国による新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金が、1次補正で1兆円、2次補正で2兆円確保され、南箕輪村にも約2億5800万円が割り当てられることになりました。
今後、3次補正も検討されているようですが、現在の段階で、南箕輪村が独自に行う施策をまとめました。
どのようなものにお金が使われていくのか、カテゴリーを「感染防止関係」「給付関係」「ICT投資関係」「独自事業関係」「その他」の5つに区分して、解説していきます。
感染防止関係(総額:約3,800万円)
感染防止関係では、避難所備品としてのパーテーション、公共施設の手洗い自動化、消毒用消耗品、備品等に約3,800万円が予算計上されています。
金額的に大きいのは、避難所パーテーション870万、小中学校の水道蛇口交換410万円などです。
地元企業への経済政策の側面もあります。
給付関係(総額:約1億5,600万円)
給付関係では、1人4,000円(2,000円×2)の商品券(次は10月末日に決定しました)、福祉施設、低所得者、ひとり親への現金補助、給食費&副食費補助(実施済)、村制度資金の保証料&利子補填(実施済)、企業が行う新しい生活様式対応への支援(実施済)等に、約1億5600万円が予算計上されています。
金額的に大きいのは、4,000円(2,000円×2期)商品券の6,700万円、制度資金の保証料等補填の4,000万円、給食費&副食費補填の1,800万円となっています。
商品券給付は6月に実施されたものと同じ内容で、2020年10月末日に再度実施されます。また、ひとり親や障がい者、高齢者非課税世帯への現金給付も改めて実施されます。
ICT投資関係(総額:約1億1,800万円)
未来への投資と考えられる、ICT投資関係では、子どもへのタブレット端末の配備、小中学校やこども館、大芝高原へのWifi環境の整備等に、約1億1,800万円が予算計上されています。
金額的に大きいのは、小中学校へのタブレット端末配備に約7,000万円、同無線LAN整備に3,500万円となっています。
地区公民館へのWifi設置についても検討が進められており、現在各区の合意を得られるか調整中とのこと。
独自事業関係(総額:約820万円)
独自事業関係では、映画製作支援、若者回帰等事業、テイクアウトイベント等に、約820万円が予算計上されています。
金額的に大きいのは、映画製作支援に440万円となっています。
映画は村を一つの舞台にしたもので、監督のキャリアから判断すると、おそらくアニメ映画であると推測しています。
その他(総額:約6,200万)
その他関係では、大芝観光事業補助金(開発公社補填)、指定管理委託料(開発公社補填)に、6,200万円が予算計上されています。
大芝荘を代表する宿泊施設の営業悪化に対する補填等に利用されるものとなっています。大芝高原の整備等は引き続き必要であると考えますが、コテージ等が順調に推移する中、大型宿泊施設の在り方については、これを機会に再考が必要です。
これより下は過去&詳細記事となっています。
南箕輪村の独自施策その2
2020年6月8 日に、議会全員協議会が開催され、村の独自施策について提言が行われました。
事業者への支援
福祉施設応援支援金
村内の福祉施設に対して、一律20万円の現金支給を行うことになりました。
対象となる施設は16箇所となっています。
新しい生活様式対応支援事業
村内事業者が、新しい生活様式に対応するために要した経費について助成されます。
模様替え、改修、備品購入に要する経費の2/3以内で、10万円が限度です。
5月1日までなら遡り申請が可能とのこと。さらにもっと前でも柔軟に相談に応じるとのことです。
南箕輪村の独自施策その1
2020年5月1日に、臨時の議会全員協議会が開催され、意見交換の形で、村の独自施策についての検討が行われました。
そして、2020年5月12日に臨時議会が行われ、下記のとおり、施策が決定しましたのでお知らせします。
すでに、補正予算は賛成多数で可決され、あとは行政手続きが完了すれば、施策が利用可能となります。
事業者への支援
家賃(土地含む)補助 5万円限度
休業や営業時間の短縮に協力いただいた事業者、収入が前年同月と比較し20%以上減少した事業者へ、5万円を限度とした家賃補助が行われます。
