート地点として、伊那市を経由して飛び地に向かい、急斜面となっている経ヶ岳を駆け上がり、駆け下り、大芝高原に戻ってくるという相当過酷なレースです。
実はこのレース、地元の中学生が、ずっと昔から実施していて、強く歩くと書く、強歩大会がベースになっています。
大芝高原まつり、イルミネーションフェスティバルト並び、南箕輪村の3大イベントの一つに数えられています。
2018年10月29日 文責 藤城
2020年5月13日 追記 藤城
2021年1月15日 追記 藤城
人口増の考察一覧
コメント
[…] 考察7の「コンパクトシティ」でも書きましたが、 […]