子持ちのおっさんでも地域おこし協力隊はできるのか。その7「引継書」

ジョブ

子持ちのおっさんでも地域おこし協力隊はできるのか。

第7回のテーマは「引継書」です。

協力隊を退職するまで@1ヶ月を切りました。

南箕輪村は2017年度から公に移住定住を始めたことになっており、

そのため「引継書」を制作して欲しいということになりました。

ただ、私が協力隊の2年間の活動で1番に感じていることは、

新しく移住定住事業を始めるより、今まで村が実施してきた定住者へのサービスをさらに充実させることが、最も移住定住に効果があり、望ましいということです。

村から提示されたミッション

さて、私が採用時に村から提示されたミッションは下記の4項目となっています。

(1)村への移住定住を促進する活動
(2)情報発信による村のPR
(3)空き家の調査、斡旋に関する活動
(4)移住定住に関する相談

採用時に言われた、採用担当者の

「藤城くん。移住定住は基本的になんでも該当するから、何でもできるよ!」

というアドバイス?と

採用担当課長の

「村にはお金がない!ただ、お金を持ってくれば自由にやってOK!」

という鼓舞は今でも印象に残っています。

(1)村への移住定住を促進する活動および(2)情報発信による村のPRについて引継書に記載したこと


 概して、移住定住と呼ばれる活動は、「移住を希望する人々に対して金銭などの具体的支援を行うことにより成果に結びつけるもの」もしくは「定住者へのサービスを充実させることで自治体の魅力を向上させ移住ニーズそのものを増加させるもの」の2つに分類される。本村は後者に重きを置いてきた背景があり、2019年度において新たに予算化されたものはなく、引き続き後者に重きが置かれた事業が展開されると考えられる。
南箕輪村の知名度は全国的にみて「最も知名度がない層」に分類されると考えられるが、知名度を向上させるためのいくつかの武器が整ってきており、それを活用することで、改善することができるのではないかと個人的には考えている。具体的には「人口増加(唯一の自然増)」「若い世代が集まる暮らしやすい村」「活発なスポーツ事業」「移住者が7割の住民構成」などが挙げられる。
長期的な目線で考えると、上伊那の人口は急激に減少していくが、生活に便利な南箕輪村や伊那市の中心地については、集落として存続が約束されていると言える。実際、村は近隣自治体から転入超過となっている。そのため上伊那全体として行う移住促進活動については積極的に支援しつつも、村としては引き続き定住者へのサービスを向上させることに注力し、強いては知名度の向上に努めることが、村に最も資する移住定住を促進する活動と考えられる。


今の村はとても住みやすい&暮らしやすいので「知名度があがって人口がもっと増えていったら嫌だ」という意見が村人には結構あると思います。

ただ、今後日本全体の人口が確実にそして急激に減少していく中で、今の村の環境を保つためには、知名度もあげて、引き続き転入超過の自治体とならなくてはならないと感じています。

そもそも出生率が2.0を切っていますので、若い世代が転入して来ないと、確実に高齢化が進みます。

今の南箕輪村が長野県で唯一自然増を記録し、若い村であるのは、昭和40年代から続いている高い人口増加率(転入超過)によるものが大きいです。

LINK:南箕輪村の人口増についての考察19

「人口増の素地とV字回復」

(3)空き家の調査、斡旋に関する活動ついて引継書に記載したこと


空き家に関しては集落支援員のサポートを行う。サポートの内容は下記のとおり。
ア 空き家に関するデータ整備
イ 新規空き家の調査や写真撮影
ウ 空き家バンク便りの制作補助や梱包事務
エ その他依頼によってサポートを実施


南箕輪村の空き家に関連する業務については、専門の熟年集落支援員が配置されているので、不動産関連は専門的な知識が必要なこともあり、途中からサポートに徹することにしました。

そんな中、一番苦労していることは南箕輪村は「空き家がとっても少ない」こと。

村全体で150軒ほどしか空き家がないためそもそも物件があがってきません。

さらに、所有者は賃貸より売買を希望する方が多いです。

借家を探しているファミリーは列をなしているのに、紹介できる物件がなかなか出てこないというのは、大きなジレンマでした。

大手や地元不動産のWEBを見ても、ファミリー向けの一軒家は2、3件ほどしか該当がなく、「ファミリー向けの借家が少ない」のは、南箕輪村が抱えるデメリットの1つと言えます。

(4)移住定住に関する相談について引継書に記載したこと


 移住定住に関する相談については、移住希望者の属性が様々であるため、対応も十人十色となるのは避けられないが、理想を追求するならば、横断的な村に関する知識を担当者は保持しておくことが望ましい。

 事前にアポがある、ないに関わらず、村役場に来庁した移住希望者の相談を受け付ける。移住希望者のカテゴリーごとに区分した対応内容は下記のとおり。

ア 住居の相談
集落支援員と協業して、村の空き家バンクに登録されている物件の紹介を行う。物件は各不動産会社が管理しているため、当日見学は不動産会社側の都合による。都合がつかない場合でも外観だけでも確認したいというニーズは少なくない。空き家バンクに希望するものがない場合は、民間の物件を斡旋したいところであるが、個別具体的な斡旋は公の立場にある役場としては難しい。

イ 南箕輪村の情報収集
移住を検討するにあたり、単純に本村について知りたいという要望を持って相談にくるケースも多い。基本的に行政側が主体となって説明を行うが、希望者の属性によってその説明内容は異なる。子育て世代であれば、移住定住促進パンフレットや子育てハンドブックを元に説明を行う。また、熟年者等に対しては、両アルプスにはさまれ眺望が素晴らしいことや夏の日較差など、村の魅力や暮らしやすさを伝えるなど様々である。

ウ 就業場所の斡旋
女性に対しては、村独自の施策であるママの就業相談を紹介している。男性に対しては長野県が毎年委託している民間業者(H31年度はイーキュア)につなぐ形が望ましいが、就業斡旋に関してはふるさと回帰センターや上伊那広域連合でも水面下で取組みが始まっており、感触としてはそちらにつないだほうが、成果が上がりそうではある。ただし、後者2団体については、法的な段取りを踏んで紹介しているかについては未確認である。

エ 就農に関わる相談
農家になることを目的とした移住相談も少なくない。農業に関しては農地法に基づいた明確な規則や基準がある訳でなく、農業委員会と自治体のさじ加減によるところも大きい。そのため、相談者のステータスで何か当課が判断できることは少ないため、当初から担当課である産業課(農政係及び農業委員会事務局)を巻き込んで相談を受け付ける形を推奨する。農地付空き家を常に1~2件確保した状態で、就農相談を受けつけたいところである。


そもそもこのブログを始めたきっかけの一つに、移住相談で必要な幅広い知識を身につけたかった、というものがありました。

移住に関しては、職と住居が最低限整わないとなかなか難しいです。

でも、南箕輪村は職に関しては、多くはないが少なくもない恵まれた地方です。

ただ、前述のとおり住居の部分でネガティブな面を持っています。

土地を買って、家を建てるにしても、不動産会社で持っている土地は、都会から来た人が好むようなものは多くないのが現状です。

私も法務局に行って、登記簿をとって所有者を巡るという、かなり大変で苦労のかかる手続きを踏んで、やっと見つけることができました。

案の定、周りの土地は移住してきた人ばかり・・・(笑)

 

最終回そして新シリーズへ

この子持ちのおっさんシリーズ「地域おこし協力隊Ver」は

おそらく今回で最終回になろうかと思います。

今までご愛読いただきありがとうございます。

4月から始まる予定の新シリーズにも、ぜひご期待ください。

 

2019年3月6日 文責 藤城

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