伊那盆地で最も栄えている地域は、その中心である伊那市です。
一方、駒ヶ根市から伊那市へ通勤する方が、交通渋滞に困っているという声をかなり多く耳にします。
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令和7年第4回議会定例会における、西森一博議員の一般質問です。
現在のAIシステムの導入状況でございますが、まず「音声文字起こしツール」を導入しております。
専用のモバイル端末等を用い、会議の音声をAI技術により録音と同時に自動で文字化できるものでございます。
ウェブブラウザ上の編集画面に音声内容が即時に表示されるため、会議を進行しながら議事録の作成も可能です。
令和4年度からは長野県市町村自治振興組合による共同調達を活用しており、導入により議事録作成時間の短縮という効果が得られております。
また、中学校におきましては、テスト採点にAI技術を活用した「採点支援システム」を導入しており、教員の負担軽減に貢献しているところでございます。
次に、今後のAIシステム導入予定について申し上げます。
全庁的に職員が利用する対話型の生成AIツールにつきまして、導入の検討を進めております。
現在、長野県市町村自治振興組合を中心に構成されている「生成AI検討に関するワーキンググループ」に、本村の担当係長が参加し、共同調達の可能性も含め検討を深めているところでございます。
生成AIツールを活用することで、あいさつ文や通知文の校正、文書の要約、企画立案におけるアイデアの創出、議会対応時の情報収集、さらにはイラストや画像制作など、多岐にわたる業務において効率化が期待されます。
また、これまで個々の職員の経験や勘に依存していた業務の一定の標準化が図られ、職員が本来注力すべき企画・調整業務に時間を振り向けられるようになるなど、時間創出の効果も見込まれます。
こうした取組は、結果として住民サービスの迅速化や質の向上にもつながるものと考えております。
加えて、AIの活用は職員一人ひとりのデジタルスキルの向上にも寄与し、将来的な行政デジタル化の進展にも備えるものとなります。
一方で、情報セキュリティの確保は極めて重要でございますので、行政専用ネットワークであるLGWAN上で利用できるツールの選定など、安心して利用できる環境整備を進めてまいります。
また、AI活用の範囲や役割を明確にし、最終的な判断は人が行うという基本原則を徹底するなど、透明性と倫理性にも十分配慮してまいります。
導入にあたりましては、効果的かつ安全な運用のためのガイドラインを整備し、利用促進とリスク低減を両立させながら、段階的に進めてまいりたいと考えております。
自治体にAI導入が求められる背景としては、人口減少に伴う職員数の縮小、専門的な人材の確保の難しさなどが挙げられます。
しかしながら、自治体には安定的で持続可能な住民サービスの提供が求められており、そのためには業務の効率化を進め、職員を単純事務から解放し、人が担うべき判断業務や地域課題の解決に集中できる環境を整えなくてはなりません。
AI技術を活用することで、文書作成やデータ集計などの定型業務を自動化できるほか、高度な判断への補助や背景となる課題分析など、業務の質を高めることができる可能性がございます。
AIが補完することで、限られた人員をより重要な業務へ当てることで、住民サービスの向上にもつながるものと考えております。
一方で、AIの活用には留意すべき点もございます。
判断根拠の透明性、情報セキュリティの確保、誤出力への適切な対応など、人間による最終確認と責任を欠かすことはできません。
こうした是々非々の観点を踏まえつつ、AI導入が職員の業務改善への意識を高める契機となり、持続可能な行政運営に寄与するよう、慎重かつ前向きに取り組んでまいりたいと考えております。
村では今年度から、自治会業務を日常的に担う人材として集落支援員の任用を本格的に進め、自治会への配置を開始いたしました。支援員が担っている業務は、西森議員がお示しになった「日常業務を担う事務局」に分類される内容に相当するものです。
今年度は北殿区、田畑区への配置を行いましたが、現場の状況を伺うと、事務文書の作成や公民館の環境整備などを担うことで、役員の負担軽減につながっているとの声をいただいております。
また、いずれの支援員も地元の方であるため、区の事情に精通していることが活動を円滑に進める大きな利点となっていると聞いております。
今後、12地区すべてに配置が進めば、結果として地区ごとに事務局機能が整い、日常業務を担う仕組みに近づくものと考えます。
ただし、この仕組みを正式に導入するかどうかは、あくまで各自治会のご判断によるものであります。
情報や権限が事務局側へ過度に集中することへの懸念も一部にあると承知しております。
今後も、各区の実情やご要望を丁寧に伺いながら、集落支援員による支援体制を通じて、自治会の活動をしっかりと支えてまいりたいと考えております。
自治会活動の担い手が減少する中、草刈りや環境整備といった地域活動を持続させるために、有償ボランティアとして住民の力を活用する仕組みについてのご質問でございます。
まず、公園や公民館周辺など、地域の皆さんの関心が高い公共的な場所において、住民の皆さんが有償ボランティアとして作業していただくことにつきましては、特段の異論はございません。
議員がお示しのとおり、有志で組織された団体が地域活動支援補助金を活用し、公園の岩撤去といった中規模の整備まで担っていただいている事例は、地域力が発揮された望ましい取り組みであると考えております。
一方で、論点となりますのは、「対象とする範囲や質」をどのように拡充していくかという点であります。
都市部では、自然が限られているため草刈りや環境整備の対象となる場所は比較的少なく、また人口密度が高いため、業者委託に必要な費用を確保しやすく、広い範囲で質の高い整備が行われております。
しかし、地方である本村は豊かな自然に恵まれている反面、草刈りや環境整備を必要とする場所が広範囲に及びます。
加えて、人口密度が低いため、自治体が費用を投じられる範囲にも限界があり、都市部と同様の業者委託方式を広範に展開することは困難であります。
議員におかれましても、この構造的な課題をご認識のうえで、有償ボランティアというご提案をいただいているものと受け止めております。
そのうえで、私の見解として申し上げれば、私たちは豊かな自然を享受している一方、その環境を維持していくためには、地域として一定の労力を担っていくことも、自然の恩恵を受ける者としての責任であると考えております。
とりわけ、自宅周辺や自治会区域内の草刈り・環境整備につきましては、これまでどおり地域の皆さんのご理解とご協力をいただきながら進めていくことが望ましいと考えております。
その上で、地域の負担を少しでも軽減するための方策としては、まず対象とする範囲を明確にし、地域の皆さんの関心が高い公共的な内容を優先して、有償ボランティアの活用や補助制度の効果的な運用を進めていくことが考えられるものと存じます。
また、その担い手をどのような体制で組織するかにつきましては、村で組織する方法、自治会が主体となる方法、有志団体による方法などさまざまな形が考えられます。
ここでは詳細には踏み込みませんが、村として組織する場合は、若い方にも届くような斬新な仕組みが必要であると考えております。
どちらにしても、地域の実情に応じてこうした取り組みを支えていく姿勢を持ちながら、持続可能な地域活動の在り方を皆さんとともに検討してまいりたいと考えております。
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2026年(令和8年)1月1日から、林野火災注意報の運用が始まります。
