建設工事の契約に、新たに「コミットメント条項」という仕組みが導入されました。
一言で説明すると、建設現場で働く人たちに適正な賃金が支払われるよう、契約の中で約束する仕組みです。
工事代金は、どのように支払われる?
例えば、村が道路工事を1億円で発注したとします。
村は契約した建設会社(元請業者)に工事代金を支払います。
元請業者のほか、下請業者、さらにその下請業者など、多くの会社や技能者が関わっていますが、村が適正な工事代金を支払ったとしても、そのお金が現場で働く一人ひとりに、適正な賃金として届いているとは限りません。
建設業界では、こうした問題に加え、人手不足や高齢化が進んでいます。若い人たちに建設業を選んでもらうためにも、働く人の賃金や待遇を改善していく必要があります。
コミットメント条項とは?
令和6年に成立した「第三次・担い手3法」は、建設業で働く人たちの処遇改善や、将来の担い手確保などを目的とした法律の改正です。
この改正を踏まえ、令和7年12月から建設工事の標準的な契約書に「コミットメント条項」が新たに設けられました。
具体的には、建設会社が次のような約束をします。
① 自社で働く技能者に適正な賃金を支払う。
② 下請業者にも適正な労務費を支払う。
③ 必要に応じて、支払いに関する書類を提出する。
さらに、下請業者との契約にも同じ約束を盛り込む仕組みが用意されています。
つまり、元請業者だけでなく、下請業者、その先の下請業者へと、適正な労務費を届けていこうという考え方です。
すべての工事に義務付けられる?
ここが少し難しいところです。
コミットメント条項は、現時点ではすべての工事に義務付けられているわけではなく、契約当事者が選択して導入する仕組みです。
また、下請業者との契約にも同じ条項を導入することを約束する「A」と、それぞれの契約ごとに導入を判断する「B」の2種類があります。
国は、できるだけ下請業者まで適正な労務費が行き渡るよう、「A」を基本として活用を推奨しています。
村としてできることは?
村が発注する公共工事では、国や県が定める労務単価や資材価格などを反映して工事費を積算しています。また、工事期間中に資材価格などが大きく変動した場合には、契約に基づいて工事代金を変更する仕組みもあります。
一方で、元請業者から下請業者への支払いや、個々の技能者の賃金については、民間事業者間の契約や雇用関係であり、村が直接管理できる範囲には限界があります。
コミットメント条項は、こうした部分についても、契約を通じて適正な支払いを促そうとするものです。
ただし、条項を導入しただけで、すべての技能者への適正な賃金支払いが保証されるわけではありません。また、建設会社にとっては新たな事務負担が生じる可能性もあります。
村としても、制度の趣旨や事業者への影響を踏まえながら、導入について検討していく必要があります。
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