南箕輪村議会2025年9月定例会一般質問 太田篤己議員

 南箕輪村議会2025年9月定例会の一般質問で太田篤己議員への答弁内容です。

Q1 本年度は、平成19年度に策定された都市計画マスタープランの目標年次となるが、計画の検証状況は。

 前回の「都市計画マスタープラン」の検証状況についてのご質問にお答えいたします。


 本計画は、「むらの将来都市像を明確にする」「都市計画の方針を定める」「都市計画の進め方を定める」「住民のむらづくりへの参加を促進する」の四点を役割として掲げ、将来のあるべき姿と基本的な方向性を示すものでございます。


 その性格上、個々の施設整備の時期や数値目標は本計画では定めず、公共施設等総合管理計画、地域公共交通計画、景観計画などの分野別計画や、用途地域、道路・公園等の都市施設の配置変更を通じて実効性を担保する位置付けとしております。

 定量的な到達状況といたしましては、まず、令和7年度の将来人口14,800人の設定に対し、実績は約16,000人と上回っている点が挙げられます。

 併せて、都市計画道路の改良率は前回の12%から26%へと向上し、整備が進捗しております。

 なお、平成29年の都市計画道路の廃止・変更により路線数が見直された影響もございますが、その間、国道153号伊那バイパスをはじめとする個別路線の整備が着実に前進しているところでございます。

 今回の改定にあたりましては、前回計画がもたらした変化と新たに顕在化した課題について、各種データの整理や住民アンケートを通じて現状把握と課題抽出を行っております。

 これらの結果を踏まえ、前回の方向性を適切に見直すとともに、喫緊の課題である災害への備え等についての対応を強化し、次の四つの目標に反映しているところでございます。

 すなわち、「伊那谷の雄大な自然環境と共生するむらづくり」、「快適に暮らせるコンパクトなむらづくり」、「産業・観光を支える活力あるむらづくり」、「災害に強い安全・安心なむらづくり」であります。

Q2 村は独自に「緑住共生ゾーン」を設定し、無秩序な市街地拡大を抑制するとしているが、なぜ新しい分類のゾーンを設定したのか。その経緯と具体的な「緑住共生ゾーン」の将来像をどのように想定しているか。

 「緑住共生ゾーン」についてお答えいたします。


 本ゾーンは、前回の都市計画マスタープランで示した「住宅・商業業務・工業の各ゾーン」と「農業ゾーン」という二層の区分に対し、その中間に位置づく新たなゾーンとして設定するものであります。
 経緯といたしまして、近年、本村では用途地域の指定外における新築が増加しており、県道吹上北殿線沿い、南原・沢尻の南部小学校周辺など、前回計画では主に農業ゾーンに当たる区域で住宅地の形成が進んでおります。

 こうした既に住宅集積が見られる区域について、無秩序な市街地拡大を抑制しつつ、計画的な土地利用を誘導し、周辺の営農環境との調和を図りながら、良好な住環境の維持・形成を進めるため、「緑住共生ゾーン」を新設するものであります。

 当該エリアは既存の市街地ゾーンに比べ、比較的広い敷地が確保されやすく、近年の新築ニーズとも整合することから、新規就農者や移住者の受け皿としての機能も期待されます。

 一方で、農業ゾーンの保全を最優先に、既存の公共下水道が整備されている箇所等に対象を限定するなど、必要最小限の考え方で指定を進めてまいります。

 なお、コンパクトなまちづくりの推進および農用地の保全の観点から、現時点で「緑住共生ゾーン」を広範に拡大していくことは想定しておりません。

 今回の改定では、公共下水道が整備された既存集落・住宅地を中心に当該ゾーンとして整理し、計画的な土地利用を着実に図ってまいります。

Q3 長野県は上伊那圏域における都市計画マスタープランを令和5年に変更しているが、これとの整合はどのような形で盛り込まれる見込みか。

 上伊那圏域における都市計画マスタープランとの整合についてのご質問にお答えいたします。


 まず、「上伊那圏域の都市計画マスタープラン」は、上位計画である「長野県都市計画ビジョン」(平成31年3月改訂)を受け、令和5年5月に改訂されたもので、郡内各市町村の都市計画区域を含む広域マスタープランとして、圏域全体の課題調整と連携の枠組みを示す位置付けにございます。

 同計画では、

  1. 
「豊かな自然と都市の利便性が共存するコンパクトなまちづくり」
  2. 
「伊那谷の雄大な自然環境・田園景観の保全と集落コミュニティの維持」
  3. 
「災害に強いしなやかな圏域の形成」
  4. 
「リニア中央新幹線との連携と、生活・産業・観光を支える交通体系の強化」


の四つを目標に掲げ、圏域構造の骨格となる拠点、交通の軸、土地利用構成を位置付けております。

 本村の計画との整合につきましては、村計画においても


  1. 「伊那谷の雄大な自然環境と共生するむらづくり」、
  2. 「快適に暮らせるコンパクトなむらづくり」、
  3. 「産業・観光を支える活力あるむらづくり」
  4. 
「災害に強い安全・安心なむらづくり」


の四つの目標を掲げ、圏域計画の方向性と一致させつつ、村の実情に即して具体化しております。

 具体の項目では、
拠点は、圏域計画で地域拠点とされる北殿駅・南箕輪村役場を中核に、大芝高原など村独自の拠点を補完的に位置付けております。


 交通の軸は、広域交流軸である中央自動車道・国道153号、地域連携軸である国道361号・県道伊那インター線を基幹に、村内の県道や主要村道を重ね合わせてネットワークを構成しております。


 土地利用構成は、住宅地等・農用地・森林地域の基本区分を踏まえつつ、既存集落の実態や営農環境との調和を図る観点から、村独自の「緑住共生ゾーン」を設定し、計画的な土地利用誘導に資する仕立てとしております。

 このように、圏域計画の目標・骨格に沿いながら、村の特性と課題に即した要素を丁寧に加えることで、上伊那圏域計画との整合を確保した村独自の計画として取りまとめてまいります。