上伊那森林組合という名前を聞くと、多くの方は「山を持っている人の組織」「林業関係者の団体」という印象かと思います。
上伊那森林組合は、私たちの日々の暮らしにかなり近いところで役割を果たしている組織です。
- 暖房に使う木質ペレット。
- 家の近くで大きくなりすぎた木の伐採。
- 道路や電線、住宅にかかる支障木の処理。
- 災害に強い森林づくり。
- 地域の木を地域で使う循環。
森林組合は「山」だけではなく、「暮らしの安全」「地域のエネルギー」「環境」「地域経済」を支える存在です。
上伊那森林組合とは何をしている組織なのか
上伊那森林組合は、平成7年に設立された森林組合です。
本所は伊那市東春近にあり、伊北支所、中部支所、伊南支所、バイオマスエネルギー工場を持っています。令和7年3月1日現在、組合員数は12,743人、役員28名、一般職員29名、技能職員36名という体制です。
公式サイトでは、上伊那森林組合の理念として「森を 暮らしを 未来を守る。」と掲げられています。
森林組合の仕事は、単に木を切ることではありません。
森を整えることで、土砂災害を防ぎ、地域の産業を支え、温室効果ガスの吸収にもつなげていく。公式サイトでも、減災防災を目的とした森林整備、主伐再造林、森林による温暖化ガス吸収事業が紹介されています。
つまり、森林組合の仕事は「木材生産」だけではなく、地域の安全保障に近い役割を持っていると言えます。
消費者から見ると、いちばん身近なのは木質ペレット
消費者目線でまず分かりやすいのは、木質ペレットです。
上伊那森林組合の木質ペレット「ピュア1号」は、上伊那周辺のカラマツ・アカマツの間伐材丸太を原材料とした全木ペレットです。日本木質ペレット協会の認証第1号であり、小学校、公共機関、一般家庭でも利用されています。
これは面白い商品です。なぜなら、ただの燃料ではないからです。
石油やガスは、基本的に地域の外から買ってくるエネルギーです。
一方で、木質ペレットは地域の森林資源を活用するエネルギーです。
もちろん、価格や使い勝手、ストーブの設置費用など、消費者として冷静に比較すべき点はあります。
しかし、地域の山を整備する過程で出た木が、地域の家庭や公共施設の暖房に使われる。
これは、かなり分かりやすい「地産地消」です。
野菜や米の地産地消はイメージしやすいですが、エネルギーの地産地消はまだ十分に知られていません。
上伊那森林組合の木質ペレットは、その入口になる商品だと思います。
「環境にいい」だけでは弱い。
消費者が商品を選ぶとき、「環境にいいから買ってください」だけでは続きません。
- 暖かいのか。
- 価格は納得できるのか。
- 安定して買えるのか。
- 灰の処理はどのくらいか。
- ストーブの管理は面倒ではないか。
こうした実利がなければ、暮らしの中には入りません。
その点で、「ピュア1号」が高品質、安定供給、発熱量が高く灰分が少ないと紹介されている点は重要です。公式サイトの商品詳細では、1袋10kg入り、用途はペレットストーブ、ペレットボイラー、バーベキュー燃料等、原材料はカラマツ・アカマツ、灰は0.2%とされています。
もう一つ身近なのが「木の困りごと」
森林組合というと山林の管理を思い浮かべますが、実は住宅まわりの木の相談も身近です。
- 家の近くで大きくなりすぎた木。
- 台風や強風のときに倒れそうな木。
- 道路や電線にかかっている枝。
- 落ち葉で近隣に迷惑をかけている木。
こうした悩みは、山林所有者だけでなく、一般家庭にもあります。
上伊那森林組合では、家屋、電線、道路、墓地などが近く、通常の伐採が難しい場合の特殊伐採事業を行っています。通常の庭木の伐採や剪定も相談できるとされています。
これは、消費者にとってかなり実用的なサービスです。
木は、植えたときは小さくても、数十年たつと手に負えない大きさになります。
- 「思い出の木だから切れない」
- 「隣に迷惑をかけているかもしれない」
- 「でも、どこに頼んだらよいか分からない」
こうした悩みに対して、森林組合が相談先になります。
森林組合の仕事は、防災にも直結しています
近年は、豪雨、強風、倒木、土砂災害など、森林と災害の関係がより身近になっています。
山が荒れると、水を蓄える力が弱まり、倒木や流木のリスクも高まります。
逆に、森林が適切に管理されていれば、災害リスクの軽減につながります。
もちろん、森林整備だけで災害を完全に防ぐことはできません。
しかし、手入れの行き届いた森林を増やしていくことは、地域の防災力を底上げする大切な取り組みです。
まとめ
上伊那森林組合は、山を持っている人だけの組織ではありません。
消費者目線で見ると、木質ペレット、特殊伐採、防災、地域エネルギー、環境、地域経済と、私たちの暮らしに深く関わっています。
森を守ることは、暮らしを守ることです。
そして、暮らしの中で地域の木を選ぶことは、未来の森を育てることでもあります。
上伊那森林組合を、少し違った角度から見ていただければ幸いです。
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