第二次産業が盛んである上伊那の背景を踏まえて、製造業も対象になっていることが特徴です。
県での実施も検討されています。
別対策へ テイクアウト等飲食業への支援
検討事項となっていた、テイクアウトを行う飲食業への支援は別対策に包含されました。
上伊那のテイクアウトをしているお店の検索は下記サイトからがおすすめです。
ここはまだまだこれから検討という段階で、
私は「テイクアウトの代金のうち20-30%を村が負担する制度としてはどうか」と提案しました。
家計を考えると、テイクアウト=外食と同じくらいコストがかかるので、頻繁に利用することは憚られます。そこにオフィシャルで割引されるというお得感と、地域を支えるお墨付きを加えることで、テイクアウトの利用が活発になると考えて提案しました。
ただ、否定的な意見も他議員から提出されていたので、実現は不透明です。
なお、連休中にも会議を開催するため、早い段階で決まっていくと思います。
テイクアウト等飲食業への支援は、生活支援・企業支援のための商品券交付事業に、形を変えて実施されることになりました。(後述)
村制度資金の拡充
貸付限度額2,000万円、3年目まで利子0%、4年目以降も0.4%で借り換えも可能な村制度資金はすでに確定事項として、銀行での手続きも始まっています。
個人への支援
生活支援・企業支援のための商品券の交付事業 1人2,000円分
新型コロナウイルス感染症収束後、村内で使用できる、生活支援・企業支援のための商品券の交付が行われます。
ここで言う収束後の定義ですが「長野県での緊急事態宣言が解除となった後、経過を判断して、できるだけ早く実施したい意向である。」との村長の回答を得ています。
具体的には、村内でのみ利用できる商品券が、1人につき2,000円配布されます。
給食費(副食費)の2ヶ月免除
学校再開後(保育園は自粛解除後)の話になりますが、給食費(副食費)が2ヶ月の間免除されます。
金額としては、学校給食は2ヶ月で10,000円程度、保育園は6,000円程度となります。
高齢者、障がい者の低所得世帯に1万円の給付金
高齢者、障がい者の低所得世帯に1万円の給付金が支給されます。
対象者数は、灯油券が配布されている400世帯程度となります。
帰省できない学生への支援 2,000円分の村特産品
帰省できない学生へは、2,000円分の村特産品の送付が、物資支援の形で行われます。
給食が止まって、おもてなし牛乳の消費量が減っていますので、ふるさと納税で人気のそのまま食せるジェラートを送るのも一つの案やもしれません。
徴収猶予
これは村独自と言えるか微妙ですが、上下水道料金、村営住宅使用料などの徴収猶予が実施されます。
上下水道料金は申し出により5月納付分から最長4ヶ月、村営住宅使用料は5月納付分から年度末まで、手続きにより支払いが猶予されます。
小中学校へのICT環境の整備
小中学校全員分のタブレット端末を整備し、各学校のインターネット環境整備に対して、1億円800万円の予算を計上することが決まりました。
1億を超える村としては大規模対応となりますが、今後の感染状況が不透明な中で、ICT環境を整える方向に大きな舵が切られたことは、素直に好材料です。
但し、全国的に需要が急激に高まっているタブレット端末等デバイスやインターネットの環境がいつまでに完了するのかはこれからの話となっています。少なくとも2学期以降の話となるようです。
なお、総事業費1億800万円のうち、6,300万円は国の補助で実施される事業となります。
まとめ
今回の新型コロナウイルス感染症対策における村独自施策は、学校へのICT関連物品整備を除き、国からの補助金=地方創生臨時交付金の約7,700万円を活用して実施されることになります。
村長の話では、今後の状況によっては、村独自の第二弾の支援も検討していかなくはならないとしています。
その他
その他、マスク不要者から必要な方への配布、テレビ電話子育て相談、ケーブルTVでの学習教材の提供、WEBによる家庭学習支援などが検討されました。
WEBによる家庭学習支援は、今後特設WEBサイトが公開され、そこで行われる予定で、スケジュールは5月11日以降とされています。
2020年5月1日 文責 藤城
2020年5月12日 文責 藤城
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