急激な少子高齢化により、次世代を担う子どもたちは、これから少数精鋭で世界に向き合っていかねばなりません。
そのような時代をこれから生きていく子どもたちの学びたい気持ちを大切にし、金銭的な負担を少しでも減少させたい、それを村全体で応援することを目的に、村独自の給付型の奨学金について研究を進めています。
大学生活を送るためには、極めて高い学費がのしかかり、さらに地方は生活費がアドオンされますので、そのことが子どもを増やすことの阻害要因の一つであるとも考えています。
大学等の学費は極めて負担が高い
文部科学省の教育投資参考資料集から2つのデータを持ってきました。
みなさんご存知の内容でありますが、ご覧いただければそれが確信となるように、大学に掛かる費用は高等学校までと比較して大きく跳ね上がります。
子どもが多ければ、この負担の大きな波が、次々と押し寄せてきます。
2020年から始まった「高等教育の修学支援新制度」
2020年から、収入が少ない世帯を中心とした施策として、国よる高等教育の修学支援新制度が始まりました。
この新制度は、世帯収入が少ない家庭に、大学等に関わる授業料の減免に加え、奨学金を給付するもので、対象は75万人ほどとしています。
現在の該当世代の人数は約120万人でありますので、浪人などを考えずに、単純に4年かけた480万人を母数とすると、75÷480で、最大15%はこの制度を活用できる可能性があります。
住民税非課税世帯は年間最大で161万円もの減免や給付を受けることができますので、学びを大切にしたい子どもたちにとって大変ありがたい制度であります。
対象世帯の拡大
さらに政府は給付型奨学金や授業料減免の支援制度を拡充し、世帯年収の目安が~600万円に拡充していく意向です。理工農学部系の学生や子どもが3人以上の多子世帯が対象となるようです。
村独自の給付型奨学金の研究
そのような背景を整理した中で、私はさらに村独自の給付型の奨学金を創設し、中間層や多子世帯の子どもたちの学びを支援したいという思いがあります。
日本は公費負担の教育投資が諸外国と比較して著しく低いことも理由の一つです。
長野県は大学の収容力が全国で45位
さらに長野県は、県内大学の収容力が全国で45位であり、これは大きな課題であります。
先日、知事と対話する機会があり、その際に
「信州大学の新学部創設により、他の学部の定員が減らされると言われているが、キャンパスが分かれているためキャパシティは問題ないので、収容力向上のために定員を減らさないことはできないか」
と訴えました。
AIシミュレーション
https://www.pref.nagano.lg.jp/kikaku/kensei/ai/documents/2022ai.pdf
長野県が実施したAIを活用した長野県の未来に関するシミュレーションという資料を県WEBサイトで閲覧することができますが、そこに県内大学の収容力の影響に関する、気になるデータがあります。
私は現時点でのAIが出す答えはそれほど信憑性が高いと思っていませんが、県内大学の収容力だけ数字が2.565と2点台で飛び抜けているので、大きな影響があることは確実であると推測できます。
村人との関わりと基金
将来的には基金を設置し循環型の奨学金としていきたいですし、奨学金利用者には、世話人などの仕組みとして、1年に1回程度キャンパスライフや学業の報告で、学生と村人との関わりを持っていただいたり、3年時に地元企業を訪問していただき若者回帰につなげたりすることも大切であると思っています。
2022年8月2日 文責 藤城 栄文
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