林野火災に注意を要する気象状況になると 「林野火災注意報」 が発令され「火の使用の制限」について、努力義務が課されます。
さらに、危険な気象状況になると 「火災警報」 が発令され、「火の使用の制限」について、義務が課されます。
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喫煙や花火、野焼きなどに制限が掛かります。
林野火災注意報が発令された場合は、防災行政無線、市町村メール等により広報を行います。
また、火災警報が発令された場合は上記に加え、サイレン、吹き流し、掲示板等でもお知らせします。
火の使用の制限に従わなかった場合、消防法により、30 万円以下の罰又は拘留に処することが定められています。
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令和7年第4回議会定例会における、百瀬輝和議員の一般質問です。
大芝荘の利活用に関するご質問でございます。
まずは、これまでの経緯から申し上げます。
大芝荘につきましては、利用者の減少に加え、新型コロナウイルス感染症の影響が重なったことから、令和3年6月14日より休業としております。
休業後は、教育委員会が所蔵する文化財の整理や虫干し、陰干し作業、また一部展示の会場として活用され、本年度も掛軸の虫干しや、大芝高原まつりにおける文化財展示、有賀家に伝わる資料展示など、多くの文化財関連事業に利用してきたところであります。
一方で、建物の老朽化は進んでおり、雨漏りや給排水設備の不具合も確認されております。従来の宿泊施設としての再開には相応の修繕が必要であり、現時点では慎重な判断が求められる状況であります。
また、来年度リニューアルを行う大芝の湯において、宴会場を設置して、宴会機能を新たに付与する予定であります。
こうした経緯を踏まえ、今後の大芝荘につきましては、当面の間は余裕財産として保持しながら、次の三点を柱として検討を進めてまいります。
第1に、文化財の整理・保存・可視化の拠点としての活用であります。村内には数多くの文化財が分散しており、その整理・保存の環境整備は重要な課題であります。
大芝荘はその空間的特性を生かし、文化財の集中的な整理拠点として引き続き位置づけてまいります。
第2に、将来的な郷土館的機能の付与であります。大芝荘は、文化財の展示や保管に適した空間を一定程度備えており、郷土資料を体系的に整理・紹介する場としての可能性も期待されます。
今後の文化振興の観点から、こうした方向性も視野に入れ検討してまいります。
第3に、災害時のボランティア受け入れ拠点としての活用であります。大芝高原は指定緊急避難場所であり、災害対応上も大変有効な立地となっております。必要に応じ、ボランティアの寝袋を用いた寝床や休憩スペースとして活用できるよう備えてまいります。
以上のとおり、大芝荘は休業後も新たな役割を担い始めており、村の文化財の可視化や災害対応の拠点として活用しつつ、その将来像を慎重に見極めてまいりたいと考えております。
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令和7年第4回議会定例会における、太田篤己議員の一般質問です。
農業経営者が経営規模の拡大や農作業の効率化を図るには、農地を借り受けたり耕作する農地をまとめたりすることが非常に有効であります。
農地を貸借をする方法として、以前は農業経営基盤強化促進法による貸し手と借り手の契約方法、いわゆる「利用権による貸借」が一般的でありましたが、法律の改正により、令和7年度から「利用権による貸借」による新たな契約は廃止となり、農地を貸借する場合は農地法第3条による貸借か、議員ご指摘の通りの「農地中間管理事業」による貸借での手続きのいずれかとなりました。
令和6年度末時点の、認定農業者などの中心的経営体への「利用権による貸借」「農地中間管理事業」などによる農地の集積面積は約496haで農地全体の55%となっています。
そのうち「農地中間管理事業」は約66haで約7%となっています。
農業振興や農地の有効利用を進めていくためには農地の集積が有効であることから、今回策定する村の第6次総合計画の中で、5年後の担い手の集積率を60%と設定しています。
また、先日も農政係と農業委員会合同で地域計画の話し合いを認定農業者などを参集して行いましたが、集積が進んでいく姿が見え始めていますので、引き続き農業委員会とも連携を取りながら、農地の集積化を推進していきたいと思います。
一方、圃場の集約化につきまして、現在の農業機械に即した大規模な圃場の整備はこれからの農業には必要になってくるものだと考えます。
村内の農業形態としましては、大きく括りますと、上伊那郡西天竜土地改良区と上伊那郡伊那土地改良区に属する水田エリア、西天竜用水路以西の西部地域の畑作エリアの括りに分けられます。
特に受益面積の大きい西天竜土地改良区の水田地域では、過去に大泉川南と久保富士塚の地域で圃場整備を実施しており、最近では久保地区で新たな研究組織が立ち上がっています。
圃場整備を実施するには、地元の皆様や地権者の皆様の理解と合意形成が必須で、通常ですと地元の負担金もかかってくるなど、ハードルの高さが集約化が難しい要因となっているかと思います。
過去と同様の答弁となりますが、村としましては地元での動きがあれば、国や県とも連携をして、効果的な補助事業を研究し、必要な助言、支援に取り組んでいきたいと思います。
本村の農業の主体は水稲であり、その中心は、西天竜土地改良区による圃場整備が行われた水田地域であります。
これらの地域では、まっくんファームをはじめとする大規模な担い手農家が、大型の農業用機械を活用し、水稲に加え、大豆、そば、小麦などを組み合わせながら、効率的な営農を行っております。
一方で、本村は全体としてなだらかな扇状地に位置しており、圃場条件が整っていない狭小な農地も数多く存在しております。
こうした農地においては、従来から農家の皆さんが、手作業や管理機など比較的小規模な農業用機械を用い、露地で自給的作物を中心に作付けを行うとともに、草刈りなどによる保全管理を続けていただいている状況であります。
作付け作物の多様化につきましては、村では「風の村米だより」以外の作物について、南箕輪村農業再生協議会において振興作物を定めております。
現在は、アスパラガス、スイートコーン、白ねぎ、ブロッコリーがこれに該当し、いずれも国の交付金対象作物となっております。
これらの作物を検討する農業再生協議会幹事会には、JA上伊那の営農専門職員や、県の支援センターの技術者など、村職員にはいない専門的知見を有する方々が参画しており、技術的観点や市場動向を踏まえた協議の中で、地域として推進すべき作物を決定しております。
したがいまして、近年の気候変動への対応や、狭小な農地条件に適した作物の選定、市場ニーズを踏まえた作付け体系の見直しにつきましては、今後の農業再生協議会幹事会における重要な検討課題として位置づけてまいりたいと考えております。
また、村では地域計画を策定し、毎年、目標地図の見直しを行いながら、耕作者ごとに農地の集約・整理を進めていくこととしております。その前段階として、「このエリアではこの作物を中心に耕作してはどうか」といった形で、まずは作物のエリア設定を農業者の皆さん自身が考えていくという手法も有効であると考えております。
今後も、圃場条件、担い手の状況、作物特性、市場動向など、さまざまな視点から検討を重ね、本村農業の持続的な発展につなげてまいりたいと考えております。
村の農業を守り、村内の農地を活用して維持しているのは、比較的小規模な自給的農家から認定農業者や法人などの大規模農家までその地域や農地の形状、立地に合わせて様々であります。
