南箕輪村議会では、2024年に引き続いて2回目となる若者議会が7月30日に開催されましたので、答弁内容を報告します。
1 ツキノワグマ対策の他市町村連携について
村では、昨年12月に「南箕輪村ツキノワグマゾーニング管理実施計画」について県の認定を受け、村内を主要生息地域と排除地域に分けて、運用を始めています。
本村は、村域が東西に分かれており、ツキノワグマの生息域や移動経路も、伊那市や箕輪町とつながっています。こうした状況を踏まえ、本計画では、伊那市や箕輪町のゾーニング計画との連携を考え、村内には緩衝地域を設けない区域設定としています。
また、長野県では今年度、上伊那地域をモデル地域として、「上伊那地域野生鳥獣被害対策広域連携推進協議会」を設置しました。協議会には、各市町村の担当課や鳥獣被害対策実施隊の隊長などが参加し、これまでに2回の会議が開かれています。
村と隣接し、クマの移動経路が続いている伊那市西箕輪地区について、議員ご提案のように、河畔林ややぶの刈り払いを、市町村や地域の枠を越えて協力して行うことは、有効な取組でありますので、広域連携として協議会へ提案するとともに、伊那市とも調整するなど、必要な連携を進めてまいります。
また、大泉川の河畔林については、河川管理者である長野県伊那建設事務所とも作業の内容や範囲を調整し、支障木や下草の刈り払いなど、必要な環境整備を要望してまいります。
以上です。
2 脱炭素社会に向けた教育・普及啓発の場として改修後の大芝の湯を使うことについて
今回導入する木質チップボイラーは、伐採の時期を迎えた大芝高原の村有林の木材をチップにして、熱エネルギーとして活用するものです。伐採した後には植樹を行い、森林資源を循環させていく取組となります。
また、大芝の湯の熱源を、これまでの灯油から木質バイオマスに切り替えることで、化石燃料の使用量や二酸化炭素の排出量を減らすことにもつながります。
こうしたことから、改修後の大芝の湯は、本村の脱炭素や森林資源の循環利用について、分かりやすく伝える象徴的な施設の一つになると考えています。
施設の供用開始後には、木質チップボイラーの仕組みや、村有林の伐採からチップ化、熱利用、再造林までの流れを紹介する展示を設ける予定です。分かりやすく目に留まりやすいデザインとしていただきたいと思っています。
ボイラー施設の見学についても、安全管理や施設の運営に支障がない範囲で、学校の環境学習や地域団体の研修などに活用できる方法を検討してまいりますが、本村では木質チップボイラーの導入は初めてですので、まずは安定稼働を優先とさせていただきます。
安定稼働後は、学生の皆さんをはじめ地域ぐるみで森林資源の循環利用や脱炭素への理解を深める活動につなげていきたいと考えています。
3 ごみの分別の理由を宣伝することについて
資源プラスチック類については、令和7年度から、従来の「プラスチック製容器包装」に加え、「製品プラスチック」についても一括して収集することとなりました。この制度変更に当たっては、各地区での説明会をはじめ、回覧板や広報等を通じ、分別方法だけでなく、回収後の再資源化の流れや、分別する理由についても説明してまいりました。
結果、令和7年度の資源プラスチックの収集量は約116.9トンとなり、令和6年度の約109.7トンと比較して、約7トン増加した一方、家庭から排出された可燃ごみは、令和7年度が約1,801.0トンで、令和6年度の約1,807.8トンと比較して、約7トン減少しております。
これまで可燃ごみとして出されていたプラスチック製品の一部が、資源プラスチックとして適切に分別されるようになったことも、一つの要因であると考えております。分別方法について、住民の皆様に一定程度浸透してきているものと受け止めております。
分別の理由などをお伝えする機会といたしましては、転入時における窓口での説明、お問い合わせ時、毎年開催している衛生部長会や分別指導員研修会のほか、地域などからご依頼をいただいた場合には、出前講座も実施可能です。
分別方法だけをお知らせするのではなく、「なぜ分別するのか」「回収したものが、どこで、どのように再資源化されるのか」を具体的にお伝えすることは、住民の皆様の理解と協力を得るうえで重要です。
世代交代や転入などによって、住民は常に変わっていくことから、周知は一度行えば終わりというものではありません。今後も、制度変更の際だけでなく、広報や村ホームページ、研修会などの機会を活用し、「なぜ分別するのか」「どのように再資源化されているのか」といった、具体的で実用的な情報を、継続して発信してまいります。
4 防災情報のアクセシビリティを高めることについて
防災情報のアクセシビリティを高めることについて、やさしい日本語の用意、避難行動要支援者名簿への登録、防災リーダーの育成の3問、ご質問をいただいておりますので順番にお答えいたします。
まず1問目のやさしい日本語の用意についてです。
