新しい害虫「トマトキバガ」によるトマト&ミニトマト被害多発の恐れ。国内確認は2021年から

2025年8月18日に、長野県農業試験場より「トマト、ミニトマト栽培においてトマトキバガの被害が多発する恐れがある」との注意報が発信されました。

南信地域に設置したフェロモントラップへのトマトキバガ雄成虫の誘殺頭数が急増しているとのことです。

https://www.pref.nagano.lg.jp/bojo/joho/byogaichu/documents/r7chikuhou5gou.pdf (2025年8月 病害虫発生予察地区報)

トマトキバガとは

トマト・ナス・ジャガイモなどナス科やインゲンに寄生する潜葉性害虫で、2006年にスペインで域外初確認後、欧州からアフリカ・東南〜東アジアへ拡大しました。

日本では2021年10月に熊本で初確認、22年に愛媛・和歌山、23年に北海道、24年5月に岐阜で発生予察特殊報が発出されています。

長野県では24年8月に北信地域で確認されています。

https://www.pref.nagano.lg.jp/bojo/joho/byogaichu/documents/r6tokushuhoui2gou2.pdf (2024年8月 病害虫発生予察特殊報)

成虫5〜7mm、終齢幼虫約8mmで、卵から成虫まで最短24日ほど。

幼虫は葉内に潜って加害し白変・穿孔痕を生じ、果実にも侵入して腐敗を招きます。

根拠:誘殺頭数が8月に急上昇

南箕輪村、長野市の2か所に設置しているトマトキバガのフェロモントラップのうち、南箕輪村のトラップへのトマトキバガ雄成虫の誘殺頭数が、8月に入り急増しています 。

また、南信地域の2か所のトマト、ミニトマト栽培ほ場において、トマトキバガによる被害が疑われる報告があり、そのうち1か所については、捕獲した幼虫を羽化させ、トマトキバガであることが確認されています。

対策

見回り・通報

ほ場をこまめに点検し、疑わしい虫や被害を見つけたら、最寄りの農業農村支援センター又は病害虫防除所へ速やかに連絡してください。

侵入防止(施設)

施設栽培では開口部に防虫ネットを設置し、侵入を防止してください。

適切な処分

被害葉・被害果は放置せず、土中深くに埋設するか、ポリ袋で密閉して成幼虫を確実に死滅させてください。

薬剤防除

トマト・ミニトマトには登録薬剤があります。

農薬名希釈倍数・使用量散布液量使用時期使用回数使用方法トマトミニトマトIRAC
エスマルクDF1000倍100~300L/10a発生初期(収穫前日まで)散布11A
アグリメック500~1000倍100~300L/10a収穫前日まで3回以内散布×6
トルネードエースDF2000倍100~300L/10a収穫前日まで2回以内散布×22A
ファイントリムDF2000倍100~300L/10a収穫前日まで2回以内散布×22A
アファーム乳剤2000倍100~300L/10a収穫前日まで5回以内散布6
コテツフロアブル2000倍100~300L/10a収穫前日まで3回以内散布13
ベネビアOD2000倍100~300L/10a収穫前日まで3回以内散布28
ベリマークSC400株あたり25mL400株あたり10~20L(1株25~50mL)育苗期後半~定植当日1回(どちらか)灌注28
プリロッソ粒剤2g/株育苗期後半~定植時株元散布28
プリロッソ粒剤オメガ2g/株育苗期後半~定植時株元散布28
ディアナSC2500~5000倍100~300L/10a収穫前日まで2回以内散布5
ラディアントSC2500~5000倍100~300L/10a収穫前日まで2回以内散布5
ヨーバルフロアブル2500倍100~300L/10a収穫前日まで3回以内散布28
プレオフロアブル1000倍100~300L/10a収穫前日まで2回以内散布UN
グレーシア乳剤2000倍100~300L/10a収穫前日まで2回以内散布30
フェニックス顆粒水和剤2000倍100~300L/10a収穫前日まで2回以内散布28
アクセルフロアブル1000倍100~300L/10a収穫前日まで3回以内散布22B
ダブルシューターSE1000倍100~300L/10a収穫前日まで2回以内散布5, −

農薬を使用する際は、必ず農薬ラベルの記載事項を確認してください。なお、薬剤抵抗性の発達を防ぐため、系統が異なる薬剤によるローテーション散布を行うことが推奨されています。