南箕輪村介護用品購入補助事業について考えてみる。

南箕輪村では、在宅で介護をされているご家族の負担軽減を目的として「介護用品購入補助」を行っています。

利用対象は?

対象となるのは、住民税非課税世帯で、要介護4または5の方を常時介護している方で、紙おむつ、使い捨て手袋など、日常の介護に必要となる消耗品の購入費について、年間75,600円を上限に補助しています。

村の年間予算は約60万円ですので、決して大きな事業ではありませんが、毎日のように使う紙おむつなどは積み重なると相当な金額になります。

在宅介護を続けているご家庭にとっては、実用性の高い支援の一つだと思います。

なぜ「要介護4・5」限定なの

では、なぜ対象が要介護4・5に限定されているのでしょうか。

実は、この制度は村が自由に条件を決めている単独事業ではなく、介護保険制度の「地域支援事業」のうち、家族介護支援事業として実施してきたものです。

国の制度では、介護用品の支給対象として、要介護4または5に相当する在宅高齢者で、市町村民税非課税世帯に属する方を介護している家族という考え方が示されてきました。

紙おむつ、尿取りパッド、使い捨て手袋、清拭剤なども対象用品として例示されています。(厚生労働省)

実際は

ところが、実際の介護現場を見ると、「要介護3なら、おむつは必要ない」というわけでは当然ありません。

例えば、自分である程度動くことができても、排尿のタイミングが分からなくなったり、トイレまで間に合わなかったりすれば、紙おむつや尿取りパッドが必要になります。

むしろ動くことができる分、着替えや寝具の交換、トイレへの誘導など、介護する側の負担が大きくなるケースもあります。

独居高齢者は?

さらに考えたいのが、独居高齢者への支援です。

現在の仕組みは「介護している家族」を支援するという考え方が基本です。しかし、一人暮らしで介護が必要な高齢者の場合、そもそも支援する家族が同居していません。それでも紙おむつなどの介護用品が必要になることはありますし、所得が低ければ、その購入費は本人の生活費に直接のしかかります。

高齢者の暮らし方が変わっている以上、制度も少しずつ実態に合わせていく必要があると感じています。

それなら対象を広げればいいのでは?

そこで村として検討したいのが、現在の「非課税世帯・要介護4、5・家族介護」から、要介護3や一定の要件を満たす独居高齢者などへ対象を広げることです。

年間予算が約60万円という現在の事業規模を考えれば、まず対象者数や必要となる財源を試算し、どこまで広げることができるのか検討する余地はあると思います。

しかし、ここには国の制度上の大きな壁があります。

実は地域支援事業による介護用品支給は、現在、国が積極的に拡大している事業ではありません。平成27年度から原則として地域支援事業の対象外となり、以前から実施していた市町村について、激変緩和措置として例外的に継続が認められてきたという経緯があります。

国はむしろ、廃止・縮小に向けた具体的な方策を検討することなどを継続の要件としてきました。(厚生労働省)

つまり、「困っている人がいるので、地域支援事業のまま対象をどんどん広げよう」という単純な制度設計は難しいのが現状です。

一方、国の資料でも、介護用品支給について地域支援事業だけでなく、市町村特別給付、保健福祉事業、一般財源といった別の財源による実施状況を記載する仕組みになっています。

現状に制度を合わせたい

今後は現在の制度をそのまま拡大できるかだけではなく、村独自の事業として組み替えることも含めて検討する必要があると考えています。

例えば、現在の要介護4・5への支援を基本としながら、要介護3については排泄介助の状況など一定の要件を設けて対象とする方法、あるいは非課税世帯の独居高齢者についても必要性を確認した上で対象とする方法などが考えられます。

村独自の仕組みも含めて、本当に介護用品を必要としている方に届く制度へ見直すことができないか、検討を進めたいと思います。