南箕輪村議会2025年9月定例会一般質問 唐澤由江議員

 南箕輪村議会2025年9月定例会の一般質問で唐澤由江議員への答弁内容です。

Q1 国保で65歳以上の介護認定を受けていない人数と割合は。

 令和6年度末の第1号被保険者数は3,824人で、そのうち要介護・要支援認定者数は530人であり、認定率は13.9%となります。したがって、未認定は3,294人で、その率は86.1%です。

 長野県全体の認定率は17.4%でありますので、本村は低めの水準にとどまっています。

 一般に、高齢者の年齢構成が相対的に若い自治体では認定率が低くなる傾向があり、本村の状況もこの傾向に合致すると考えられます。

 さて、通告いただいております、国民健康保険で65歳以上の認定を受けていない人数と割合でありますが、65歳から74歳の第1号被保険者数は1,815人であり、そのうち認定者数は43人であり、認定率は2.4%となります。したがって、未認定は1,772人で、その率は97.6%です。

Q2 日本は認知症大国といわれる。認知症数は。 

 村内の認知症の方の正確な人数は把握できておりませんが、地域包括支援センターでは、要支援・要介護認定者の主たる要因疾患について毎年統計を取っております。

 最新の令和5年度は、認定者569人中163人が認知症を主因として介護が必要な状態であり、割合は28.7%(=163/569)でした。

 統計開始の平成22年度以降、毎年おおむね約3割で推移し、原因疾患の第1位となっております。

 なお、これは介護認定を受けている方に限った数であり、未認定の認知症の方が相当数いらっしゃるのが実情です。

 国の認知症施策推進基本計画の推計では、令和4年時点で「認知症または軽度認知障害(MCI)」は高齢者全体の約3.6人に1人とされています。

 認知症は誰もがなりうるものであり、住民の皆さまが自分ごととして捉えられるよう、地域包括支援センターでは「認知症サポーター養成講座」や「認知症を正しく知る講座」を通じて、普及・啓発に取り組んでおります。

 あわせて、「認知症になったら何もできなくなる」ではなく、認知症になっても希望を持って、その人らしく地域で暮らし続けるという“新しい認知症観”の普及にも努めてまいります。

Q3 認知症リスク要因は。

 近年の国際的整理では、生涯を通じて取り組み可能な14の修正可能リスク因子が示されています。

 若年期では、教育歴の低さ、中年期では難聴、高血圧、肥満、高LDLコレステロール、喫煙、うつ、身体不活動、糖尿病、過度の飲酒、外傷性脳損傷、老年期では社会的孤立、未矯正の視力障害、大気汚染などが挙げられております。

 これらは「発症を必ず防げる」という趣旨ではありませんが、リスクを下げる余地がある領域として、各年代での対策が推奨されています。併せて、運動・禁煙・血圧/糖代謝管理・栄養・うつのケアなど、WHOガイドラインが示す生活習慣介入の実践が重要です。

 難聴対策では、昨年度の「げんきあっぷクラブ」で補聴器購入助成制度を周知し、難聴が主要リスクであることを説明いたしました。

 また、食生活や運動などにより生活習慣病の重症化を防ぐことや、心身の機能低下を表す“フレイル”を予防することの大切さを、介護予防教室や高齢者の制度説明会などの場において伝えています。

 社会的孤立を防ぐためには、人と人のつながりのある地域づくりが必要です。地域の様々な活動を支援するとともに、個別ケース対応では、孤立しそうな方が社会参加できるよう、地域資源とつなげるような働きかけを行っていきたいと考えています。

Q4 熱中症から守り、SDGs実践の具体策として、役場や大芝高原等に「冷水器」を設置しては。

 全国的には新型コロナ禍の際、多くの自治体で冷水器の使用停止や撤去が行われました。

 本村でも、庁舎内に設置していた冷水器は、コロナ禍以前から利用者減少・維持管理負担・衛生面の懸念を踏まえ、順次撤去してきた経過がございます。

 以後、設置再開に関する特段の要望は把握しておりません。

 新たに設置する場合の課題は次のとおりです。

  • タンク式:残量管理・定期補充・清掃消毒など、人的負担と衛生管理の継続コストが発生。
  • 水道直結式:設置工事等の初期投資に加え、定期的なフィルター交換・点検などの維持費が必要。
  • 衛生面:感染予防の観点から、不特定多数が直接口元に近づける機器の運用リスクが残る。

 こうした事情から、現時点では新規設置は考えておりません。

 あわせて大芝公園内について申し上げます。
 大芝高原味工房、また大芝の湯には、飲食スペースにはなりますが、冷水機が設置されています。

 また、飲料販売に加え、公園内の自動販売機をご利用いただける環境にあります。

 一方で、公園では虫・花粉等の衛生管理、屋外機器の維持管理、冬季間の凍結対策などの課題があり、庁内と同様、現状では冷水器の設置は考えておりません。

 ご提案を踏まえ、役場や大芝高原ではなく、小中学校への“水筒・ボトル専用冷水機(ボトルフィラー)”の設置は、検討の必要があると考えております。

 現在も児童生徒は自宅から持参しておりますが、携行重量の負担や、中学生の部活動等による消費量の多さから、持参量だけで賄うのが難しい場面が生じております。

 導入に向けては教育委員会が所管となりますので、相談、検討を進めてまいります。

Q5 建設当時から長年経過し、さびている箇所がある。塗り替えや蛍光管をLED化しては。

 大泉地下歩道の塗装更新および照明のLED化に関するご質問であります。


 当該地下歩道は、春日街道を安全に横断するための歩行者施設で、通学路として多くの児童が日常的に利用しております。

 施設の管理者は長野県であります。

 まず、塗装(屋根鉄骨の修繕・塗替え)等の構造保全について申し上げます。


 大泉区からの地区要望を受け、村から県に対して修繕要望をすでに提出しております。

 8月28日には、長野県議会議員・伊那建設事務所・私を含めた村の三者で現地調査を実施し、早期施工に向けて改めて強く要請したところであります。

 次に、照明のLED化についてであります。


 現地調査の過程で、照明は地元管理であることが確認されました。

 このため、地元区と協議のうえ、導入を検討してまいります。

 いずれも安全最優先の立場から、県が所管する構造部分の修繕は県へ、照明の運用・更新は地元区と村が連携して進め、関係者の役割分担を明確化しながら、着実に改善を図ってまいります。

 進捗につきましては、適宜地区および関係機関へ共有し、必要な情報提供を行ってまいります。