議員ご指摘の通り、農地を活用して維持していくために有効な手段として、農業経営者を法人・組織化して、地域の中心的担い手農業経営体として大規模に営農をすることもその一つであります。
その最たる法人が農事組合法人である「まっくんファーム」であり、村の農業者約550人が組合員となり村の農業の中心的な役割を担っていただいています。
南箕輪村農業機械導入事業補助金を通じて支援をしています。
しかしながら、まっくんファームも高齢化が進み、人材確保が大きな課題となっているのが現状です。
この点につきまして、1月に村と農業委員会がまっくんファームと意見交換する場を設定しました。
まっくんファームからは理事と中心的なオペレーターが参加し、意見交換を行うことになります。
ここでは特に人的支援について意見交換を行い、出た意見の中から村が行うべき支援を本格的に検討し実施していきたいと思います。
また、現在「農地基本台帳」に掲載されている法人及び団体の組織数(賃貸借が可能)は村内で21経営体となっており、農地を所有できる資格のある法人及び組織、いわゆる農地所有適格法人の数(賃貸借+所有が可能)は13経営体となっています。
そのような法人等への支援につきましては、村では金銭的な支援は現状ありませんが、国や県の補助金の案内、申請書などの書類作成の支援を行っており、実際毎年のように補助金を受ける法人が出ております。
国や県の各種農業者向けの補助金は大規模農業経営体が交付に有利となる採択基準となっているケースが多くみられるため、このような支援を継続していきたいと思います。
また、就農規模の移住者へ対する支援ですが、「新規就農相談カード」を用いて、農地確保やどのような農業を行いたいかを聞き取り、JA、県支援センター、農業委員会などと一緒にサポートを行っています。また、ケースによっては移住相談窓口を案内するなど、横断的な対応にも心がけていますので、このような対応を今後も継続していきたいと思います。
農福連携は、障がいのある方の社会参画を促進する取り組みであると同時に、農業分野における新たな働き手の確保や、耕作放棄地の解消といった課題にも寄与する重要な施策であると認識しております。
農業には土づくり、種まき、草取り、収穫、運搬、袋詰めなど多様な作業があり、障がいの特性に応じて作業を切り分けやすい分野であるとされています。その一方で、障がいのある方が継続的に就労するためには、個々の特性に合った作業内容の調整や、長く関われる仕事の組み立てが不可欠であります。
現在、村内においては、障がい者就労支援事業所が、知り合いのイチゴ農家に出向いて継続的に作業を行っている事例や、単発で野菜の収穫作業に従事した事例などが見られますが、いずれも村が直接関与したものではなく、個々の関係性を通じて就労につながったものであります。
村としては、障がい者就労に関する専門的知識や、農業者と障がい者をつなぐノウハウについては、現時点では十分とは言えない状況にあります。
なお、長野県セルプセンター協議会では、企業や団体、行政からの業務を県内の障害福祉サービス事業所につなぐ仕組みを有しており、農福連携にも取り組んでいることから、こうした既存の支援機関を活用することも一つの有効な手段であると考えております。
村といたしましては、今後、農業分野においては営農センターを中心とした関係団体の総会や、先ほど申し上げましたまっくんファームとの意見交換の場などを通じて、農業者側の意向を把握してまいります。
また、障がい福祉分野においては、上伊那圏域地域自立支援協議会などの機会を活用し、就労支援事業所の考えや課題を確認することから取り組みを始めたいと考えております。
こうした意向把握を重ねながら、関係機関と連携し、本村の実情に即した農福連携の在り方について、段階的に検討を進めてまいります。
村では、昨年度「大芝高原森林づくり実施計画」を策定し、大芝高原を皮切りに、森林整備事業を本格的に開始したところでございます。本計画では、森林整備のみならず、「森をつかう」という視点から、森林資源の有効活用に向けた施策も整理いたしました。
現状の実績では、議員からご紹介のあった学校給食センターのほか、小中学校の学習机天板やファーストトイ、役場のカウンター、保育園のおままごとセット、南箕輪中学校音楽室の下駄箱などが挙げられます。
飛地に目を向けますと、蔵鹿山(ぞうろくやま)、御射山(みさやま)をはじめ、森林資源は伐期を迎えております。
今年度の村の3カ年実施計画でもお示ししておりますとおり、令和9年度より飛地の伐採を開始し、令和10年度からは飛地の調査計画の策定に取り組む意向でございます。
今後の、森林資源の活用について申し上げます。
まず、価値の低い材につきましては、大芝の湯で稼働を予定している熱利用専用バイオマスボイラーにより、木質チップとして利用しますので、持続的で安定した資源活用の一つとして位置付けてまいります。
一方、価値の高い材につきましては、今年度については、数百万円規模で市場に出材する予定でございます。
県では「県産材利用促進条例」を踏まえ、「長野県内の建築物等における県産材利用方針」について、今月のパブリックコメントを経て、来年1月に予定される県産材利用促進連絡会議で見直される内容が決定するとのことです。
具体的には、県による県産材の率先利用に関して、条例の趣旨に沿って、県産材利用が、「努める」「原則として」といったあいまいな表現を削除することにより明確となるよう見直されます。
加えて、民間事業者等が整備する建築物への県産材利用に係る項目を追加し、建築物全般における県産材利用促進の取組を明確化や産地づくり、販路拡大等条例に基づく新規項目を追加し建築物以外の分野における県産材の利用促進や脱炭素社会に向けた取組などを明確化されます。
こうした動きの中で、県レベルで定常的な木材の活用につながるようマネジメントが進むことを期待しております。
村としても、非定常的な事業、例えば新たな公共施設の建設等に際しては、積極的に売り込みを行っております。
現段階では詳細を申し上げられませんが、具体的な活用に結びついた案件も生じております。
発表可能な段階となりましたら、改めてお知らせいたします。過去には、諏訪大社の修正材として採用された事例もございました。
しかしながら、こうした個別営業のみで利用先を確保し続けるには、公務の立場上も専門ではなく、限界があるのも事実でございます。
現在の制度では、公共施設改修への活用について補助事業の対象範囲や建築基準法の内装制限などが存在し、十分な活用が難しい側面もございます。
しかし、森林資源を持続可能なかたちで生かしていくためには、中長期的な視点に立った計画づくりと、国・県の交付金等を戦略的に活用することが不可欠であると考えております。これらの点を踏まえつつ、今後の活用方法を検討してまいります。
森林資源は、村民の皆さまにとって大切な財産でございます。国・県の制度を上手く取り入れながら、村民の皆さまに利益として還元できる仕組みを整えてまいりたいと存じます。
林業・林産業人材育成に向け、村としてどのような取組や支援を進めていく考えがあるのか、とのご質問でございます。
まず、長野県全体では、今後、段階的に増加が見込まれる素材生産や再造林、その後の初期保育に的確に対応するため、素材生産と保育の双方に従事する人材の確保が重要であるとしております。
県では、就業希望者の裾野拡大から、就職、就業後の定着促進に至るまで、各段階に応じた体系的かつ総合的な支援を講じ、新規就業者を年間120人、令和9年には林業就業者1,600人を確保することを目指すと掲げております。
今年3月には、信州の森林で働く方・働きたい方のためのポータルサイト「ながの森ジョブ.BASE」も開設されました。
