中央自動車道の渋滞対策について(渋滞対策促進大会に出席しました。)

中央自動車道の渋滞対策促進大会に出席しました。

長野県と首都圏を結ぶ中央自動車道では、特に小仏トンネルや相模湖付近などで慢性的な渋滞が発生しています。

現在、国や高速道路会社では、4か所で道路構造を改善する渋滞対策を進めるとともに、AIを活用した渋滞予測や料金施策など、様々な取り組みを実施しています。

今回の大会で説明された進捗状況を紹介します。

なぜ中央自動車道は渋滞するのか

そもそも、中央自動車道ではなぜ渋滞が発生するのでしょうか。

代表的な原因が「サグ」と呼ばれる道路構造です。

サグとは、下り坂から上り坂に変わる場所のことで、運転者が上り坂になったことに気づかず、無意識に速度を落としてしまうことがあります。

先頭の車が少し速度を落とすと、後続車が次々にブレーキを踏み、交通量が多い場合には渋滞につながります。

小仏トンネル付近では、このサグに加え、登坂車線の減少やトンネルに入る際の心理的な圧迫感なども速度低下の原因とされています。

つまり、交通量が多いだけでなく、道路の構造そのものが渋滞を発生させる要因となっています。

こうした原因を取り除くため、現在4か所で対策が進められています。

① 小仏トンネル付近(上り線)

最も大規模な対策が進められているのが、小仏トンネル付近です。

対策区間は約5km。このうち約3.5kmでは新たなトンネルを建設し、残る約1.5kmでは既存道路の車線運用を見直して付加車線を設置します。

新しいトンネルは、既存の小仏トンネルとは別に整備されるもので、渋滞の原因となっている交通容量の不足を改善することが目的です。

工事の進捗状況は次のとおりです。

・2021年3月に本体工事に着手
・2026年2月にトンネル東坑口側の工事区間が貫通
・西坑口側では掘削作業を継続中
・新設する橋梁の下部工6基のうち2基が完成、2基が施工中
・道路の拡幅工事も並行して実施中

トンネル工事では地山の状態が悪く、掘削に時間を要しているとの説明がありました。

また、トンネルを掘るだけでなく、橋梁の新設や既存道路との接続なども必要です。

2015年に具体的な対策の検討が進められてから10年以上が経過しており、道路整備に必要な時間の長さを感じます。

② 相模湖付近(下り線)

相模湖付近では、下り線の約2kmにわたって付加車線を設置する工事が進められています。

特徴は、中央分離帯側を拡幅して車線を増やすことです。

相模湖高架橋では、既存の道路構造を活用しながら、現在の2車線に付加車線を設ける計画です。

橋梁工事については、13基のうち10基で施工が進められているとの説明がありました。

高速道路を利用しながらの工事となるため、施工場所や時間に制約があります。

③ 三鷹バス停付近(上り線)

三鷹バス停付近では、調布インターチェンジからの合流や上り勾配などによる速度低下が渋滞の原因となっています。

この区間では、既存の道路幅を活用し、車線運用を見直すことで付加車線を設置する対策が進められています。

対象となる区間は約3kmです。

新たに大きく道路を広げるのではなく、現在の道路空間を有効活用して交通容量を増やすことが特徴です。

④ 日野バス停付近

日野バス停付近でも、付加車線を設置する事業に着手しています。

現在は概略設計を終え、現地測量などを進めている段階です。

小仏トンネルや相模湖付近と比較すると、これから具体的な整備を進めていく事業となります。

⑤ AIを活用して渋滞を避ける

道路の拡幅には、多額の費用と長い時間が必要です。

そこで、道路整備と並行して、交通量の集中を避けるソフト対策も進められています。

その一つが、AI渋滞予測を活用した「スイスイ旅」です。

大月インターチェンジから八王子ジャンクションまでの所要時間予測では、2024年8月の改善によって予測精度が87%から93%に向上したとのことです。

例えば、すぐに出発すると3時間30分かかるところを、2時間後に出発すれば2時間で到着できると予測された場合、観光地での滞在を延ばすことを提案します。

観光客は渋滞を避けることができ、地域では飲食や買い物などの消費が増えることも期待できます。

アプリの累計利用者数は約1万人となっています。

⑥ 19時以降の利用で最大35%のポイント還元

2026年4月からは、「中央道のんびりパス」という新たな取り組みも始まっています。

対象となる利用で、19時以降に高速道路を利用すると、最大35%相当のETCマイレージポイントが付与される仕組みです。

利用時間を分散させることで、夕方の渋滞を緩和することを目的としています。

このほかにも、休憩施設での渋滞情報の掲示や、速度低下を防ぐための情報提供などが実施されています。

長野県にとっても重要な渋滞対策

中央自動車道は、長野県の観光、産業、暮らしを支える大動脈です。

引き続き、早期の渋滞解消に向けた整備の進展を期待しています。