農業委員会というと、許認可や会議を行う組織という印象を持たれる方も多いかもしれません。
農業委員会は南箕輪村の農業を将来につなぐための「現場」に最も近い組織の一つです。
- 農地を守ること。
- 担い手へ農地をつなぐこと。
- 無秩序な転用を防ぐこと。
- 遊休農地を増やさないこと。
- 地域の農業を次の世代へどう引き継いでいくかを考えること。
こうした役割を、日々の地道な確認や調整の積み重ねによって支えているのが農業委員会です。
令和7年度の活動
令和7年度は、農地法改正への対応も大きなテーマとなりました。
農地の取得や権利設定にあたっては、これまでの「全部効率利用要件」「地域調和要件」に加え、農業者としての属性確認も強化されました。農地が適正に利用されるかどうかを、これまで以上に慎重に確認する必要が出てきました。
農地は、一度荒れてしまえば簡単には元に戻りません。また、不適切な取得や利用が進めば、地域全体の農業にも影響が及びます。そのため、現地確認から審議まで、丁寧かつ厳正な対応を進めています。
また、令和7年3月末をもって、従来の農用地利用権設定促進事業が廃止され、農地中間管理事業へ統合されました。
農地中間管理事業は、担い手への農地集積を進める上で重要な制度ですが、一方で対象とならない農地もあります。特に地域計画エリア外の農地については、制度の狭間に取り残される懸念があります。
そのため南箕輪村農業委員会では、農地中間管理事業を活用しながらも、対象外となる農地についても利用調整を行い、地域全体として農地が放置されないよう取り組みを進めてきました。
農業を取り巻く状況は大きく変わりつつある
- 家族経営体の減少。
- 基幹的農業従事者の高齢化。
- 75歳以上の農業者の増加。
これまで地域農業を支えてきた世代が、今後数年で一斉に引退期を迎えていきます。
かつては「それぞれの農家の努力」で維持できていた農地管理も、今後はそれだけでは難しくなります。個人の頑張りだけでは限界が見え始めています。
だからこそ今、必要になっているのが「地域全体で農地を維持する仕組み」への転換です。
地域計画
地域計画では、担い手が集積・集約を進めるエリアを確認し、目標地図のブラッシュアップを進めました。
- 誰が、どの農地を担うのか。
- どの機械で管理するのか。
- どのエリアを重点的に守るのか。
地図情報をもとに整理していく段階に入っています。
デジタルの活用
令和7年度からは、活動記録をタブレットへ移行しました。これにより、現地確認や記録作業の効率化だけでなく、委員間の情報共有の迅速化も進んでいます。
農業というと、昔ながらのイメージを持たれることもありますが、これからはデジタル地図をベースに「村全体の農地をどう維持するか」を考える時代になります。
農地の動き
令和7年度の農地転用は、住宅用地が13,452平方メートル、宅地造成が4,393平方メートルとなりました。
農地の権利移動では、売買が8,363平方メートル、賃貸借権が29,535平方メートルです。
さらに、農地中間管理権設定は357筆、385,915平方メートルとなりました。
これらの数字からも分かるように、農地は毎年大きく動いています。
遊休農地は
令和7年度の遊休農地は96筆、80,294平方メートルとなりました。
令和3年度は86,310平方メートル、令和4年度は62,307平方メートル、令和5年度は63,382平方メートル、令和6年度は65,740平方メートルでしたが、再び増加傾向が見えています。
遊休農地は、地域農業の課題が、そのまま数字として現れているとも言えます。
また、農業委員会では、新規就農者への対応強化も進めています。令和7年度からは、新規就農者向けマニュアルの運用も開始しました。
新しく農業に挑戦したい人がいても、農地の確保や地域との関係づくり、制度理解など、多くの壁があります。農業委員会は、単に手続きを処理するだけではなく、地域と新規就農者をつなぐ役割も担っています。
今後の目標
南箕輪村では、農地集積率について、令和15年度70%を目標としています。
令和7年度時点では54.9%であり、面積では837ヘクタールのうち459.54ヘクタールが集積されています。
今後、担い手不足が進む中では、農地を維持するためにも集積・集約は避けて通れません。
これからの南箕輪村の農業は、「個人の努力で支える農業」から、「地域全体で維持する農業」へと大きく転換していきます。
その最前線にいるのが、農業委員会です。
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