また、木曽谷・伊那谷フォレストバレーでは、森林・林業に関する教育機関や試験研究機関が比較的近距離に集積している利点を生かし、全国から学びや起業を志す人々が集い、多様なコミュニティが形成される取り組みが進められております。
こうした広域的な枠組みでの人材育成は、大変有効であると考えております。
一方で、村としての具体的な取組についてでございます。
村内の現状に目を向けますと、林業施業を専業とする事業者は現在おりません。建設業者のうち、林業関連作業について業者指名願を提出しているのは、2社(堀建設、原建設)のみでございます。
また、林業従事者数の推移でありますが、村政要覧の数字を申し上げますと平成17年9人、平成22年10年、平成27年17人、令和2年14人であります。
平均年齢と新規就業者のデータを持ち合わせておりません。
参考として、長野県林業統計書によりますと、長野県全体では令和2年度の数字で1,449人であります。
年齢構成では39歳以下が463人、40代が393人、50代が288人、60代が216人、70歳以上が89人となっています。
そうした中、村では令和7年度から初めて「地域林政アドバイザー」との契約を開始いたしました。
近年において、役場が林業分野に専従的に関わる人材と契約したのは初めての取り組みであり、村の林政を進めるうえで大きな一歩であると受け止めております。
さらに、林業振興という観点からは、本村の森林状況を踏まえ、村からの委託費も年々増加しております。
令和元年 14,700,000円、17,000,000円、18,100,000円、19,900,000円 令和5年 33,500,000円、令和6年 39,500,000円
このように、村として直接的な「仕事づくり」を進めていくことも、重要な視点であると考えております。
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令和7年第4回議会定例会における、三澤澄子議員の一般質問です。
年齢別の把握状況についてお答えいたします。
まず、乳幼児期についてであります。
村では、産前2か月の時点で実施する産前学級において、すべての妊婦に対し新生児聴覚検査の説明を行い、検査の実施を促すとともに、上限5,000円の検査費用補助券をお渡ししております。
出生後は、原則として出生届出時に、医療機関等で実施された検査結果を確認しております。入院が継続しているなど、届出時に確認できない場合には、後日、電話等により確認を行っております。
また、赤ちゃん訪問の際にも、改めて確認を行っております。
3歳児健診では、耳元での指こすり検査を実施し、反応が見られなかった場合には要精密検査とし、医療機関への紹介を行っております。精密検査の結果については、受診機関からの返書により確認しております。
さらに、乳幼児健診のおたずね表には、「目や耳のことで心配がありますか」という項目を設け、3か月、7か月、10か月、1歳、1歳6か月、2歳、3歳の各健診時に確認し、回答内容に応じたフォローを行っております。
次に、小中学校における聴力検査についてであります。
南箕輪小学校では1・2・3・5年生、南部小学校では1・3・5年生で実施しており、南箕輪中学校では1年生と3年生で実施しております。
現在の状況としては、小学校では補聴器を使用している児童が1名、聞き取りにくさのある児童が2名おり、中学校では補聴器を使用している生徒が1名、聞き取りにくさのある生徒が9名となっております。
次に、成人および高齢者の難聴の状況についてであります。
聴覚障がいにより身体障害者手帳を所持している方は40名で、その内訳は、18歳未満が1名、18歳以上65歳未満が7名、65歳以上が32名となっております。
一方、身体障害者手帳を所持していない難聴者の数については、村では把握しておりません。
なお、一般的には、難聴のある方は国民全体のおよそ1割とされており、70歳以上では男性で5人に1人、女性で10人に1人にのぼるといわれております。
それぞれの発達段階や状況に応じた適切な支援が重要であるとの観点から、順にお答えいたします。
まずは、小学生における早期発見・早期治療についてです。
小学生につきましては、先ほど申し上げた学校健診の結果に基づき、聞こえに課題が認められた場合には、速やかに医療機関の受診を勧奨しております。
また、学校現場においては、座席配置への配慮や、聞き取りやすい話し方を心がけるなど、日常的な学習環境の調整も行っております。こうした対応により、早期発見・早期治療につなげる体制を整えております。
次に、補聴器購入補助制度の年齢要件の拡充、再申請期間、補助額の引き上げについては、まとめて2問目として回答させていただきます。
聴覚障害は、日常生活のみならず、学習、就労、対人関係、さらには災害時の情報取得などにおいても不利な状況を生じやすく、補聴器はそれを補う有効な手段の一つであります。
一方で、補聴器は高額であり、補助制度がなければ本人負担が大きくなることも事実であります。
現在、聴覚障害により身体障害者手帳を取得している方については、補装具として補聴器購入費が支給されております。
また、軽度・中等度難聴で身体障害者手帳の取得に至らない場合には、18歳未満の方を対象とした購入費補助制度がありますが、18歳以上65歳未満の方については、本村では補助制度が設けられていない状況です。
一方、近年では、18歳以上で身体障害者手帳を所持していない方を対象とした補聴器購入補助制度を設ける自治体が増えており、例えば、購入費の3分の1、上限3万円程度、5年経過後の再申請を可能とする制度として運営されています。
さらに詳しくみますと、所得要件を設けている自治体もあれば、高齢者向けに補助割合を手厚くしている自治体もあります。
伊那市では申請者の9割以上が65歳以上であること、駒ケ根市では高齢者向け制度として開始していることなどを踏まえますと、本村においても、すでに実施している高齢者向け補聴器補助制度の拡充として整理するのか、あるいは年齢要件や所得要件をどのように設定するかなど、検討が必要であると考えております。
社会参加支援の観点から、補助制度の拡充の必要性は認識しておりますので、今後、補助額、所得要件、機器更新に伴う再申請の可否などについて、他自治体の事例を参考に進めてまいります。
最後に3問目の役場窓口への骨伝導イヤホン等の設置についてです。
現在、役場窓口において、難聴のある方との会話が口頭で困難な場合には、筆談により対応しております。
近年では、骨伝導や軟骨伝導といった新しい技術を用いたイヤホンや補聴機器が普及しつつあり、自治体窓口に設置している事例も見られます。
ただし、骨伝導と軟骨伝導は仕組みが異なり、特に加齢による感音性難聴の場合には、骨伝導よりも軟骨伝導の方が適しているとされる場合もあります。
その効果や適合性については、職員だけで判断することは難しいと考えております。
このため、実際に難聴のある方や上伊那聴覚障害者協会、すでに窓口に機器を設置している自治体の意見を伺いながら、実用性や使用感を調査したうえで、導入の可否を判断してまいりたいと考えております。
手話通訳者の実態について、村の手話通訳者の数、人材の育成、そして処遇についてのご質問でございます。
まず、手話通訳者の数について申し上げます。
本村では、長野県の登録者名簿に登録された方々に必要に応じて業務をお願いしております。
名簿に登録されているのは、厚生労働大臣公認の資格を有する「手話通訳士」、そして全国手話通訳者統一試験に合格された「手話通訳者」であります。
伊那圏域全体では、手話通訳士が2名、手話通訳者が12名となっており、このうち本村在住の方は手話通訳士が1名でございます。
