南箕輪村の人口増の理由について、考察しています。
第2回のテーマは「信州大学農学部」です。
信州大学農学部キャンパス
南箕輪村は、日本で唯一、国立大学のキャンパスがある村です。(2021年1月現在)
国立信州大学の農学部キャンパスがあることで、単純に毎年約200名弱の大学生が南箕輪村にやってきてキャンパスライフを送っています。
1年生から4年生まで合計すれば750名弱となり、そこに大学院まで加えれば、全体で900名程度の若者が来村してくれていることになります。
ただ、「学生が来るから単純に人口増だね」っていう短絡的な話ではありません。
卒業したらいなくなってしまうことが前提だからです。
学生の出身地を調べて見る
さて、そんな信州大学農学部に通う学生たちの出身地を調べてみました。
大学パンフレットによると、1年生から4年生の合計735名程度となっていることが分かり、それぞれの出身地の内訳についても紹介されています。
円グラフをみてみると、比較的近いエリアである、関東・甲信越や東海・北陸から来ている学生が多いですね。
それでも、皆さん通える距離ではないので、大学周辺に下宿する形となります。
4年間の移住体験ツアー(強制)
大学周辺に下宿して4年間のキャンパスライフを送る大学生たち。
これは見方を変えると、長野県出身である91人を除く約88%の学生が「4年間移住体験ツアーをしている」と考えることはできないでしょうか。
流行りの「関係人口」にも位置付けられるのではと思います。
「信州大学でキャンパスライフを送って南箕輪村がとても気に入ったから」
そんな理由で村に住み続ける方が結構いらっしゃいます。
実は150人しかいない南箕輪村役場の職員や村議会議員でも、信州大学農学部出身の方がチラホラいます。
1年間に180人程度が4年間の移住体験ツアーを自動的に始める仕組みがある、と改めて考えると、人口増という観点では信州大学がある価値はとっても大きいと実感できます。
費用の面でも、行政が移住体験ツアーをゼロから企画した場合、高額なお金がかかってしまうほか、参加者が希望する内容とミスマッチが発生して、無駄な企画になってしまう恐れが多いです。
信州大学の学生の場合は、自ら費用を負担してもらえる訳で・・・(南箕輪村に住むためではないですが)そう考えると大変有難いです。
村に国立大学がある理由
なぜ、山麓の村に、国立大学が存在するのでしょうか。
その理由について、上伊那教育会の研究会で発表されていたので、ここでも紹介していきます。
上伊那農業高校(以下、上農高校という)の村上校長が農業促進のため、指導者育成を理念に揚げた。
上農高校は5年生だった。学生は小規模寮に入る塾風教育(大正後期から昭和初期にかけて農村に設けられた塾の形態による教育。農村不況対策としての農村中堅人物の育成を目的とし,人格的感化と勤労による精神訓練を重視した。)をしていた。
1943年に4年生に短縮されレベルダウンになった。
1945年に上農高校50周年記念事業として、農林専門学校の設立が企画された。
地元協力の元、多額の寄付を受け、県内での競争に打ち勝ち、農林専門学校併設の権利をGET!高等農林学校が国策として設立認可!(戦場に米や農産物を供給するため)
1947年に中の原に校舎竣工
1948年に信州大学設置認可申請(ただ、当初は独立大学として申請したが、不認可となり、信州大学に参加の形となった)
1949年5月 新生信州大学発足!農学部も南箕輪村でスタート!!
上伊那農業高校が南箕輪村にあったことが、国立大学の誘致につながった歴史が分かりました。
信州大学と南箕輪村のコラボ
せっかく4年間移住体験ツアーをしてくれる学生がたくさんいるのですから、例えば8月に開催している大芝高原まつりなどのイベントは、信州大学の学生に結構いいお金を払って雇って、準備から片付けまで、そして企画から次年度へのつながりまで、一緒に取り組んではいかがでしょうか。
村役場の職員がテントを張ったりするよりかは、それなりの時給で雇った学生たちが中心になった方が、費用の面でも役割分担の面でもいいのではないかと思います。
村一番の祭りを地元の大学生が支えている、学生からしてみれば、時給がとってもいいバイト&お祭りで楽しい!
南箕輪村とつながりが深くなって、南箕輪村に定住する学生が増える!都市部に戻っても、大学と絡めて村を紹介してくれる!!そんなことが実現できたら、とっても嬉しいですね。
その他にも
- 大学内に地域貢献するサークルがある
- 飲み屋に若い学生が多い
- 既にお祭りを盛り上げてるよ
など、若い学生がいることにネガティブナ要素はありません!
まとめ
南箕輪村がいつまでも元気なむらであるためには、信州大学の存在は外せません。
なお、昔は南箕輪キャンパスでしたが、今は伊那キャンパスに改称されました。( ・∇・)(住所は南箕輪村のまま)
2018年10月25日 文責 藤城
2020年1月29日 追記 藤城
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