在宅介護支援「ゆうゆうチケット」についてと介護慰労金の違い

以前、南箕輪村が独自に行っている「介護慰労金」について紹介しました。

要介護4・5の方を在宅で介護する方には月額14,000円、要介護3では月額8,000円、要介護2でも一定以上の認知症の場合には月額5,000円を支給する制度で、全国的に見ても比較的手厚い在宅介護支援だと考えています。

実は南箕輪村には、これとは別に、在宅で介護している方を支える「ゆうゆうチケット」という制度もあります。

年間12,000円分の「ゆうゆうチケット」

ゆうゆうチケットは平成20年度に始まった村独自の家族介護者支援事業で、要介護者を介護している者の慰労と要介護者を介護する世帯の福祉の向上を目的としています。

対象となるのは、村内に住所があり、要介護3・4・5の方を在宅で常時介護している方で、村税等を滞納していないことなどが条件です。

チケットは1か月につき2枚交付され、1年間対象となれば年間12,000円分。入浴や食事、買い物、タクシーなどの運賃に利用することができます。

村の第9期高齢者福祉計画・介護保険事業計画では、交付件数について令和8年度80件を目標としており、令和8年度予算は約100万円を計上しています。

介護慰労金と対象が重なっている

ここで気になるのが、以前紹介した「介護慰労金」との関係です。

介護慰労金は要介護4・5で月額14,000円、要介護3で月額8,000円ですので、1年間在宅で介護した場合、要介護4・5では最大168,000円、要介護3では最大96,000円が支給されます。

そして、要介護3・4・5の方を介護する場合には、基本的にゆうゆうチケットの対象にもなります。

したがって要介護4・5では、介護慰労金168,000円+ゆうゆうチケット12,000円=年間最大180,000円相当、要介護3では96,000円+12,000円=年間最大108,000円相当の支援になります。

もちろん、これは制度上問題のある「二重給付」ということではありません。それぞれ別の要綱に基づく村独自事業であり、併給を禁止する規定もありません。

なぜ二つに分かれているのか

制度の歴史を見ると少し事情が分かります。

介護慰労金の前身は平成4年から存在しており、現在の「介護慰労金支給要綱」として整理されたのが平成31年度。一方、ゆうゆうチケットは平成20年度から始まっています。

つまり、長い間に在宅介護を支援する制度をそれぞれ充実させてきた結果、現在は対象者がかなり重なる二つの制度が並んでいるということになります。

介護慰労金は使い道を限定しない「現金」、ゆうゆうチケットは入浴や食事、買い物、移動などに使ってもらう「利用券」ですので、性格には違いがあります。特にチケットには、介護者に外へ出てもらったり、気分転換につなげたり、地域で消費してもらったりする効果も期待できます。

一方で、利用者から見れば二つの申請や制度が存在することになりますし、行政側にもそれぞれ交付・管理する事務が発生します。

二つを合わせて考える時期かもしれません

在宅で家族を介護する負担は非常に大きく、支援そのものを縮小するべきだとは考えていません。

ただ、令和8年度に約100万円を使ってゆうゆうチケットを交付するのであれば、現在の仕組みが最も効果的なのかは検証してもよいと思います。

例えば、ゆうゆうチケット分を介護慰労金に上乗せして制度を一本化する方法もあります。

チケット関係は他にはも福祉入浴券やタクシー券などがあり、事業者側からチケットの種類が多くて煩雑だという指摘はいただいています。

長年積み重ねてきた二つの制度だからこそ、それぞれを個別に見るだけでなく、在宅介護者への支援全体として一度整理してみてもよい時期に来ているのではないかと思います。