実際に通訳をお願いする際には、この名簿登録者の中から派遣を依頼し、必要に応じて近隣圏域からも協力をいただいております。
また、聴覚に障害のある方が他圏域での手話通訳を希望される場合には、該当圏域の登録者に依頼を行っております。
次に、人材育成についてでございます。
手話通訳者等の養成事業は、上伊那圏域において伊那市社会福祉協議会に委託して実施しております。
令和6年度は、手話通訳、点訳、音訳、要約筆記の体験講座に、上伊那管内で33名の方が受講されたところでございます。
最後に、処遇について申し上げます。
手話通訳者への謝金は、派遣時間1時間あたり2,000円、移動時間1時間あたり1,000円、ガソリン代は1キロメートルあたり37円、公共交通機関を使用された場合には実費をお支払いしております。
災害時の支援体制や手話通訳者の配置に関するガイドラインについてのご質問でございます。
まず現状でありますが、本村では、災害時における手話通訳者の具体的な配置方法などを定めたガイドラインは、現時点では策定しておりません。
今年度は、上伊那聴覚障害者協会および一般社団法人全国手話通訳問題研究会長野支部上伊那地区が主催する行政懇談会、伊那手話サークル福祉懇談会に参加させていただきました。
その場には、聴覚障がい者グループホーム「もみじの家」の関係者の方も同席されており、 「世話人も聞こえない日があり、施設全体で聞こえる人が誰もいない日がある。
そうなると防災無線が聞こえず不安である」 「地域との関わりが薄く、もっと関わりを持ちたい」 といった切実な声が寄せられました。
こうした不安を共有し、災害時に誰がどのような支援を行うべきかを考えていくためには、まずお互いをよく知ることが何より重要であります。
そのためにも、村の防災訓練に参加していただく機会の創出や、遠隔手話通訳システムを用いた訓練の実施など、双方の理解を深める機会づくりを検討してまいりたいと考えております。
また、災害時の聴覚障害者の安否確認については、上伊那聴覚障害者協会としても協力していきたいとの意向が示されております。
村としても、どのような協力をお願いしたいのかを整理したうえで、協会の皆様とともに、有効な支援体制の構築に向けて検討を進めてまいりたいと考えております。
実行計画(区域施策編)については、「南箕輪村気候非常事態宣言」において2050年温室効果ガス排出量実質ゼロを実現するための具体的な手段等を位置づけたもので、太陽光発電設備を始めとした再生可能エネルギーや電気自動車の導入の促進等を図ることも盛り込まれています。
計画を推進するための補助制度として、6月議会でも答弁いたしましたが、今年度から実施しております住宅断熱リフォームに加え、令和8年度に向けて、住宅や事業所の太陽光発電設備や蓄電池設備設置等に対する補助を検討しており、当初予算での計上を予定しております。
限りある予算のなかで、補助金の配分にも制限がかかってしまいますが、住民のみなさんに活用していただき計画をより推進できるよう広報等での周知を行い、CO2排出削減に向け実行していきます。
避難所等への蓄電池の導入についても、地球温暖化対策に資する再生可能エネルギー利用施設としての太陽光発電設備との組み合わせでの蓄電池設備の導入を計画に位置付けておりますので引き続き予算の確保や補助金の活用を含め検討してまいります。
木質バイオマスボイラーの導入に関するご質問です。
大芝の湯リニューアル工事にあたりましては、基本設計・実施設計の段階から「南箕輪村地球温暖化対策実行計画(区域施策編)」を踏まえ、省エネルギー化および再生可能エネルギーの導入を検討することを条件としております。
同計画では、木質バイオマスの利用促進を明確に位置づけており、ペレットボイラーや薪・チップボイラー等の導入を推進施策として掲げております。
今回の検討は、この計画の方向性と整合するものであります。
設計業務におきましては、木質材の活用可能性や大芝の湯で必要となる熱量を算定した結果、熱利用のみの木質チップボイラーの導入を基本方針として進めております。
ボイラー本体の概算額は約2,300万円、その他のバイオマスボイラー設備工事費が約8,700万円、機械室の整備費として約3,100万円を見込んでおります。
現在は、設計内容の照査や、第二世代交付金の変更協議、発注に向けた調整を行っているところです。
あわせて、燃料となる木質材については、村内のアカマツや松枯れ材を有効に活用できる見込みであり、チップ加工・運搬等について近隣の木材関連事業者と協議を進めております。
木質バイオマスの活用は、地域資源の循環利用と温室効果ガス削減の双方に寄与する施策であり、区域施策編の趣旨に沿った取組として、引き続き着実に進めてまいります。
小水力発電導入の進捗に関するご質問であります。
大泉川における小水力発電の導入状況につきましては、6月定例会でお答えしたとおり、長野県企業局が事業主体となって進めているものであります。
現在は、企業局において基本設計を実施している段階でございます。
村としても、早期の整備を望んでおります。引き続き、長野県企業局に対し、事業が円滑に進むよう働きかけを行ってまいります。
石川県能登町の春蘭の里は、平成8年に限界集落という危機感を共有した7名が「春蘭の里実行委員会」を立ち上げ、「若者が戻ってくる農村再生」を掲げて地域づくりを進めてきました。
現在では、年間来訪者が1万3千人を超える地域活性化の先進事例として注目されています。
当初は、農産物や清酒などの商品開発による収益確保を目指しましたが、十分な成果が得られなかったことから、「売るのではなく、田舎にあるものを食べてもらう」という発想へ転換し、民宿「春蘭の宿」を開業しました。
あわせて、廃校となった宮地小学校を交流宿泊施設「こぶし」として整備し、現在では約50件の農家民宿が展開されています。
これまでに、石川グリーンツーリズム促進特区の認定や、全国大会の受け入れなどの実績を重ね、平成23年には能登の里山・里海が世界農業遺産に認定されています。
議員ご質問の「春蘭の里ゼロカーボンビレッジ」は、グリーンツーリズムやエコツーリズムと連動した取り組みの一つであり、石川県が進める能登スマート・ドライブ・プロジェクトの一環として、令和5年度に新たに整備されました。
太陽光発電や既存の小水力・風力発電で得た電力は、交流宿泊施設「こぶし」や電気自動車充電設備の一部に活用されており、エネルギーの地産地消と維持管理費の軽減に寄与しています。
本事業は、石川県が主体となって都道府県レベルで実施しているものであり、令和4年度から令和7年度まで、震災関連予算が中心となった令和6年度を除いても、当初・補正を含め、確認できる範囲で約2億5千万円弱の予算が計上されています。
地域で使用するエネルギーを地域で賄う「地産地消」は重要な取り組みでありますが、初期投資や維持管理、安定供給の面から、市町村単位で進めるには課題も多くございます。
本村においても、過去の答弁のとおり来年度には住民向けの設備設置補助制度を計画し、できるところからCO₂排出削減に取り組んでまいります。
その一方で、議員ご指摘のとおり、民間の力や国・県の支援を活用することが不可欠でありますが、実際には、周辺自治体すべてが順調に国や県の支援を受けることができる状況ではなく、本村においても苦労しているのが正直なところであります。
12地区自主防災組織の現状と課題、あわせて担い手不足への支援および消防団員確保についてのご質問でございます。
本村では、「自分たちの地域は自分たちで守る」という理念のもと、全12区すべてに自主防災会が設置され、活動のカバー率は100%となっております。