令和8年6月1日現在、村内の外国人住民は406人で、村人口の約2.5%を占めております。外国人住民だけでなく、高齢者や障がいのある方など、情報を受け取りにくい方にも、確実に防災情報を届けることは重要です。
そのような中「やさしい日本語」は幅広い方に情報を分かりやすく伝えるうえで有効な方法です。
今後、アプリケーションの自動翻訳機能の活用がさらに広がることが見込まれるため、言語ごとに資料を作成する従来の多岐にわたる網羅的な方法ではなく、自動翻訳で正確に翻訳され伝わりやすい「やさしい日本語」による情報発信が、今後は重要で効率的になると考えており、対応を考えてまいります。
また、昨年度は、南箕輪村、箕輪町、辰野町の共同主催により「災害時外国人支援者養成講座」を開催し、やさしい日本語の使い方や避難所での支援方法を学びました。
次に2問目の避難行動要支援者名簿への登録についてです。
避難行動要支援者名簿は、自ら避難することが困難で、特に支援を必要とする方を対象としており、外国籍であることだけをもって登録の対象となるものではないというのが現時点での村の認識です。松本市の事例では、防災情報を多言語で提供する体制や専門の相談窓口等が整備されていますので、名簿への登録も意味を成すものと思われます。避難所対応や孤立を防ぐコミュニティーの在り方も含めて、当村にふさわしい外国籍の方への災害時支援の在り方を検討してまいりたいと思います。
最後に3問目の外国人防災リーダーの育成についてです。
意欲のある方を「外国人防災リーダー」として育成し、避難所運営や多文化対応の改善提案など、地域防災の一翼を担っていただくことは有効であると捉えています。
現在本村の外国人は、国籍別では、フィリピンが79人、ブラジル75人、中国70人、ベトナム50人、インドネシア33人、韓国27人となっておりますが、現状それぞれの国で防災リーダーとして活動されている方は把握していません。
外国人自身が地域防災の担い手となる仕組みづくりが全国にみられるとのご指摘ですので、情報収集し、実現可能性を探ってまいりたいと考えます。
5 次期の南箕輪村障がい者福祉計画に手話施策推進法の趣旨を反映することについて
南箕輪村の障がい者福祉計画は、障害者基本法に基づく「障がい者計画」、障害者総合支援法に基づく「障がい福祉計画」及び児童福祉法に基づく「障がい児福祉計画」の三つを一体的に策定しています。このため、次期計画については、手話施策推進法の趣旨を踏まえて策定する必要があります。
次期計画の策定状況については、昨年度実施した障がいのある方などを対象としたアンケート調査の結果を集計し、これを踏まえて作成した計画の素案を策定懇話会にお示しし、委員の皆様からご意見をいただいているところです。
現行計画では、手話に関する施策として、手話通訳者や要約筆記者との連携、遠隔手話通訳システムの周知と利用促進などを位置付けております。一方で、こうした制度や事業が必要とする方に十分知られ、利用されているかという点については、さらに取り組む余地があると認識しております。
村の最近の取り組みとしては、令和7年度から村の文化講演会に手話通訳者を配置しております。また、伊那市社会福祉協議会で実施されている手話奉仕員養成講座などについても、村民の皆様への情報提供を行ってまいります。
具体的な取り組みにつなげることが重要でありますので、村の役割や広域的な支援機関との連携を整理しながら、実効性のある計画となるよう策定を進めてまいります。
6.子どもが生活しやすい村づくりについて
安全性チェックと避難所の雨水対策に関する2問についてご質問をいただいています。
まずは、安全性チェックについてお答えいたします。
教育委員会では「南箕輪村通学路交通安全プログラム」に基づき、計画的に通学路の安全確認と対策に取り組んでおります。
具体的には、学校やPTAなどから寄せられた通学路上の危険箇所に関する情報をもとに、村、学校、保護者、警察、道路管理者などの関係機関が合同で現地を点検しております。その結果、対策が必要と判断した箇所については、緊急性や実現可能性などを踏まえて優先度を整理し、歩道の整備、道路標示や路面表示、グリーンベルトの設置など、それぞれの状況に応じた対策を進めております。
一方、議員ご質問の、各地区のコミュニティセンターから学校、図書館、こども館などへ向かう経路については、通学路以外の経路については点検する仕組みとはなっておりません。
通学路に直接該当しない道路や、公共施設から離れた国道・県道の歩道未整備区間などについては、地区計画で地域から寄せられた要望および道路利用の状況を踏まえ、道路担当部局において現地確認を行い、国や県などの道路管理者に対して整備や安全対策を要望し、実現に向けた協議や調整を行っております。
また、道路の整備だけでなく、村民の皆様に各学校の「登下校見守りボランティア」として登録していただき、登下校時の見守りや横断歩道での誘導といった声掛けを行っていただいております。地域の皆様のご協力により、日頃から地域全体で子どもたちの安全を見守る体制づくりにも取り組んでおります。
