2020年12月現在、南箕輪村の中に消防署はありません。
また、これから消防署が出来る可能性もほぼないと思われます。
それでは、火事が起きた時の消防車両は一体どこからやってきているのでしょうか。
今回は、消防署がない南箕輪村の消防体制について調べてみましたよ。
上伊那広域消防本部
南箕輪村で火事が起きた際に、初動対応してくれるのは上伊那広域消防本部です。
上伊那広域消防本部は、長野県の南部に位置し、伊那市、駒ヶ根市、辰野町、箕輪町、飯島町、南箕輪村、中川村、宮田村の2市3町3村で構成された上伊那広域連合の圏域を管轄しています。「上伊那広域消防本部」は、伊那消防組合と伊南行政組合により平成27年4月1日に発足し業務を開始しました。
上伊那広域消防本部WEBサイトより
南箕輪村の北には箕輪消防署、南には伊那消防署が位置しており、村で火事があった際は、どちらか(または両方)から消防車が駆けつける形になっています。
そのため、村には消防署がありません。
中南信消防広域化
過去には、中南信に消防体制を広域化する協議会も設置されました。
ただ、意見が折り合わず議論は進んでおらず、現在において協議は行われていません。
データから学ぶ
平成29年度の消防年報によると、上伊那広域消防本部の予算は16億7630万円となっており、南箕輪村の負担は約1億4300万円となっています。
その予算の約86%は、200人強の消防職員の人件費に当てられています。
南箕輪村消防団
平成29年の消防年報によると、伊那消防署と箕輪消防署の消防車両は合計で10台程度となっています。
もし、地震など大規模災害が発生し、至る所で火事が起きてしまった時に、果たしてこの車両数で消火が可能なんでしょうか。
そういった時への対応も一つの役割として担うために、南箕輪村では消防団が組織されています。
消防団組織
南箕輪村消防団には、現在190人の団員が所属し、ポンプ自動車3、小型ポンプ8、積載車8の消防車両を保有しています。
消防車両は一台1000万円弱の価格であり、決して安いものではありません。
また、190人のうち35人は女性団員となっており、女性団員の割合は、現在でもおそらく上伊那の中で最も高い割合であると言えます。
消防団の活動
南箕輪村消防団の活動は専用WEBサイトがありますので、ぜひご覧いただければと思います。
消防団の今後
人口密度が低いため、消防署を十分に配置できない地方都市にとって、消防団の存在は非常にありがたい存在です。
また、若者を中心としたコミュニティとして大きな役割も果たしていると思います。
ただ、国民負担率が50%に近づき、マクロ的にみると若者の平均収入が減りつづけている中で、彼らの負担を減らすよう、今後は配慮していかなければなりません。
例えば、南箕輪村では団員にとって大きな負担となっていた、操法大会等への参加を取りやめる決断が行われました。
2020年12月24日 文責 藤城
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