平常時には防災訓練や資機材の点検・管理を行い、災害時には情報収集・伝達、避難誘導、救助救護、避難所運営など、地域における共助の中核を担っております。
一方で、高齢化の進行や住民の参加意識の低下により、活動の継続性や担い手確保が課題となっております。
特に、昼間の災害発生時における初期対応や避難支援に不安を抱える地区も見受けられます。
こうした課題を踏まえ、今年度は自主防災会、防災士、民生児童委員などを対象に、地域ごとに避難所運営セミナーを開催し、実践的な対応力の向上と、顔の見える関係づくりを進めてまいりました。
11月に実施した「防災減災リーダー・サポーター研修」では、本年7月1日の豪雨災害を踏まえ、防災士が実際の被災箇所に赴き、当時の状況や対応を検証する研修を実施し、初動対応や情報共有のあり方について具体的な課題整理を行っております。
今後は、こうした検証結果を各地区に共有するとともに、ICTやDXの活用も含め、災害時の情報伝達体制の強化を検討してまいります。
次に、消防団員確保についてでございます。
消防団員の確保は全国的な課題であり、本村においても厳しい状況が続いております。
村では、処遇改善や負担軽減、訓練内容の工夫などにより、活動しやすい環境づくりに努めておりますが、団員確保には依然として課題が残っております。
このため、今議会において、村外在住であっても村内勤務・通学者の入団を可能とする条例改正を上程しております。
あわせて、機能別団員の充実を図り、それぞれの専門性を生かした活動体制の構築を進めてまいります。
自主防災組織と消防団は、地域防災力を支える両輪であります。村として引き続き支援を行うとともに、各地区におかれましても、連携の強化と人材確保に向けたご理解とご協力をお願い申し上げます。
防災訓練は、画一的な「一律のマニュアル」に基づくものではなく、地域の特性や災害リスクに応じた、きめ細かな設計が重要であると考えております。
例えば、同じ村内であっても、天竜川流域と西部地域では災害リスクが大きく異なります。
天竜川流域の河川沿いや低地では、地形的に水が集まりやすく、本年7月1日に発生した豪雨災害においても、地域ごとに避難の判断や行動が異なりました。
こうした状況を踏まえますと、住民一人ひとりの避難行動を整理した防災行動計画、いわゆるマイ・タイムラインも、地域や居住条件に応じて異なる内容となることが求められます。
9月7日に実施した村防災訓練では、地区の実情に即した内容を自ら考え、実施する地区が年々増えております。
北殿地区天竜川周辺地域を対象とした訓練では、担当職員も参加いたしましたが、想定以上に多くの課題が明らかとなり、災害対応や対策について改善すべき点を認識する貴重な機会になったと区から伺っております。
そのため、浸水想定区域にお住まいの皆さんには、大規模水害に備え、高齢者や要支援者の避難支援を想定したシミュレーションの実施、避難経路や高台への誘導訓練、避難所の開設手順、さらには水害時における情報伝達訓練などを重点的に行う必要があります。
村といたしましては、天竜川に面する久保区から神子柴区にかけての流域地区を中心に、こうした訓練の実施について、重点的に周知・呼びかけを行ってまいりたいと考えております。
また、火災に備えた訓練につきましては、住宅が密集する地域において、初期消火訓練や近隣との協力体制の確認が極めて有効であることは、これまでも指摘されてきました。
最近発生した大分県佐賀関の大規模火災は、特定の地域に限らず、全国どこでも起こり得る災害であることを改めて示した事例であると受け止めております。
火災への備えとして、私たち一人ひとりが意識し、行動に移すべき点は多くあります。
消防団や自主防災組織が連携し、消火器や防火水槽の使用方法を確認する初期消火訓練を実施しておりますが、今後はさらに多くの村民の皆さんに、初期消火の重要性や地域ごとの水利の位置について理解を深めていただくことで、地域の安全性向上と減災につなげていきたいと考えております。
今年度の防災・減災の取り組みとしては、大規模災害を想定し、災害時の初動対応の一つである避難所運営を、誰もが担えるよう、「ファースト・ミッションカード」の全地区配布をはじめ、災害用トイレや蓄電池などの資機材配備を進めてまいりました。
今後は、「地域の災害リスク」と「住民の状況」を掛け合わせ、それぞれの地域に応じた訓練を実施し、必要に応じて内容をカスタマイズしていくことが重要な段階に入っていると認識しております。
配備した災害資機材を日常的に活用していただく中で、自らの地域にどのような災害リスクがあるのか、その際にどのような避難行動や備えが必要なのかを、住民一人ひとりが理解することが重要であります。
道の駅のBCPも間も無く完成いたしますので、BCPをもとにした訓練も実施していく予定であります。
村といたしましては、こうした意識の醸成に向けた広報を行うとともに、地域の実情に即した実効性の高い訓練について、地区や防災関係者、関係団体の皆さんと連携を図りながら、防災・減災体制のさらなる強化に努めてまいります。
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南箕輪村第6次総合計画が、むらづくり委員会の皆さんの丁寧な議論を重ねて取りまとめられました。
この計画は、これからの村の歩む道を示す大切な指針で、私自身も理解を深め、日々の村政にしっかり生かしていきたいと思い、このブログでも少しずつご紹介してまいります。
第6次総合計画は、180ページを超える大部の計画書であり、村の各種計画の中でも群を抜く分量となっています。
このうち、今回取り上げる「序論」は1〜23ページにまとめられています。
東京まで車で約3時間、名古屋までは約2時間半、権兵衛トンネル開通により木曽とは30分で移動が可能なロケーションにある中、今後はリニア中央新幹線や三遠南信自動車道開通が見据えられているなど、南箕輪村の位置と地勢がまとめられています。
開通が見据えられているといっても、まだまだ10年は少なくともかかるでしょう。
新たな時代を見据え、持続可能なむらづくりに向けて、新たな活力と魅力を創造しながら村民の豊かな暮らしを実現するため、この計画を策定していますとの趣旨が謳われています。
村の最上位に位置づけられている計画なんです!と謳われています。
基本構想は10年間、基本計画は5年、実施計画は3年(1年ごと見直し)ごとに見直しますと謳われています。
実施計画は本当に1年ごと見直しを行なっており、特に予算計画を立てるにあたり、3年間の支出を平準化することにも役立っています。
少子化、高齢化と人口減少の急速な進行、自然災害等に対する不安の増大、気候変動に伴う環境や資源エネルギーの制約・生態系サービスの崩壊リスクの増加、社会におけるデジタル化の急速な進展、社会に存在する様々な格差や分断、ライフスタイルや価値観の多様化、SDGsを推進し持続可能な社会を目指す機運の高まりなどが謳われています。
令和2年までの人口の推移では、総人口、年少人口、生産年齢人口、老年人口、全てが増加傾向にあることが謳われています。
| 項目 | 平成22年 | 平成27年 | 令和2年 | H22〜H27 | H27〜R2 |
|---|---|---|---|---|---|
| 総人口 | 14,543人 | 15,063人 | 15,797人 | 0.88% | 1.20% |
| 年少人口(15歳未満) | 2,336人(16.1%) | 2,406人(16.0%) | 2,495人(15.8%) | 0.74% | 0.91% |
| 生産年齢人口(15〜64歳) | 9,285人(64.0%) | 9,214人(61.4%) | 9,595人(60.7%) | ▲0.19% | 1.02% |
