南箕輪村の人口増の理由について、考察していきます。

第18回のテーマは「山麓の村人〜恵まれた日照と夜の涼しさ」です。



「青い山が見える」

自信を持って言える場所が、日本にはどのくらいあるでしょうか。

南箕輪村から見える青い山々

今回は山麓の村人の風土と人口増の関連を考察します。

伊那盆地

南箕輪村がある伊那盆地はオンリーワンの特徴を持っています。

それは

東西を日本を代表する高さの山々にはさまれている

ということです。

具体的には

東は3000m級の赤石山脈(南アルプス)、その手前に最大1800mの伊那山脈

西は2,000~3,000m級の木曽山脈(中央アルプス)

に、はさまれており、

さらに南アルプスは日本で富士山の次に高い、

・日本で2番目に高い北岳
・日本で3番目に高い間ノ岳

など、日本最大級の山脈が連なっています。

ただ南北には山がないので、

囲まれているのではなく、はさまれている

と言うのが正しいです。

そんな伊那盆地の中で、南箕輪村は盆地の北部に位置しています。

南箕輪村誌
ちょっと太字になっている南箕輪村、南箕輪村誌より引用

上図を見ていただくとわかるように南箕輪村は伊那盆地の中で

最も盆地がひらけた(東西の距離が広い)場所に位置しています。

木曽へ抜ける権兵衛トンネルが村の中に出来たのもこの理由です。

ひらけているので、車で木曽から権兵衛トンネルを抜けて南箕輪村に入った瞬間の景色は素晴らしいものがあります。

なんていうか解放感がすっごいです。

恵まれた日照時間

南箕輪村は標高が高いこともあり、また自然豊かな地域であることから、空気が清澄で、晴天も多く、日照時間、日射量ともに多いのが特徴です。

村誌より
左下の日照時間にご注目

日照時間は国内では最大レベルの年間2221時間となっています。

2221時間のうち、作物を育てる主要期間である

5月〜10月の日照時間は1180時間

となっており、

これも国内で最高レベル

となっています。

また、雲や霧、スモッグに影響される日射量についても多くなっており、その根拠は

長野の特産である赤々としたリンゴ

にみることができます。

高尾山の頂上に30万人以上が住んでいる

日本を代表する高い山々にはさまれているため、その麓といえ、

居住地域は標高650mから840mとなっており、

全体として準高冷地になっています。

東京目線で例えてみると、

みんな高尾山の頂上に暮らしている

ようなものです。

長野県出身の元中央気象台職員の関口武氏の気候区分によれば、

「中央高原型」

の気候区分となります。

高尾山の頂上の高原に暮らす人々は、なんと30万人以上もいます。

高い山々によって受ける気象上の影響

高い山々にはさまれていることから受ける気象上の影響は

極めて大きいものになっています。

中央高原型の気候区分の特徴として、

(1)最も内陸で海洋の影響が少ない。
(2)高原であるため平均気温はやや低い。
(3)夏季は高温となり冬は寒く年較差が大きい。
(4)夏季は日較差も大きい。

とありますが、

その中で最も特徴的なのが

4)の気温の日較差が日本最大レベルで大きい

ということです。

(1)内陸で海洋の影響が少ない

日較差にも通じる話になりますが、陸地は海に比べて温まりやすく冷めやすい特徴があります。

海に近い地域の悩みのタネである台風による被害が少ないといった特徴もあります。

そもそも内陸なので、台風は村に来るまでに弱まる傾向がありますが、

この地域は東西の山脈によってさらに台風が弱まる事実があります。

まさに山々に守られた地域

と言えます。

(2)高原であるため平均気温はやや低い

南箕輪村の年平均気温は11℃程度となっており、同じくらいの緯度(35°~36°)にある都市の年平均気温に比べてやや低くなっています。

・南箕輪 10.8-11.6℃(標高 680-772m)

・甲府 13.7℃(標高 272.8m)
・福井 13.9℃(標高 9.1m)
・熊谷 14.1℃(標高 29.7m)
・東京 15.3℃(標高 5.3m)
・銚子 15.5℃(標高 27.4m)

これは、単純に山々にはさまれて標高が高いことが理由です。

(3)気温の年較差が大きい

メインディッシュの日較差の話をする前に、前菜として気温の年較差についても紹介します。

気温の年較差はまぁ簡単に言うと夏と冬の最高、最低気温の差です。

実は、南箕輪村は気温の年較差が結構大きい村となっています。

具体的な数字を列挙してみると

・那覇 12.1℃
・東京 22.0℃
・南箕輪 25.3℃
・旭川 28.9℃

となっています。

旭川すごいですね・・・。

どちらかと言うと年較差については少ない方が暮らしやすいと思うので、沖縄(那覇)が羨ましいというのが感想です。

(4)気温の日較差が大きい

いよいよ本題の気温の日較差です。

気温の日較差は1日の昼と夜の気温の差です。

実は、南箕輪村の夏は熱帯夜がほとんどありません。

私は無知な都会出身なので

「お昼暑くても、田舎はどこでも夜は涼しいんだなぁ・・・」

と思っていました。

でもこれは大きな間違いで、

南箕輪村(長野)だから涼しいというが正解になり、それを数字にしたのが日較差となります。

村誌より
左の上から3段目の気温日較差にご注目

表でみると、日本における日較差の最大は12℃となりますが、

南箕輪村はそれに極めて近い10.2-11.6℃となっています。

夏はどんなに暑くても、夕方からは気温がどんどん下がってくるので、夜寝苦しいことはほとんどありません。

そのため村にはエアコンがない家もたくさんあります。

また、夜間の温度低下によって作物の呼吸作用が抑えられ、秋作物の実りをよくするなどの影響もあり、具体的には

信州そばのそばの実などはその代表格

となっています。

風を受けとめる山々

その他でも、季節風による降雨(降雪)は、冬は中央アルプス、夏は南アルプスのおかげで少なくなっています。

これは、村の雪が少ない理由の一つに数えることができます。

また、山々があるため、強風が吹くことも少なく、風向きは南北の方向がほとんどとなっています。

2018年12月12日 文責 藤城

 

藤城栄文(Eibumi Fujishiro)

藤城栄文(エイブミ)です。東京で37年間過ごして、2017年2月に南箕輪村に家族5人で移住しました。子どもは全員幼児で子育てにはてんやわんやです。現在は南箕輪村で2040年以降に予想されている人口減を防ぐミッションに携わっています。

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