令和7年度決算で、南箕輪村の村債残高は51億894万8千円となりました。
「村債」は簡単に言えば村の借金ですから、「南箕輪村には約51億円の借金がある」ということになります。
ただし、村債の中には、国の地方財政制度によって発行してきた「臨時財政対策債」という特殊な借金があります。
約51億円を2つに分けると
令和7年度末の村債残高を「臨時財政対策債」と「それ以外」に分けてみました。
| 区分 | 令和7年度末残高 | 割合 |
|---|---|---|
| 臨時財政対策債 | 24億6,940万6千円 | 48.3% |
| それ以外の村債 | 26億3,954万2千円 | 51.7% |
| 合計 | 51億894万8千円 | 100% |
実に、村債の半分近くが臨時財政対策債となっていますが、これは何なのでしょうか。
「本来は交付税で渡したいけれど…」
国は、不足する財源を補う方法の一つとして、平成13年度に臨時財政対策債を導入しました。
「本来必要な一般財源の一部を、いったん自治体が借金して調達してください。その元利償還金相当額は、後年度の地方交付税を算定する際に基準財政需要額へ算入します」という仕組みです。
もちろん借りるのも返すのも村ですから、会計上も法律上も間違いなく「村の借金」です。しかし、返済に必要となる元利償還金相当額が後年度の地方交付税算定に反映されることを前提とした、国の地方財政対策による特殊な借金なのです。
最近は臨財債がなくなった。
南箕輪村の村債一覧を見ると、令和6年度まで臨時財政対策債の借入れがありますが、令和7年度は新たな臨財債を借りていません。
これは南箕輪村が独自に「もう借りない」と決めたわけではなく、国の地方財政対策そのものが変わってきました。
近年は税収の増加などにより、財源不足が改善し、国と地方が折半して穴埋めする「折半対象財源不足」は、令和4年度から令和7年度まで発生していません。
さらに令和7年度は、地方交付税を前年度より増やして約19兆円確保する一方、臨時財政対策債の発行額を平成13年度の制度創設以来、初めて全国でゼロとしました。
そして令和8年度も、臨時財政対策債の発行額は引き続きゼロとなっています。国は臨財債償還基金への0.8兆円の措置なども行い、過去に積み上がった債務を減らす手続きを進めています。
村の「実質的な借金」は
村債残高約51億900万円のうち、臨時財政対策債が約24億7千万円 、それ以外の村債が約26億4千万円です。
したがって、村が発行してきた村債は約26.4億円となります。
全てが村の借金ではない
ただし、ここでも注意が必要です。この26.4億円も、その全額を村が独自財源だけで返済するわけではありません。
例えば、防災・減災、公共施設の長寿命化、学校施設整備などの地方債には、返済額の一定割合が地方交付税の算定に反映されるものが数多くあります。
実際の村負担は、各地方債の交付税措置を考えて見る必要があります。
「借金はいくら?」だけでは分からない自治体財政
「南箕輪村の借金は約51億円です」数字だけを取り出せば、これは間違いではありません。
何のために借りたのか。 その返済にどれだけ地方交付税措置があるのか。 毎年の返済額が村の財政をどの程度圧迫しているのか。
そこまで見て初めて、村が実質的に抱えている負担が見えてきます。
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