| 老年人口(65歳以上) | 2,877人(19.8%) | 3,377人(22.5%) | 3,707人(23.5%) | 4.09% | 2.36% |
| 世帯数 | 5,560世帯 | 5,839世帯 | 6,445世帯 | 1.23% | 2.50% |
| 1世帯当たり人数 | 2.62人 | 2.58人 | 2.45人 | ― | ― |
平成22年からの5年間に比べて、平成27年からの5年間のほうが、全ての数字が改善していることはいいことですね。
次に、南箕輪村の特性として次の5つが謳われています。
ここは村民アンケートの結果が謳われています。
満足度と重要度の相関による優先度は下記のとおり
1 電車バスなどの公共交通機関が利用しやすい→令和8年から公共交通の変革を行うため今後改善を期待
2 歩道の整備など、交通事故防止策が充実している→予算は年々増やしている
3 街路灯など防犯の面で安心である→防犯等や防犯カメラの積極的な設置を心がけていく
4 食品や日用品の買い物がしやすい→中心部にスーパーがないことも影響しているか
5 高齢者のための施設が整っている→20年後には75歳以上の方が600名増えることになっており、今後の大きな課題
これからのむらづくりにおいて解決していくべき課題を6つに整理しています。
それぞれの課題について、現状や解決するための施策を示すのが、総合計画の主要なコンテンツとなっています。
一つ前の5次総合計画で立てていた指標の達成状況がまとめられています。
| 区分 | 指標名 | 基準値(2019年度) | 現状値(2023年度) | 目標値(2025年度) | 達成率(基準値→現状値) |
|---|---|---|---|---|---|
| 成果 | 住民健診や健康指導が充実している | 45.5% | 43.1% | 51.0% | 84.5% |
| 進捗 | がん検診受診率 | 28.0% | 25.5% | 28.0% | 91.1% |
| 進捗 | 乳幼児健診受診率 | 99.4% | 99.5% | 99.5% | 100.0% |
| 進捗 | 森の交流施設運動講座・運動相談利用者数(人/年) | 2,871人 | 916人 | 3,000人 | 30.5% |
| 区分 | 指標名 | 基準値 | 現状値 | 目標値 | 達成率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 成果 | ボランティア活動が活発である | 8.5% | 7.0% | 9.0% | 77.8% |
| 進捗 | 福祉ボランティア登録者数 | 343人 | 315人 | 370人 | 85.1% |
| 進捗 | まっくん生活支え支援事業ボランティア登録者数 | 61人 | 54人 | 70人 | 77.1% |
| 進捗 | 地区社会福祉協議会への登録者数 | 252人 | 257人 | 300人 | 85.7% |
| 区分 | 指標名 | 基準値 | 現状値 | 目標値 | 達成率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 成果 | 高齢者のための福祉サービスが充実している | 20.8% | 18.5% | 21.0% | 88.1% |
| 進捗 | 配食サービス(回/年) | 5,666回 | 7,554回 | 6,000回 | 125.9% |
| 進捗 | 認知症サポーター | 1,202人 | 1,368人 | 1,600人 | 85.5% |
| 進捗 | まっくん生活支え支援事業利用者(件/年) | 42件 | 40件 | 50件 | 80.0% |
| 進捗 | 緊急通報装置貸与台数 | 27台 | 30台 | 40台 | 75.0% |
| 区分 | 指標名 | 基準値 | 現状値 | 目標値 | 達成率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 成果 | 障がい者のための福祉サービスが充実している | 18.6% | 18.6% | 19.0% | 97.9% |
| 進捗 | 計画相談支援支給決定者数 | 129人 | 122人 | 150人 | 81.3% |
| 区分 | 指標名 | 基準値 | 現状値 | 目標値 | 達成率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 進捗 | 訪問系サービス月間利用時間 | 572時間 | 1,035時間 | 800時間 | 163.1% |
| 進捗 | 日中活動系サービス月間利用日数 | 1,631日 | 1,486日 | 2,000日 | 74.3% |
| 成果 | 国民健康保険特定健診受診率 | 52.5% | 50.0% | 60.0% | 83.3% |
| 区分 | 指標名 | 基準値(2019年度) | 現状値(2023年度) | 目標値(2025年度) | 達成率(現状値/基準値) |
|---|---|---|---|---|---|
| 成果 | 子どもにとって安全・安心なむらづくりをしている | 41.6% | 50.0% | 42.0% | 119.0% |
| 活動 | ファミリーサポート協力会員登録者数 | 28人 | 36人 | 30人 | 120.0% |
| 活動 | 登下校見守りボランティア登録者数 | 169人 | 132人 | 200人 | 66.0% |
| 活動 | 切れ目のない支援のための連携会議(回/年) | 8回 | 12回 | 12回 | 100.0% |
| 区分 | 指標名 | 基準値(2019年度) | 現状値(2023年度) | 目標値(2025年度) | 達成率(現状値/目標値) |
|---|---|---|---|---|---|
| 成果 | 防災対策が整っている | 25.9% | 21.1% | 27.0% | 78.1% |
| 活動 | 防災に関する出前講座開催数(回/年) | 10回 | 6回 | 12回 | 50.0% |
| 活動 | 防災士養成人数 | 25人 | 30人 | 32人 | 93.8% |
| 成果 | 歩道の整備など、交通事故防止対策が充実している | 19.0% | 18.7% | 20.0% | 93.5% |
| 区分 | 指標名 | 基準値 | 現状値 | 目標値 | 達成率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 成果 | 交通事故件数(件/年) | 377件 | 358件 | 370件 | 103.4% |
| 成果 | 交通事故死亡者数(人/年) | 1人 | 1人 | 0人 | 0.0% |
| 活動 | 交通安全教育実施回数(回/年) | 19回 | 16回 | 20回 | 80.0% |
| 活動 | シートベルト着用率 | 99.0% | 99.5% | 100.0% | 99.5% |
| 区分 | 指標名 | 基準値(2019年度) | 現状値(2023年度) | 目標値(2025年度) | 達成率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 活動 | ノーテレビ・ノーゲームの促進実施保育園数 | 5園 | 5園 | 5園 | 100.0% |
| 区分 | 指標名 | 基準値 | 現状値 | 目標値 | 達成率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 成果 | 小・中学校の学習活動の充実と成果 | 21.8% | 25.5% | 22.0% | 115.9% |
