南箕輪村議会一般質問(令和7年第4回)百瀬輝和議員

令和7年第4回議会定例会における、百瀬輝和議員の一般質問です。

大芝荘の今後について

(1)大芝荘の利活用の検討は

 大芝荘の利活用に関するご質問でございます。

 まずは、これまでの経緯から申し上げます。

 大芝荘につきましては、利用者の減少に加え、新型コロナウイルス感染症の影響が重なったことから、令和3年6月14日より休業としております。

 休業後は、教育委員会が所蔵する文化財の整理や虫干し、陰干し作業、また一部展示の会場として活用され、本年度も掛軸の虫干しや、大芝高原まつりにおける文化財展示、有賀家に伝わる資料展示など、多くの文化財関連事業に利用してきたところであります。

 一方で、建物の老朽化は進んでおり、雨漏りや給排水設備の不具合も確認されております。従来の宿泊施設としての再開には相応の修繕が必要であり、現時点では慎重な判断が求められる状況であります。

 また、来年度リニューアルを行う大芝の湯において、宴会場を設置して、宴会機能を新たに付与する予定であります。

 こうした経緯を踏まえ、今後の大芝荘につきましては、当面の間は余裕財産として保持しながら、次の三点を柱として検討を進めてまいります。

 第1に、文化財の整理・保存・可視化の拠点としての活用であります。村内には数多くの文化財が分散しており、その整理・保存の環境整備は重要な課題であります。

 大芝荘はその空間的特性を生かし、文化財の集中的な整理拠点として引き続き位置づけてまいります。

 第2に、将来的な郷土館的機能の付与であります。大芝荘は、文化財の展示や保管に適した空間を一定程度備えており、郷土資料を体系的に整理・紹介する場としての可能性も期待されます。

 今後の文化振興の観点から、こうした方向性も視野に入れ検討してまいります。

 第3に、災害時のボランティア受け入れ拠点としての活用であります。大芝高原は指定緊急避難場所であり、災害対応上も大変有効な立地となっております。必要に応じ、ボランティアの寝袋を用いた寝床や休憩スペースとして活用できるよう備えてまいります。

 以上のとおり、大芝荘は休業後も新たな役割を担い始めており、村の文化財の可視化や災害対応の拠点として活用しつつ、その将来像を慎重に見極めてまいりたいと考えております。