南箕輪村では、ツキノワグマゾーニング管理計画を策定しました。
これまで、鳥獣被害対策協議会等でもご意見をいただくなど準備を進めていました。
この度、2025年12月2日に長野県の認可をいただくことができましたので、ゾーニングの内容についてお知らせします。
ゾーンの種類
ゾーンには4つの種類があります。
| ゾーン区分 | 場所 | エリアの管理方針 |
|---|---|---|
| 主要生息地域 | 奥山・森林等 | クマが秋以降から冬眠明けする春まで利用し、主に採食などを行う地域。鳥獣保護区の設定などにより、森林環境の保全を実施する。 |
| 緩衝地域 | 里山林(山菜採り・狩猟などに利用) | クマと人との活動が重複し、クマが人に警戒しながら活動する地域。里山林の利用促進や林内の見通し確保により、緩衝帯機能を向上させる。 |
| 防除地域 | 山麓から市街地までの農地等 | 農業など人の活動が盛んな地域であり、農作物等の物的被害や、そこで活動する人への被害の発生を防止する。 |
| 排除地域 | 市街地や集落、農地などが広がる地域 | 人が日常的に活動する地域であり、クマの侵入を排除し、人への被害防止を図る。誘因物の除去・管理、柵の設置、耕作放棄地や廃果の管理などにより、クマの滞在場所を削減する。 |
4つもあると分かりにくい部分もありますね。
南箕輪村では「排除地域」には「防除地域」を含むものとして扱うこととし、地理的条件等から「緩衝地域」を設けず「主要生息地域」と「排除地域」の2つのゾーン区分を設定しました。
その結果、南箕輪村ではゾーンは2つとなり、大変分かりやすい状況となります。
| ゾーン区分 | 場所 | エリアの管理方針 |
|---|---|---|
| 主要生息地域 | 奥山・森林等 | クマが秋以降から冬眠明けする春まで利用し、主に採食などを行う地域。鳥獣保護区の設定などにより、森林環境の保全を実施する。 |
| 排除地域 | 市街地や集落、農地などが広がる地域 | 人が日常的に活動する地域であり、クマの侵入を排除し、人への被害防止を図る。誘因物の除去・管理、柵の設置、耕作放棄地や廃果の管理などにより、クマの滞在場所を削減する。 |
さらに分かりやすく言い換えれば、クマの生息地域とヒトの生息地域の2つに分けたと言えます。
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南箕輪村のゾーニング
村のゾーニングは東側全てが排除地域(赤色)となり、西側の飛地全てが主要生息地域(緑色)となります。
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薄い緑色や赤色は伊那市や箕輪町のゾーニングの様子となります。
南箕輪村には南北につながる緩衝地域はありません。
各地域区分の詳細な設定方法は、村鳥獣被害対策協議会との合意形成を経て決定しました。
対策の内容
対策の内容の詳細も検討を進めました。
主要生息地域
奥山(クマの主要生息地)について、クマが自然に利用できる森林環境を維持するため、村と県が連携して再造林や天然更新などの森林整備を進めます。
排除地域(市街地・農地周辺)
民家や通学路の近くにある藪、クリや柿などの果樹周辺は、人との遭遇防止のため、所有者と協議のうえ優先的に刈払いを行います。
また、過去に出没のあった大泉川・鳥谷川では、関係機関と連携して河川敷や河畔林の刈払いを進めます。
所有者不明地については、村が所有者調査を実施します。
農地への侵入防止のため、地域住民は電気柵の設置や整備に努め、補助制度については、村と県が連携して活用を促します。
誘引物(エサとなる物)の除去
- 利用予定のない果樹は伐採や枝打ちを行う。
- 落果や不要作物は放置せず、埋設など適切に処分する。
- 家庭ごみは屋外設置を避け、村は適切な管理方法を周知する。
- 畜産現場では、飼料を屋外に置かず屋内で管理する。
鳥獣被害対策の強化
- センサーカメラによる出没経路の監視
- 定期パトロールの実施
- 被害状況の調査と把握
- 関係機関と連携した対策の見直し
普及啓発と指導
- 村は住民に向けて、クマ対策に関する啓発と指導を行います。
- 県はクマ対策員が集落環境を点検し、改善提案や現場指導を実施します。
- 出没地域では、誘引物の特定や必要な対策を重点的に行います。
- 登山客等に対しては、看板の設置やメール配信により注意喚起を行い、クマ鈴の携帯、複数人での行動など、遭遇防止に努めてもらいます。
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