| 活動 | 体験学習実施時間数(時間/年) | 39.8 | 108.0 | 40.0 | 270.0% |
| 活動 | キャリア教育・郷土教育実施時間数(時間/年) | 21.0 | 115.0 | 20.0 | 575.0% |
| 活動 | 学校教育での自然学習時間(時間/年) | 22.5 | 240.0 | 15.0 | 1600.0% |
| 区分 | 指標名 | 基準値 | 現状値 | 目標値 | 達成率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 成果 | 誰もが学べる生涯学習の機会が充実している | 16.9% | 18.7% | 18.0% | 103.9% |
| 活動 | 生涯学習講座の参加者数(人/年) | 443 | 717 | 600 | 119.5% |
| 活動 | 人口一人当たり年間図書貸出数(点) | 8.1 | 7.4 | 8.3 | 89.2% |
| 活動 | 子ども同士・親同士のネットワークづくり満足度 | 14.2% | 16.4% | 15.0% | 109.3% |
| 区分 | 指標名 | 基準値 | 現状値 | 目標値 | 達成率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 活動 | あいさつ運動・青少年育成活動実施回数(回/年) | 5回 | 8回 | 12回 | 66.7% |
| 成果 | スポーツ・レクリエーション参加率 | 30.4% | 26.7% | 31.0% | 86.1% |
| 区分 | 指標名 | 基準値 | 現状値 | 目標値 | 達成率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 活動 | わくわくクラブ会員数 | 1,511人 | 1,245人 | 1,600人 | 77.8% |
| 活動 | スポーツ施設利用者数(人/年) | 130,065人 | 102,196人 | 130,000人 | 78.6% |
| 区分 | 指標名 | 基準値 | 現状値 | 目標値 | 達成率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 成果 | 文化活動の充実度(村民が感じている割合) | 16.0% | 32.9% | 18.0% | 182.8% |
| 活動 | 文化行事・芸術活動の実施件数 | 2,020件 | 2,383件 | 2,000件 | 119.0% |
| 活動 | 文化財保護事業実施回数 | 29回 | 26回 | 33回 | 78.8% |
| 区分 | 指標名 | 基準値(2019年度) | 現状値(2023年度) | 目標値(2025年度) | 達成率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 成果 | 防災対策が整っている | 25.9% | 21.1% | 27.0% | 78.1% |
| 活動 | 防災に関する出前講座開催数(回/年) | 10回 | 6回 | 12回 | 50.0% |
| 活動 | 防災士養成人数 | 25人 | 30人 | 32人 | 93.8% |
| 成果 | 歩道の整備など、交通事故防止対策が充実している | 19.0% | 18.7% | 20.0% | 93.5% |
| 区分 | 指標名 | 基準値 | 現状値 | 目標値 | 達成率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 成果 | 交通事故件数(件/年) | 377件 | 358件 | 370件 | 103.4% |
| 成果 | 交通事故死亡者数(人/年) | 1人 | 1人 | 0人 | 0.0% |
| 活動 | 交通安全教育実施回数(回/年) | 19回 | 16回 | 20回 | 80.0% |
| 活動 | シートベルト着用率 | 99.0% | 99.5% | 100.0% | 99.5% |
| 区分 | 指標名 | 基準値(2019年度) | 現状値(2023年度) | 目標値(2025年度) | 達成率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 成果 | 消費生活に関する相談体制が充実している | 58件/年 | 65件/年 | 60件/年 | 108.3% |
| 活動 | 消費生活に関する広報回数(回/年) | 20回 | 16回 | 20回 | 80.0% |
| 活動 | 消費生活講座参加者数(人/年) | 267人 | 135人 | 300人 | 45.0% |
| 区分 | 指標名 | 基準値(2019年度) | 現状値(2023年度) | 目標値(2025年度) | 達成率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 成果 | 商品出荷額等(4人以上の事業所) | 765億円 | 715億円 | 900億円 | 79.4% |
| 活動 | 企業誘致補助金交付事業所数 | 16社/年 | 13社/年 | 18社/年 | 72.2% |
| 活動 | 村・県制度資金申請件数 | 67件/年 | 88件/年 | 80件/年 | 110.0% |
| 活動 | 就労情報へのアクセス数 | 22,735件/年 | 13,205件/年 | 24,000件/年 | 55.0% |
| 活動 | 就労に必要な学習会の開催数 | 3回/年 | 7回/年 | 4回/年 | 175.0% |
| 活動 | 女性のための研修制度利用数 | 7回/年 | 12回/年 | 7回/年 | 171.4% |
| 区分 | 指標名 | 基準値 | 現状値 | 目標値 | 達成率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 成果 | 耕作放棄地の面積(ha) | 9.5ha | 6.3ha | 8.6ha | 136.5% |
| 活動 | 地域の農地を有効活用し、農業発展のための担い手の確保(人) | 95人 | 107人 | 95人 | 112.6% |
| 成果 | 認定農業者数 | 37人 | 40人 | 44人 | 90.9% |
| 成果 | 新規認定就農者数 | 5人(期間中) | 2人(期間中) | 5人(期間中) | 40.0% |
| 活動 | 中核的経営体が地域の農地に占める面積のシェア | 52.7% | 54.9% | 65.0% | 84.5% |
| 成果 | 大芝高原の利用者数 | 599,472人/年 | 474,234人/年 | 620,000人/年 | 76.5% |
| 区分 | 指標名 | 基準値 | 現状値 | 目標値 | 達成率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 活動 | 観光PRイベント開催回数 | 24回/年 | 31回/年 | 24回/年 | 129.2% |
| 活動 | 「ふるさと名物商品化事業」実施数 | 8件 | 8件 | 14件 | 57.1% |
| 活動 | 唐沢・権兵衛峠を活用したイベントによる登山者数 | 1,600人/年 | 1,200人/年 | 2,000人/年 | 60.0% |
達成率が低い項目は、より危機感をもって取り組んでいかねばなりません。
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