半年、下手をすればそれ以上の期間、通行止めになってしまう恐れが出てきた権兵衛トンネルですが、旧道である権兵衛街道(権兵衛峠)が通れるようになる可能性はあるのでしょうか。

旧道:権兵衛街道(権兵衛峠)って?

南箕輪と木曽の間には険阻な木曽山脈が連なっていますが、権兵衛街道は権兵衛トンネルが平成18年に開通するまでは、普通に数多くの車が往来していた国道361号線の山道です。

ただし、現在はこちらの旧道も通行止めになっています。

いつ出来たの?

米に乏しい木曽谷は、伊那や高遠に依存していました。

米を移入するのに、現在正に迂回路となっている牛頸峠(うしくびとうげ)や塩尻を通ると日数や費用が掛かることから、1695年に木曽福島宿の扇屋が腰をあげ、街道としての整備が始まりました。

扇屋は木下(現在の箕輪町)の治郎四郎に相談し、箕輪領27ヶ村(現在の南箕輪村も含まれる)からは街道の整備に良好な返事をもらっていましたが、懸念点として、助郷が挙げられました。

助郷とは、簡単に言うとお偉いさんを宿場町から宿場町まで移動させるための全てを地元民が賄う制度です。現代で例えれば、旅行代理店(ガイド付き)+費用も自己負担のお仕事でしょうか。

新たに街道が出来ると助郷の負担が出てきてしまうので、箕輪領側は慎重になりました。

そこで、助郷に関する一礼が木曽11宿から箕輪領27ヶ村に差し出され、箕輪領は人足しか出さなくて済むようになったことから、整備が始まり、街道が出来上がりました。

現状通れるのか

土砂崩れの現場

現状通れるかと問われれば、安全性は全く確保出来ていませんが、通れます。

崖崩れや倒木、水に浸っている場所、道路沈没など、危険な箇所が多く見受けられますが、物理上通ることは出来ます。(再掲:現状は通行止め)

ただ、道路は比較的しっかりしていますが、壁面が非常に危険な状況です。

すれ違いが困難な場所も多く、崖崩れや落石が発生すれば、命の危険が脅かされる道路です。

村道整備による事故は村負担

また、村道の整備状況による車の破損は村側の負担になってしまいます。

例えば、穴が出来ていてタイヤなどがパンクしたなどの事故は、村側が費用を一部負担しなくてはなりません。

このことも、村道である権兵衛街道の通行に関してのハードルをあげています。

冬季は元々閉鎖

権兵衛街道が現役だった頃も、冬季は閉鎖されていました。

なので、旧道が通れる可能性は、少なくとも次の春を待つ必要があります。

道路はしっかりしていますが、壁面には危険箇所が多い

整備出来るのか

権兵衛トンネルがいつかは通行止めが解除されることは間違いない中で、旧道を限定された期間のために多額のお金を使って再整備することには、二の足が踏まれます。

権兵衛トンネルは国が復旧工事を代行

権兵衛トンネルは元々国が整備した国道であったこともあり、大規模災害復興法の適用があり、今回も国が復旧工事を代行することになっています。

旧道が整備される可能性としては、国(または県)が費用を負担することになって場合に少しだけ出てくる、と言うのが現状のステータスではないでしょうか。

限定された運行案

現状、権兵衛トンネルが通行止めになって一番困っていて、その数が多いのは、通勤者であると考えます。

迂回するにしても、浪費する時間やガソリン代、ストレスは相当なものです。

通行止めが長期にわたるようであれば、例えば、通勤時間帯だけ乗合ワゴン(登録制)を運行するのは一案やもしれません。

駐車場は十分にありますし、車を2台用意することができれば、迂回するより30分程度は時間を短縮できるでしょう。

限定された使い道

伊那市や上伊那の首長レベルの話し合いでは、緊急車両だけ通行可能にするなど、限定された使い道も合わせて検討していく流れのようです。

激しい倒木
美しい景色

観光に活路

美しい景色が望めることから、観光スポットしては活路があると感じました。

過去には自転車レースなども開催されており、MTB(マウンテンバイク)で頂上から整備された道路をくだって楽しむなど、活用方法は色々ありそうです。

2019年11月5日 文責 藤城

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