こども・子育て支援金につきましては、岸田政権下において掲げられた「異次元の少子化対策」の財源として創設され、令和8年度から社会保険料に上乗せする形で徴収されることとなっています。
本制度は、児童手当の拡充、妊婦のための10万円給付、「こども誰でも通園制度」などの財源となるものであり、少子化対策の充実を図る一方で、現役世代を中心とした保険料負担に影響を及ぼす仕組みでもあります。
当時、加藤鮎子少子化対策担当大臣は「実質的な負担は生じない」と説明しておりましたが、実際には月額1,000円を超える負担が見込まれるケースもあり、国会等においても議論がなされてきました。
本当に実質的な負担は生じないのか?
2023年12月22日に閣議決定された「こども未来戦略」では、歳出改革と賃上げによって実質的な社会保険負担軽減の効果を生じさせ、その範囲内で、2026年度から段階的に2028年度にかけて支援金制度を構築するとしています。
<参照:「こども未来戦略」における社会保険負担の軽減に向けた取組>
正直、賃上げは個々によるので、これを負担を生じない根拠とすることは無理があると感じます。
一方、歳出改革とはどのようなものなのでしょうか。
2026年度の社会保険負担軽減効果
歳出改革による、2026年度の社会保険負担軽減効果が、下表のとおり示されています。
| 負担軽減効果 | 控除分 | |
| 薬価等改定 | ▲2,100億円 | |
| 診療報酬改定 | +1,400億円 | +4,600億円 |
| 介護報酬改定 | +1,300億円 | |
| 高額医療費の見直し | ▲700億円 | |
| 食品類似医薬品の薬剤給付適正化 | ▲100億円 | |
| 長期収載品の選定療養拡大 | ▲100億円 | |
| 合計 | ▲1,700億円 | +5,900億円 |
また、2023年から2025年度にかけて、薬価改定等で、▲4,300億円負担軽減効果があり、合計で▲6,000億円となっています。
政府は2028年度までに▲1兆円を目標としており、2年間で残り▲4,000億円程度を積み上げる必要があるとしています。
まとめ
これらの改定等で軽減した範囲内で支援金の総額は決められているので、負担は生じないとのことです。
しかしながら、たとえば病院に掛からない場合は、子ども・子育て支援金は徴収されますが、負担軽減の効果は受けられないことになります。
こども家庭庁のウェブサイトには、支援金を払うのに、実質負担がゼロってどういう意味?というQ&Aがあります。
https://www.cfa.go.jp/policies/kodomokosodateshienkin/faq#q11
•支援金については、社会保障の歳出改革などによる社会保険負担軽減の範囲内で導入することが法定されています。
•つまり、支援金が新たに付加されますが、その裏側で社会保障の歳出改革を行い、社会保険料の負担を軽減させるため、支援金による負担は相殺される仕組みになっています。
•実際、令和5年度から令和8年度までの歳出改革等による社会保険負担軽減の効果を計算すると、0.60兆円程度となるため、令和8年度の支援金総額はその範囲内の0.60兆円としています。
•医療費や介護費が高齢化等の影響で毎年増加(いわゆる自然増)していく中で、社会保険料には上昇圧力がかかりますが、少なくとも、子育て支援施策に係る支援金の負担は、社会保障の歳出改革等で相殺されます。
このため、支援金導入に伴う実質的な負担は生じません。
さすがにこのマクロ的な説明は無理があるのでは・・・と感じます。
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