次に、避難所の雨水対策についてお答えいたします。
保育園において、雨水が滞留する箇所があるとのご指摘ですが、現時点では避難所として支障が生じる具体的な事案について、村では把握できておりません。現地調査を行った上で、対応の必要性を判断してまいりたいと思いますので、詳細な情報をヒアリングさせいただきたいと存じます。
一方、令和3年7月の大雨では、南部小学校の敷地内に大量の雨水や土砂が流れ込む被害が発生しております。
当時は、周辺の農地から大量の土砂が流出した形跡が見られるなど、非常に激しい降雨でありました。排水経路や周辺地形を確認し、側溝や排水施設の清掃・改修、雨水の流入経路の見直しなど、排水機能を高めるための対策をいたしました。
近年は住宅地の増加等により、避難所周辺の雨水の流れや排水状況が変化している可能性もあります。このため、施設管理者による日常的な確認に加え、大雨の際の状況や地域から寄せられる情報を踏まえ、必要に応じて現地を確認することが必要であると考えております。
今後、避難所としての機能に影響する雨水の滞留や流入が確認された場合には、その原因や危険性、緊急性を検証した上で、側溝や排水経路の改善、敷地への流入防止など、必要な対策を検討してまいります。
7.村役場の人材確保と職員の服装等の自由について
村役場における人材確保と職員の服装等の自由について、お答えいたします。
議員ご指摘のとおり、人材確保が難しくなる中、柔軟で働きやすい職場環境を整えることは重要であると認識しております。
村では、職員の服装や身だしなみについて、清潔感があり、業務や安全面に支障がなく、住民の皆様の信頼を損なわない範囲を基本としております。また、職員が判断する際の参考となるよう、適切な身だしなみや、好ましくない服装の具体例を示しております。
夏季を中心に、省エネルギーや熱中症予防の観点から、軽装での勤務にも取り組んでおります。
一方で、役場は、年齢や考え方の異なる幅広い住民の皆様と接する職場であります。そのため、民間企業以上に、服装や身だしなみに対して慎重な配慮が求められる面もあると考えております。
今後は、職種ごとの安全性や衛生面、住民の皆様に与える印象にも配慮しながら、近隣自治体などの取組を参考に、職員が通年で働きやすい服装を選択できる環境について検討してまいります。
8 消防団員の確保について
消防団員の確保は、地域防災力の維持・向上に直結する重要な課題であります。
近年、新たな団員の確保が難しくなっていることは事実であり、仕事や家庭との両立などから、入団に対する心理的な負担も大きくなっていると感じております。
こうした中、団員の活動を支援し、入団や活動継続につなげるため、どのような支援策が有効であるか検討していく必要があります。具体的には、公共施設の利用優遇、地域行事における負担の軽減、制服や装備の充実、団員を支える家族への感謝を伝える機会などが考えられます。
今後、消防団や消防委員会において検討を進めていただき、その意見を踏まえながら、村としてどのような支援ができるのか考えてまいります。
一方、消防団に入団する最大の意義は、単なる優遇や負担軽減ではなく、「地域を守りながら、自分自身も成長できること」にあると、多くの消防団経験者から伺っております。
地域防災に貢献できる社会的な意義をはじめ、仲間との絆や協力を通じた人間的な成長、消防技術や応急手当などの実践的な技能の習得は、日常生活では得難い貴重な経験であります。こうした消防団の魅力や意義についても、より多くの方に知っていただきたいと考えております。
今後は、従来の考え方にとらわれず、地域社会や働き方の変化に対応した、柔軟で持続可能な組織へと変わっていくことが求められます。
引き続き、消防団や関係機関、地域の皆様と連携しながら、家庭や自分自身を第一としながらも「参加しやすく、誇りを持って活動できる環境づくり」を進め、安心して活動できる消防団をともにつくってまいります。
9 大芝荘の有効活用について
健康寿命の維持・延伸は、重要な課題です。
村では健康増進施策として、ウォーキングや筋力トレーニング、ストレッチなどの各種講座をはじめ、マタニティ期の母子を対象とした健康講座や、子どもたちを対象とした運動教室など、ライフステージに応じた様々な事業を実施しております。
近年は特に筋トレ講座等の実施回数を大幅に増やし、村保健センターや大芝高原内の屋内外の施設を活用し行なっております。
ご紹介いただいた近隣市町村のような施設を整備するには、トレーニング機器の導入や施設改修など相当な整備費用が見込まれるほか、村内外においては、民間のトレーニングジムも増えており、民業圧迫への影響にも配慮する必要もあります。
消防団員の処遇改善につながる利用制度の考え方につきましては、参考となるご提案として受け止めさせていただき、引続き、村民の健康増進や地域の活性化につながる有効活用のあり方について研究してまいります。
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